JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

美人、世界征服の陰謀

2008年07月24日 | m-o

昨晩遅くに帰宅すると、何やら怪しげな香りが漂っておりました。『月下美人』です。今年も6つの大輪を咲かせました。
入浴後『月下美人』の酌で一杯いただこうかとも思ったのですが、どうにも売れない場末のホステスみたいにあまりに香りが強すぎて(いかん、これは差別発言ですね、お許し下さい。)ともかく良い香りにも限度があります。早々に酒場を趣味部屋に変更して、ビール、日本酒、バーボンのフルコースを楽しみました。


♪ どこから漂ってくるのだろう
月下美人 不思議な花の香り
甘い香りに誘われて
河のせせらぎの中を
娘達たちが渡ってゆく
今日も一人一人一人 ♪
     山口百恵『娘達』

それにしても『月下美人』はどういう了見で、一晩だけのあの色香を放つのでありましょうか。
「かあちゃん、『月下美人』って、べつに種ができるわけじゃないよなぁ」
「種なんか見たことねぇなぁ、増やすのは株分けだし」
一年という長き日数を費やして、たった一晩、ほんの少人数に色香を楽しませる、大輪に似合わぬその奥ゆかしさこそが『月下美人』の美人である所以ではありましょうが、彼女もべつに目的も無しに花を咲かせているとも思えませんしねぇ。

「品種改良でこうなったとしても、どうせ改良するんだったら昼間咲かせるようにでもするだろうし・・・・・・・」

『月下美人』はメキシコ原産のサボテン科に属する植物だそうで、それこそテキーラに酔って血迷ったか?いやいやそんなはずはありません。
私が思うにはです。よほど想った相手がいて、それ以外にはけして真の姿を見せないみたいな。(笑)
おそらくは、メキシコには月明かりの夜にしか現れない、いい男、いや、いい虫でもいるんでしょうね。そいつだけを誘うために一夜かぎりの色香を懸命に放つのでしょう。
でももしそうだとしたら、人間というのはじつに身勝手で残酷であります。だって、たった一人の恋人のために懸命に踊る花を、恋人でもない我々の前で踊らせる、言ってみれば、見せ物小屋に無理矢理連れてきて、大衆の前にさらす悪徳なんとかみたいなもんでしょ。
なんだか『月下美人』の美人であるが故の悲哀を感じたりします。(美人は美人なりに辛いもんだ....笑)

いや、まてよ、彼女たちの真の目的は、一瞬の美を讃美する我々を利用して、全世界に飛び出そうという世界征服にあったりして、だとすれば、踊らされているのは我々の方か?????? う~~~ん、恐ろしきは『美人の陰謀』かもしれない。

そんなくだらないことを考えながら、美人のためにと酔っぱらいギターなどかき鳴らしていると、12時半、いつものバーのママから電話がかかってきました。
「どうしたのこんな時間に」
「あたし、あたし誰だかわかる?」
電話の向こうの声はママではありません。
(ん?だれだ????あっ!この声は△さんだ!)
「バブちゃん、あんたこの頃、水曜日に飲みに出るってブログに書いてあったから、今日来たのに!これから出てらっしゃい!」
「いやいや、それだけはご勘弁を・・・・・・」
・・・・・グラグラグラグラ
地震です。そう昨夜の大地震がまさにその時やってきたのでありました。
凄かったですねぇ、長かったですねぇ、
このあたりは震源地が遠かったわりには震度4とけっこうな揺れで、ちょっとビックリしました。ただ、震災に遭われた方には申し訳ないのですが、おかげで深夜タクシーでのお出かけは回避できましたけど。
報道によれば、死に至る被害を受けた方はおられなかったようで、不幸中の幸いと安堵しています。それでも被害に遭われた方は心細くおられることでしょう。心よりお見舞い申し上げます。

さて、今日の一枚は、ジェリー・マリガンです。
この選択理由はじつに不純でして「『月下美人』的ジャケットは無いかなぁ」みたいな。(笑)
それでも、美人ジャケットの品揃えがそれほど豊富とは言えない持ちネタで、ピッタリというジャケットはそうそう有るもんじゃ無いですね。
候補としては

このあたりが上がったりもしたのですが、一長一短。どうもイメージとは違う気がして、最後に残ったのが今日のアルバムとドン・バイアスの「ROUND ABOUT MIDNIGHT」この二枚、

♪ あなたが去ったあともその笑顔ののこしていった影が
私のすべての夢を彩ってくれ
夜あけを明るく照らしてくれるでしょう
私の目をよく見つめて
あなたが私にとってどれほど大切か判ってちょうだい
私たちの願いをこめた小さな星ははるか遠くに去ってしまった ・・・・♪

結局は「THE SHADOW OF YOUR SMILE」の歌詞も、それから同曲が主題歌だった映画「いそしぎ」でのエリザベス・テラーのイメージも、なんとなく『月下美人』に合ってるかなぁ・・・なんてね。

すいません。それだけで選んでしまいました。(笑)

ちなみに、マリガンでもピアノレスではなく、ハンプトン・ホーズの入った、フランクフルトでのライブ盤です。

THE SHADOW OF YOUR SMILE / GERRY MULLIGAN
1965年録音
GERRY MULLIGAN(bs) HAMPTON HAWES(p) HARRY FRRANKLIN(b) MIKE CARVIN(ds)

1.IN THE STILL OF THE NIGHT
2.BALLAD MEDLEY
  - Carioca
  - The Shadow of Your Smile
3.BLUES IN B FLAT
4.BRIGHT BOY BLUES