さすがに今日はダラダラと過ごすことを許され、レコードを聴いたり、DVDを見たり、本を読んだりと、ノンビリ過ごしました。(夜は手伝いに行くんですけどね)
そんな午後、チェット・ベーカーなんぞ聴きながらマッタリしていると、
「○○(私)、ちょっと」
と母が下で大声を上げています。
「なに?」
「わかんねぇから、代わりにきいて」
玄関先口には、Yシャツにネクタイ姿の若い青年が立っておりました。
「何でしょう?」と私
「○○協議会の○△と申します。最近住宅リフォーム等々の悪徳セールスが蔓延しておりまして、そんな中、皆様のご協力もあって我々協議会の安全ステッカーがそこそこの予防効果を発揮しつつあります。本日はそのステッカーを配布してまわっています。」
とのこと、
「それはご苦労様です。じゃあステッカー置いていってください。」
「つきましては、何かあって連絡していただいた際に、こちらの場所等々がすぐ把握できるよう御名前、住所と電話番号をお書きいただいているのですが」
「ちょっとまった、ごめんね。あなたを信用しないわけじゃないし、休日にこうして歩いているんだから、そんなこと言いたかないんだけど・・・・・」
私は、○○協議会なるものが、どういった団体であるかもよく知らない点、さらに仮に○○協議会という団体が、公のしっかりした団体だとしても、彼がその名をかたっていないとの保証もない点などを説明して、
「こんな世の中ジャン、あなたには本当に悪いと思うんだよ。思うけど確認が取れないうちに電話番号を教えるわけには、やっぱいかないなぁ」
結局、彼も「もっともです。」と納得してくれ、
「私の説明も悪かったのだと思います。こちらに資料を置いてまいりますので、ネット等々でお調べいただき、ここに書いてある電話ではなく、ネットなどに公開している電話に連絡いただければ再度伺います。」と帰って行きました。
早速ネットで調べてみると、連合系の非営利団体のようで、彼が言っていたことの裏付けも取れました。先ほどお詫びの電話を入れておきましたが、電話対応もとても良いものでした。
「電話番号ぐらいさっき書いてやれば良かったのに」と母
「ほら、これだぁ、ほんと気を付けてよ。そういうのから『振り込め詐欺』みたいな被害につながらないとも限んないんだから」と私。
そう言いながらも、「何だか、じつに世知辛い世の中になってしまった」とため息も出てしまう私でした。
おっと、余談ですが、『世知がない世の中』は間違いですよ、『世知辛い世の中』が正解ですからね。
えっ?そんなこたぁ常識だって?
げげげ、あたしゃけっこう歳行くまで『世知がない世の中』だと思っておりましたけど・・・・(笑)
さて、今日の一枚は、ブッカー・アービンです。
じつにアービンらしいシリアスな一枚です。
感じるのは知性と叙情性?・・・・それはリチャード・ウィリアムスのトランペットのせいなのか?いやいや、これがアービンなのでしょう。でも、ウィリアムスのおかげで叙情性が高まっているのも間違いありません。
アービンの演奏は、好きだという人と嫌いだという人がハッキリしているようにも思えます。好きな人にとっては「ワンホーンでバーン!」のアービンの方が良いのかも知れませんねぇ・・・・でもアービンらしい一枚であることは確かですよ。
昔聴いたときには、とても抒情的に感じたアービンも、今聴くと少しホットに感じるのは何故なんでしょう?
やっぱ、歳を取ったのかな?
THE IN BETWEEN / BOOKER ERVIN
1968年1月12日録音
RICHARD WILLIAMS(tp) BOOKER ERVIN(ts,fl) BOBBY FEW(p) CEVERA JEFRIES(b) LENNIE McBROWNE(ds)
1.THE IN BETWEEN
2.THE MUSE
3.MOUR
4.SWEET PEA
5.LARGO
6.TYRA
おまけ、
『世知辛い世の中』は、『世知』は、仏教用語で『世俗の知恵』、それが『世渡りの才』に変じて『勘定高い、せこい』といった意味。『辛い』は強調語で、つまり『ムチャクチャせこい』?
何だか意味が違う方へ行っているようですが、『世知辛い世の中』には隠れている意味があって、「世知辛い(ムチャクチャせこい)人が多い世の中は暮らしにくい」といった意味になるそうです。参考までに。