JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

今どきの子は?

2007年10月25日 | s-u

秋晴れの好天も今日までだそうで、明日からはどうも雨模様。だけど、インフルエンザで学校閉鎖になっているようなところもあるそうですから、このあたりでお湿りも必要でしょう。

巷では小中学生の学力調査の結果に一喜一憂しているようでありますが、よく考えれば我々が小さかったときも同様の学力テストはあったわけで、それでもたしかこれほど騒ぎはしなかったように覚えているのですけどどうだったんでしょうか?
いずれにしても県ごとの学力云々という結果だけに色目を立てず、全国のどんな状況にある子供たちも望む教育を受けられる体制が平等であって欲しいと願うオヤジでした。
まぁ普通に考えて、公立校出とは思えないお役人や政治家が、金に物言わせ受ける教育と、教育に金をかけることの出来ない庶民との、教育格差を埋める良案を考えられるとも思えないのですが・・・・・これはあまりに悲観的?それとも卑屈すぎる考えでしょうか?

「いやぁ、まいったねぇ、最近の子には昔話も出来ゃしない。」
先日、甥っ子の面倒をみていたというOさんが
「可愛い顔して、「おじちゃんお話しして」なんて言うもんだから、ほら昔話ったて俺なんかもう忘れちゃってんじゃん。しかたないから『桃太郎』の話をしてやったわけよ。」
すると、桃を割る段になって甥っ子が、
「おじちゃん、それは間違いだよ。本当はねぇ、おじいさんとおばあさんがその桃を食べたら、若返っちゃって子供ができたんだよ。」
と言ったそうで
「まったく、今の子はみんなあんなふうに耳年増なのかねぇ」

おそらくはテレビか何かで見たのでしょうけど、おちおち『桃太郎』も語れないとは恐れ入りました。(笑)

「Oさん、そりぁ落語の『桃太郎』の上行ってるかもしんない」


これは息子の置き忘れ

またまた、落語の話で恐縮ですが、その名も『桃太郎』という噺がありまして、
とある親父が宵っ張りの息子に
「いつまで起きてんだい、お父っさぁんが話をしてやるから、寝ちまいな」
てんで、『桃太郎』の話をしだします。
「お父っさぁん、そりゃ矛盾ってもんだよ。寝れば話は聞けないし、話を聞いていたら寝られない。」
てな屁理屈をこねる息子、おもわず殴りたくなる右手を押さえ、
「まぁ、いいから聞きねぇ」
やっとこさ話の本題に入ったものの、やれ「昔々とはいつだ」とか、「あるところはどこだ」とか、なかなか話が前に進みません。
それでもなんとか話を最後まで終え
「どうだ桃太郎は強いだろ、面白いだろ、だから、寝ろ」
「お父っさぁん、寝ようとは思ったけど、あんまりにも話がバカバカしくて目が冴えちまった。自分の子供の前だから良いけど、他のヤツに話すとバカにされるよ。」
なんともまぁ、さらに続けるには
「あ父っさぁん、いいかい、時代や場所を決めるのは簡単だけど、そんなことをすれば範囲が狭くなって普遍性がなくなるからわざとそうしてるんで、おじいさんとおばあさんは父母のたとえ、「父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し」のたとえから、山に柴刈り、海に釣りでは母らしくないので川に洗濯なんだよ。猿は知恵、犬は仁義、キジは勇気、人は智仁勇の三つを備えていれば出世が出来る・・・・・・」
語る語る。ふと親父の顔を覗けば
「あれ?お父っさぁん、寝ちまったのかい・・・まったく親なんてものは罪がない」
これが落ちであります。

この落語『桃太郎』も、そんな子供はいやしないから笑える噺なのでして、今どきの子にはいないとは言いきれないのかも・・・・・
う~~ん、学力調査の前に考えるべき事があるのかもしれない。

さて、今日の一枚は、シャーリー・スコットです。スタンリー・タレンタインとの結婚前のリーダー・アルバムです。

シャリーがデビューしたのはピアニストとしてでありましたが、出身地フィラデルフィアのクラブに出演していたとき、オーナーからオルガンを弾いてくれないかと頼まれ「ハモンドB-3」を弾くことに、これがきっかけでオルガン奏者へと転向したのでした。
(そうそう、フィラディルフィア時代にはコルトレーンとも共演してるんですよ)
そんな時、サックス奏者エディ・ロックジョウ・デイビスの目に止まり、ニューヨークへ、タレンタインと出会ったのでありました。

ははははは、べつに二人の恋物語を語る必要をないわけで、シャリーのオルガンはリズミカルで私の耳にはじつに心地よく感じます。
テーマ曲「MUCHO MUCHO」の ♪チャララ チャッチャチャー なんてとこ大好きです。
エディ・ロックジョウとの共演盤や、タレンタインとの共演盤ももちろん良いんですが、彼女を楽しむなら、このアルバムがお勧めです。

MUCHO MUCHO / SHIRLEY SCOTT
1960年7月8日録音
SHIRLEY SCOTT(org) GENE CASEY(p) BILL ELLINGTON(b) MANNY RAMOS(ds, timbales) PHIL DIAZ(vib) JUAN AMALBERT(cga).

1.WALKIN'
2.TELL ME
3.I GET A KICK OUT OF YOU
4.MUY AZUL
5.THE LADY IS A TRAMP
6.MUCHO MUCHO