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私の闇の奥

藤永茂訳コンラッド著『闇の奥』の解説から始まりました

いよいよエリトリアの番か?

2016-06-20 18:26:36 | 日記・エッセイ・コラム
 この数年間の実績に基づいて私が信頼を置くジャーナリスト論客にグレン・フォードがいます。米国の黒人でBlack Agenda Report という報道機関の編集長です。6月15日付のブログ記事『 “アフリカのキューバ”エリトリアの政権をリビア同様に打倒する米国のお膳立整う』で、オバマ大統領が任期中にエリトリアを圧殺するのではとグレン・フォードは危惧しています。

http://www.blackagendareport.com/us_plots_war_against_eritrea

 以前から私はエリトリアのことを心配していろいろ書いてきました。この紅海に臨む人口6百万の小国は、“アフリカのキューバ”、“アフリカの北朝鮮”、の二つのあだ名を持っています。米国の操り人形に成り果てた国連を利用して、米国がどのようにエリトリア政権打倒のお膳立てを整えたかは、グレン・フォードのブログ記事を読んでしっかりと理解してください。国連の三人委員会が、米国の指示通りに、作成した申し立てが大きな嘘であることは、私の目には以前から明白ですが、最近、英国のBBCのベテラン記者Mary Harperの詳細で貴重な発言がありました。ここに引用するのはエリトリアの公式の報道番組ですが、メアリー・ハーパーさんのBBC Reportは肉声で聞くことができますし、その内容も読むことができます。そして、このトランスクリプトの先にあるコメント欄を是非読んでください。エリトリアに関する真実が那辺にあるかが分かっていただけると思います。ただ、今や国営宣伝機関に等しいBBCがこの時点で何故このような真実の報道をしたのか、その政治的意図のほどははっきり分かりません。

http://www.tesfanews.net/why-outside-world-hate-eritrea-bbc-report/#disqus_thread

なお、次の記事も開けてみてください。この記事のコメントの終わりに

http://www.tesfanews.net/note-recent-eritrea-media-coverage/

米国のかつての国連大使John Bolton が「国連はアメリカのものだ」と傲然と叫ぶ動画が付いています。
 なぜ私がこうまでエリトリアにこだわるのか? 我が日本に関わりのないアフリカの小国のことを気にするより、喫緊の重要問題が日本に山積しているではないか、という声もあるでしょう。私の答えは次の通りです。
 日本の、そして、世界の反核運動の喫緊の具体的目標は核戦争の阻止でなければなりませんが、今、世界をその危険の方向に押しやっている国の代表は米国です。オバマ大統領の広島訪問が本質的に何であったかを、我々すべてが凝視しなければなりません。オバマ大統領の講演や折り鶴をめぐる日本人の反応を見ていると、情けなさよりも、空恐ろしさが背筋を走ります。米国という国(あるいは米国を牛耳っている人々)の恐ろしさです。核兵器システムの“近代化”という名目のもとに進展している米国の核軍備拡大は公然の事実で、それを知る場所はいくらもありますが、ここでは最近のもの一つだけを挙げておきます。

http://www.alternet.org/world/washingtons-aimless-middle-east-strategy

北朝鮮とは異なり、核兵器問題には全く関係のないエリトリアに注目することで何が見えてくるのか。米国の真の姿です。米国というシステムの底知れぬ残忍さです。日本が強固な同盟関係を結んでいる国の底知れぬ残忍さです。

藤永茂 (2016年6月20日)

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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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宿題がたくさんで、(^^; (千早)
2016-07-09 01:31:05
今、グレン・フォードの記事と(Australian chairman、Mike SmithがMarkになってるが)BBCの放送を聞きました。そこのコメントはあまりに多くて、まだちょっと上の方しか読んでいませんが、これはラジオですよね?

電通の犬HK同様に大本営発表役を、殊に9/11のあと なんとかいうディレクターがクビになったあたりからガンガン強化されたBBCですが、殊にラジオだと 聴く人の数がTVと比べて圧倒的に少ないのではないでしょうか? それがこのニュートラルな報道を看過した理由じゃないかな?と。

エレトレアって全然聞いたことがありませんでしたが、1993年にエチオピアから独立した国ですか。ちょっと他も見ていたら、

Canada’s Nevsun Resources: Enabler of Crimes Against Humanity in Eritrea
(Eritreans for Facilitating National Dialog – EFND, July 7, 2016) Nevsun is a Canadian gold mining company operating in Eritrea – a country that has been ruled through fear and terror for the last 25 years. And recent investigations by a UN Commission of Inquiry (COI), confirmed the ruling junta has been committing “crimes against humanity” against its own people (10).
http://hrc-eritrea.org/canadas-nevsun-resources-enabler-of-crimes-against-humanity-in-eritrea/

という記事を見かけて、本文まだ読んでないんですが(^^;
ひょっとして、エレトレアには金があって
だからこそ、米国等は破壊して、分捕ろうと目論んでいるのかな?と。

以前、拙ブログ記事コメント欄で
シリアにどんなうまみがあるのか?
と聞かれて、
ガス田目当てのようだと答えたことがありますが
http://insidejobjp.blogspot.com/2013/05/blog-post_14.html?showComment=1372565658853#c9105591658550648387
コソボも確か銅か何かだったし、嘘八百並べて飽きもせずやってくれるものだと。

あと最近奴等に攻撃されてるなかにはヴァヌアツも入るのではないかと。
結構地震(熊本地震と連動というか、その前に起きていたり)を起こされたりしていましたが、ごく最近、予防接種が始まったと聞いて、あぁ、それか!と。

奴等極悪犯罪者たちは人々が
そこそこ平和で健康に暮らしている社会が大嫌いなのです。

こちらでも人口の10%、240万人が貧困か under poverty line に加え、メルボルンのホームレスもここ1年で倍に増えたと聞きましたので

“responsibility to protect” (R2P) Eritrea’s citizens from alleged abuses by their own government

是非ともUNに介入してもらいたいものだ!と思います(皮肉)。
長文、失礼致しました。
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Unknown (けんしん すぎはら )
2016-07-28 19:00:14
シェアさせいただきます。
返信する
アミルカルカブラル (lachino)
2016-10-11 01:10:36
初めてお便りします。
フランツ・ファノンについて調べ物をしてましたら、先生のこのブログに辿り着きました。
20年前の学生時代に拝読しました『アメリカ・インディアン悲史』以来、久方ぶりに先生の心優しい文章に遭遇できて大変嬉しく思います。
エリトリアについては、朝日新聞の故・伊藤正孝記者の『アフリカ ふたつの革命』で読みかじったくらいで殆ど知識は持ち合わせていませんでした。ただ、その著書の読後、とてつもなく高邁な方々の集団の存在を知り、深く感銘を受けたことを覚えております。
イサイアス議長もご健在なのですね。
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