JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ウロウロ虫

2007年10月05日 | s-u

女から見て、男の最大の難点は、彼らが男であることだ。男から見て女の唯一の値打ちは、往々にして、彼女たちが女であるということだ。 - アンリ・ド・レニエ -

昨晩、体調思わしくないS君から電話が入りましたが、たまたま私が忙しい(一年に2,3回しかないことですけど)時だったので電話をとれず、今朝になって「何事ぞ」と連絡を入れました。
「あっ、昨日の電話?いやいや、たいしたこと無いんだけどね。」

内容はこうです。
○△というスナックのママが今度店舗の所場をかえ、再オープンするので、その開店パーティーの招待状を私の分も預かってきたのだそうで、
「なんで、てめぇが預かってくんだよぉ。最近会わないから預かっても渡せないとか何とか言って、そのままにしてくりゃいいに」
しかたなく、今日帰りにS君のところでもらって参りました。

いやべつにS君がママのところへ、私を置いて一人で行ったことを責めてるんじゃないんですよ。あの開店パーティーというのが私はどうにも苦手なわけで、仮にそのお店に行くにしても開店時のゴタゴタが治まって、しばらくたってから「開店おめでとう」と行く方が性に合ってるわけですよ。
それにほら、飲み代は必要ないというたてまえですが、包むお祝いの方が多かったりするじゃないですか。

私も若い頃はなんだか特別扱いされているようで、ホイホイ喜んでこの手のパーティーに出かけたり、社用で使っていたクラブのホステスに「バブさぁん、今度私お店出すんだけどぉ、バブさんも開店の時に来てくれるよね?あっ、でも他の人には言わないでね。招待するのバブさんだ・け・だ・か・ら」なんて言われて、デレーっと鼻の下伸ばして、「もちろん行くよぉ、Kちゃんのお店だもぉん」てなこと言って、イソイソ出かけるんだけど、じつは他のヤツとは日時だけ別なだけで、一週間も開店パーティーやってたとかね。(笑)
なかには『政治家のパーティー』よろしく、「お祝い金集め」みたいなパーティーもあったりしますからね。
もちろん今回誘われたスナックは、そんなぼったくりのようなお店じゃありませんよ。

でも、今回だって招待状をもらっちゃえば、知らん顔も出来ないし・・・・・
「あら、招待状もらったからって、ほっときゃいいでしょうよ。」と家人。
「いやぁ、そうはいかないのよぉ・・・どうせ、S君も付き合えとか言うだろうし・・・」と私。
まったく勝手に預かってくるSもバカ野郎ですれど、もらったからって逃げられない私も大バカ野郎でして・・・・そこにはほんの少し「その店の女の子に嫌われたくない」というくだらない意識も存在するわけで。
それらの女という存在そのものに、何をするわけでもなく、男はいらぬ価値を持ってしまうものなのでしょうか?
彼女たちをどうするでもなく、まわりをウロチョロさせられて、ただ月謝を払ってくる、ほんと、男ってしょうもないですよね。

女は例えば便所の裏にジメジメした地面があって、そこから生まれてくるキノコみたいなものだ。われわれはそのまわりをウロウロしている虫です。神様がアダムを先につくったなんて、ウソだ! - 殿山泰司 -

さて、しょうもない男の話は忘れて、今日の一枚は、一度はラッパ吹きも考えたものの「我が道は教壇に有り」と、一年あまりで教師に戻ったルイス・スミスです。

クリフォード・ブラウン直系とも言われるルイスですが、表題曲「SMITHVILLE」なんか聴くと、ちょっとマイルスっぽいところも・・・なんて思えませんかね?
とは言うものの、ドップリと陰に漬かりすぎないあたりは、いかにもルイスらしいところだと思いますけど。

彼が活動期間に残したリーダー・アルバムは、潰れかけていたマイナー・レーベル、トランジションから、ブルーノートのアルフレッド・ライオンがテープを買い取りレコード化した「HERE COMES LOUIS SMITH」と、ブルーノートが改めて録音した今日のアルバムの二枚だけ、よくぞ探しだし、二枚とはいえアルバム化してくれたと、ライオンに感謝すべきでしょう。

「HERE COMES LOUIS SMITH」で共演した、同じく教師キャノンボール・アダレーは、キッパリとジャズメンの道へ進み、ルイスは教師の道へ戻る・・・・どちらが正解であったかは、まわりが決めることではありません。それぞれに充実した生涯を過ごしたのでしょう。しかし、いちジャズリスナーとしては、ルイスがジャズメンの道を選んでいてくれればなぁ・・・とこの二枚のアルバムを聴くと思わずにはいられません。

SMITHVILLE / LOUIS SMITH
1958年3月30日
LOUIS SMITH(tp) CHARLIE ROUSE(ts) SONNY CLARK(p) PAUL CHAMBERS(b) ART TAYLOR (ds)

1.SMITHVILLE
2.WETU
3.EMBRACEABLE YOU
4.THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
5.LATER