褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 嵐が丘(1939) ウィリアム・ワイラー監督は文芸作品を撮らしても完璧

2010年07月23日 | 映画(あ行)
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします

 文芸作品において映画化される作品は多いけれど、一番映画として有名なのが風と共に去りぬになるのかな?原作はかなりの長編で映画も3時間を超える作品だった。
 僕はこの映画を観た時、ストーリーよりもこのテクニカラーによる作品が、アメリカで1939年という第二次世界大戦中に公開されていたこと実際に日本では1952年という戦後に公開されているのだけれども、戦時中にこの”風と共に去りぬ”が日本で公開されていたら、もっと早く日本は降伏していただろう。

 そして今回紹介する嵐が丘は非常に有名な文芸作品過去に何回も映画化されているだけあって、その原作は素晴らしい・・・と言いたい所だが、僕は原作を読んでいません
 今回紹介する嵐が丘も1939年の作品こちらは”風と共に去りぬ”と違ってモノクロによる映像
 しかし、このモノクロの映像が幻想的なシーンを演出しているし、ストーリー内容も”風と共に去りぬ”よりも惹き付けられるものがある

 ちなみに監督はウイリアム・ワイラーまさに映画界の巨匠中の巨匠的存在。
 彼の作品は多くのジャンルによって印象的な映画が多い
 ロマンティックコメディにおいてローマの休日は今でも世代を問わず好かれている作品の1つだろうサスペンス映画としてはハンフリー・ボガードが鬼気迫る悪役を演じた必死の逃亡者、そして舞台劇の映画化作品でカーク・ダグラス主演にして彼の熱演が見られる探偵物語、そして第二次世界大戦の戦勝国のアメリカを帰還兵を通して描かれたヒューマン映画の傑作我等の生涯の最良の年、人間の存在など大自然の前では小さい存在であるかのような西部劇の名作である大いなる西部、そして今でも圧倒的なスケール、そしてヒューマン的要素も忘れられないベン・ハーなど、本当に彼の映画歴を語るだけで1つのブログの記事が書けるほどたくさんの名作、傑作を撮り続けた
 今回の嵐が丘は彼の初期作品だけれど、既にこの映画から大監督としての風格を感じさせるモノクロとはいえ、圧倒的な大自然をカメラで見せつけ、人間の復讐心、そして見事に永遠の恋愛を描いた嵐が丘を紹介しよう

嵐が丘 [DVD] FRT-007

ファーストトレーディング

このアイテムの詳細を見る
 

 1人の男が猛吹雪の中、道に迷ってしまうが非常に寂れた”嵐が丘”と呼ばれる屋敷に辿り着く
 彼がその屋敷に入ると屋敷の主人であるヒースクリフ(ローレンス・オリヴィエ)やお手伝いさんなどが居たがどこか雰囲気は暗かった
 その夜、男は部屋を借りて寝ることにしたが外からこの猛吹雪の中、女の人の声が聞こえてくる。それをこの主人のヒースクリフ(オリヴィエ)に語ると突如気が狂ったように猛吹雪の中、外へ飛び出していくヒースクリフ(オリヴィエ)。
 彼はこの屋敷の召し使いのエレン(フローラ・ロブソン)から、この”嵐が丘”にまつわる出来事を語りだす
 
 この”嵐が丘”の主人であったアンショウ(セシル・ケラウェイ)は非常に情け深い人物であり路頭に迷っていた少年のヒースクリフ(オリヴィエ)を連れて帰ってきて、息子のヒンドリー(ヒュー・ウィリアムズ)と娘のキャシー(マール・オヴェロン)と同様に育てることにした。
 しかし、ヒースドリフ(オリヴィエ)はヒンドリー(ウィリアムズ)とは険悪な仲で、逆にキャシー(オヴェロン)とは仲が良かった。

 アンショウ(ケラウェイ)が死んで、ヒンドリー(ウィリアムズ)が”嵐が丘”の主人になるとヒースクリフ(オリヴィエ)は屋敷を追い出され、馬小屋での生活を強いられた
 しかしヒースクリフ(オリヴィエ)とキャシー(オヴェロン)の仲は恋愛関係に発展しており、2人はいつも希望にあふれた将来を語り合う

 ある日、ヒースクリフ(オリヴィエ)とキャシー(オヴェロン)は貴族であるリントン家のパーティーをこっそりと見に行く。しかし、そこでキャシー(オヴェロン)はリントン家の犬に噛まれ大怪我をしてしまう
 怪我が回復するまでリントン家でキャシー(オヴェロン)は養生することになった。

 キャシー(オヴェロン)の怪我も回復し、彼女は”嵐が丘”に戻ってきたしかし、彼女が帰って来た”嵐が丘”は兄であり主であるヒンドリー(ウィリアムズ)は酒と女に溺れている生活を送っていた。そしてキャシー(オヴェロン)が帰って来たことに喜ぶヒースクリフ(オリヴィエ)だったが、すっかり貴族の生活に憧れを持ってしまったキャシー(オヴェロン)はヒースクリフ(オリヴィエ)との再会に喜んだ姿も見せず、しかもリントン家の跡継ぎ息子であるエドガー(デヴィッド・ニーブン)と婚約してしまい、やがて結婚してしまった 

 キャシー(オヴェロン)はリントン家での生活は満足であったが、一方ヒースクリフ(オリヴィエ)にとっては苦しい思いを抱いていた
 キャシー(オヴェロン)が久しぶりに”嵐が丘”に帰ってきて、召し使いのエレン(フローラ・ロブソン)に、実は今の夫のエドガー(ニーヴン)とヒースクリフ(オリヴィエ)の間で悩んでいる苦しい心中を語るが、その話をこっそり隠れて聞いていたヒースクリフ(オリヴィエ)は自分は捨てられたと勘違いして姿を消してしまう

 数年後ヒースクリフ(オリヴィエ)は帰って来たすっかり金持ちになり、身なりも以前の馬小屋で馬の世話をしていた頃と違っていた
 ヒースクリフ(オリヴィエ)は酒と女に金を使い込んでいるヒンドリー(ウィリアムズ)から”嵐が丘”を買い取り、そしてリンドン家のエドガー(ニーヴン)の妹のイザベラ(ジェラルディン・フィッツジェラルド)を誘惑して結婚する。
 しかし、それはキャシー(オヴェロン)が自分を裏切った事と、ヒンドリー(ウィリアムズ)の昔に虐げられた復讐の想いが強く、ヒースクリフ(オリヴィエ)とイザベラ(フィッツジェラルド)の間には愛が無かった
 そしてヒースクリフ(オリヴィエ)とキャシー(オヴェロン)の間にはまだお互いを愛している感情を消せないでいたのだが・・・続きは映画を観てください

 原作と映画の嵐が丘の違いは僕にはわからないけれど、とにかく復讐を胸に抱き続ける悲しみ、そしていつまでも消えない恋愛の苦しみが伝わってくる映画。
 クリント・イーストウッド作品において許されざる者、ミスティック・リバー、グラン・トリノ、インビクタスのような彼の映画に見られる復讐というテーマが、この嵐が丘でも見られる。
 復讐というテーマがこの嵐が丘の原作者であるエミリー・ブロンテが19世紀において、どのようにとらえていたかわからないけれど現在において、中東諸国の諸問題(特にイスラエルとハマスの紛争)が復讐という言葉によって解決の糸口が見えないことを改めてこの映画を見て感じました

にほんブログ村 映画ブログへ

人気blogランキングへ    
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします
 


  

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画 フェリーニのローマ(1... | トップ | 競馬 函館記念予想 夏競馬... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(あ行)」カテゴリの最新記事