う~~~~~~暑い、午前中に降った余計な雨がさらなる不快指数を生み出しています。
今日は土曜日、Mさんのお店の手伝いがありますのでこの時間の更新です。
「もし、えらい顔ぶれでっせ、芥川龍之介、有島武郎、太宰治、三島由紀夫に川端康成で、なになにテーマが『自殺について』かぁ、聞いてみたいなぁ。こらなかなか地獄もたのしめそうでんな。」
上方落語をさほど聞かない私でも、この上方落語屈指の大ネタ『地獄八景(じごくばっけい)』は知っています。
幽霊のラインダンスや骸骨のストリップが見られるキャバレー、芝居小屋には初代から十代目までの市川團十郎が総出演する『忠臣蔵』がかかっています。寄席なんざぁ、東西の名人のそろい踏み「トリをいったい誰が取るんだぁ?」みたいな。
「おいおい、米朝も出てるのかい?」
「米朝という名で死んだ噺家はおまへんが、あらまだ生きてんのと違いますか?」
「あんじょう見てみいな、肩のところに近日来演と書いてある」
趣味部屋の暑さを我慢しながら、コルトレーンの「LUSH LIFE」なんぞ聴きながら、いつものように朝日新聞を読んでいると、「ニッポン 人・脈・記 笑う門には福でっせ」という、桂米朝に関する記事を発見、じつに面白い記事でした。
幼少時に神主だった父に連れられ寄席へ出掛け、落語にはまり、17歳で東京は大東文化学院に進学、それでも寄席通いは続き、小沢昭一らと同じく、正岡容(まさおか いるる)門下として学生時代を送っていたそうで、そんな時、正岡に噺家になることを勧められるものの時は戦時下、米朝もまた軍隊へ、戦後も落語好きは変わらず、地元愛媛に大阪の噺家を呼んで落語会を始め、そこへやってきた四代目桂米団治を師匠と決め、母親の反対を押し切って弟子入りしたそうで、人間国宝、桂米朝の噺家としての出発はけして早いものではなかったんですねぇ。
その後、上方では大看板が次々と世を去り「上方落語は死んだ」とまで言われるように、そんななか米朝は断片しか残っていなかったり、廃れてしまった古典を、整理肉付けして復活させたのであります。
凄いお方ですねぇ、今の上方落語は米朝無くしてあり得ないのでありますから。
そんな米朝はかつて「55歳であの世行き」と公言されていたそうで、それで十八番『地獄八景』には自分の看板が出ているてな自虐ネタも織り込んだんであります。
熱湯地獄も針の山ももろともしない主人公4人を、「しかたない」と人呑鬼(じんどんき)が呑み込むのですが、腹の中で大暴れ、「こりゃたまらん」と便所へ駆け込むものの、中で井桁を組んで四人が耐えるものだから、出てきやしません。
「閻魔大王様、もう辛抱たまりません、大王様を呑み込ませてください。」
「わしを呑んでどうするのじゃ」
「大王(つまり、大黄という下剤に掛けている)呑んで、下ってしまう。」
これが『地獄八景』のオチでありますが、
今日の記事は
今年3月に神戸で開かれた「よもやま噺」の会で、
「米朝さん、次に行かれるのは天国ですか、地獄ですか」との客の質問に、会場は一瞬静まりかえったものの、すぐに米朝が
「楽屋やな、次行くのはな」
と答えたという、じつに良いオチで終わっておりました。
いつまでもお元気に、楽しい落語を続けていただきたい、地獄に看板を持つ男、桂米朝師匠の記事でありました。
さて、今日の一枚は、フィニアス・ニューボーンJr.です。
(いかん、時間が無くなってきたぁ~~~!!!!)
このアルバムは、ブロードウェイ・ミュージカル「JAMAICA」のナンバー集といった一枚。
そのせいでしょうか、アドリブ云々というよりメロディ重視の一枚に仕上がっています。
ラテンリズムの中でも、ニューボーンのピアノは目立ちます。
彼のアルバムで特にお勧めといった一枚ではありませんが、ニューボーン好きの私としては、外せない一枚でもあります。
JAMAICA / PHINEAS NEWBORN Jr.
1957年9月録音
PHINEAS NEWBORN Jr.(p) ERNIE ROYAL,NICK FERRANTE(tp) JIMMY CLEVELAND(tb) JEROME RICHARDSON(fl,ts) SAHIB SHIHAB(cl,bcl,as,bs) LES SPANN Jr.(g) GEORGE DUVIVIER(b) OSIE JOHNSON(ds) WILLIE RODRIGUEZ(conga,timbales) FRANCISCO POZO(bongos)
1.SAVANNA
2.LITTLE BISCUIT
3.COCONUT SWEET
4.PUSH DE BUTTON
5.NAPOLEON
6.HOORAY FOR DE YANKEE DOLLAR
7.FOR EVERY FISH
8.TAKE IT SLOW, JOE
9.PITY DE SUNSET
10.PRETTY TO WALK WITH