毎日のできごとの反省

 毎日、見たこと、聞いたこと、考えたこと、好きなことを書きます。
歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

米国は陸戦に懲りた

2019-10-09 17:05:34 | 政治経済

 米国は対日戦で、苛烈な陸上戦闘に自信を持った。日露戦争の日本軍や第一次大戦の戦訓を入れた陸兵の訓練に成功したのである。陸軍と海兵隊である。第一次大戦当時は、勇敢だが無鉄砲だと言うのが、欧州軍人の米軍人に対する一般的評価である。それを矯正するのに成功したのである。

この勢いを持って朝鮮で戦ったが、ベトナムでの長期のゲリラ戦で懲りて、長い間陸戦恐怖症にかかった。しかし、湾岸戦争で少し自信を取り戻したが、イラク戦争で、再び懲りてしまった

 湾岸戦争とイラク戦争は正規軍での圧倒的な兵力差で勝って一度は陸戦に対する自信を取り戻したように見えた。しかし、イラク戦争後、女子供まで使ったゲリラ戦で、まともな戦闘もないのに、毎日一人、二人と確実に犠牲者が出ると段々に耐えられなくなった。期間に対する犠牲者の比率は、ベトナム戦争よりよほど少ないのに、である。

だから対北朝鮮に対しても、爆弾や巡航ミサイルによる間接攻撃はできても、歩兵や戦車などの戦闘車両を使った陸戦はできないのである。せいぜい特殊部隊による首脳の暗殺作戦位のものであろう。

 だがトランプ大統領の決断はどうであろうか。陸戦をするも辞せず、という覚悟がなくて、北に核開発を止めさせることはできない。少なくとも陸戦を実際に行わなくても、陸戦を行う覚悟は必要である。だが、イラク戦争の不評をよく承知しているトランプ大統領に陸戦の覚悟はないように見える。

 かつてイスラエルがイラクの核開発を阻止するのに、数機の戦闘爆撃機で一か所の原発を爆撃して成功した実績はある。しかし、これは核開発のごく初期だからであって、現在の北朝鮮のようにある程度開発が進み、施設が分散した現在では不可能である。時間がかかり過ぎて、その前にソウルが甚大な被害を受けるという予測をしている。

 クリントン政権時代に空爆によって核開発を阻止する計画があったが、北朝鮮による謀略によって中止された。空爆によって核開発を阻止するチャンスは、このとき永遠に失われたのである。

 この時は、北朝鮮か核実験どころか米本土まで射程に入れるICBMまで、ロシア、ウクライナ、中国、パキスタンなどの技術支援によってできる可能性がある、などとは想像もつかなかったのである。要するにアメリカは北朝鮮の未来が深刻な脅威になるとは想像もしなかった。その結果一番嫌な陸戦を覚悟しなければならない羽目に陥ったのである。

 トランプ大統領は、北朝鮮問題より優先度の高いはずの、対イラン戦略においてさえ早々と戦争はしない、と宣言してしまった。

 ただ、推測されるように最近の潜水艦発射弾道ミサイル実験は、潜水艦から発射したものではない模擬実験のようであるし、弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭の開発は、当分覚束ないようである。米国の逡巡もここにあるのだろう。

このブログに興味をお持ちの方は、ここをクリックして小生のホームページも御覧ください。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿