褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 リオ・ブラボー(1959) 痛快娯楽西部劇です

2014年05月08日 | 映画(ら行)
 個人的に西部劇から映画の面白さを知った者として、只今の西部劇の凋落振りは非常に寂しい気がする。なにかと不器用な男達が己の信念に従って戦いに挑む姿は、俺の少年時代においてはもの凄く格好良いと思ったし、その気持ちは大人になった今でも変わらない。時々西部劇を観終えた後に、一体この男たちは何のために戦ったの・・・アリャ?なんて思ったりする時があるが、男には命を投げ出してでも戦わなければならない時があることを教えてくれたのが俺にとっては西部劇。俺なら一目散に逃げ出してしまう大ピンチに陥っても西部劇に登場する男達は自らの行うこと事こそが正義だと信じて銃を撃ちまくる。
 俺が多くの西部劇の中で最もエンターテイメントとして楽しめたのがジョン・ウェイン主演の映画リオ・ブラボー。壮絶なガンファイト、かっこう良い音楽、戦うことしか知らない男のブキッチョな恋愛模様、悪い奴らに決して屈しないマッチョな男など本来あるべき西部劇の楽しさが本作にはある。

 そして常に演じることで強きアメリカを体現してきた男ジョン・ウェインの存在感が抜群だ。彼の馬鹿でかい体から発するオーラは威光を充分に発しているし、ノッシノッシ歩いたり、壁に肘をついてもたれたりする等チョッとした動作が本当に様になる男だ。彼が演じる保安官は悪党を目の前にしても決してビビッたりしない。そして大勢の悪い奴らに立ち向かって行くのに彼が率いる仲間が笑える。アル中で手が震えっぱなしの相棒、片足を引き摺っていて、しかもうっかり仲間を撃ってしまいそうになる少々あわてんぼうの牢番人の老人、陽気さだけが取り得の酒場の主人であるメキシコ人、戦いには全く役に立たない脚線美の持ち主である美人賭博師、そして唯一使えそうなのがせいぜい青二才の2丁拳銃使いの若者。よく諺に出てくる多勢に無勢とは、まさにこのこと。ハッキリ言って勝ち目の無い戦いなのは、ジョン・ウェイン自身が1番よく知っている。それでも正義の名のもとに戦いから逃げない姿はオトコノコならきっと大きな尊敬のまなざしで見るはずだ。

 本来の西部劇の楽しさを味わえ、アメリカの栄光の時代がなんだか懐かしく感じるストーリーとはいかなるものか。
 メキシコとの国境が近いテキサスの町リオ・ブラボーにおいて。その町の保安官であるチャンス(ジョン・ウェイン)は殺人の現行犯でジョーを捕まえる。しかし、この地方の有力者であるジョーの兄バーデットは金の力にモノをいわせ、町を一斉封鎖。弟のジョーを釈放するようにチャンス(ジョン・ウェイン)に圧力をかけ続ける。
 チャンス(ウェイン)は連邦保安官がやって来るまでの時間稼ぎをしようと、まるで役に立たないように見えるごく少数の面々と力を合わせてバーデットに抵抗を続けるのだが・・・

 とにかく印象に残る名シーン及び迷シーンの連発だ。アル中が急に凄腕ガンマンに変身したり、ガンファイトのシーンでのダイナマイトの扱いが笑える。そもそも銃弾が飛び交う中で今まですぐ側に積まれたダイナマイトによく命中しなかったな~と(笑)
 ロックンローラーのリッキー・ネルソン演じる若者が『ヘイ、チャンス』と声をかけながらライフルを投げ渡すシーンは名シーン。そして、その後にジョン・ウェインが馬に飛び乗って逃げる悪人を一発で仕留めることが出来なかったりなど、愛嬌のあるシーンも見どころだ。
 ディーン・マーチンリッキー・ネルソンの2人が得意の歌を披露するシーンも良いが、町をぐるりと包囲する悪い奴らが1日中流し続ける皆殺しの唄が良い。名作と呼ばれる西部劇に使われる音楽って本当に良い曲が多い。
 そして名優であるウォルター・ブレナン演じる牢番人がチョイチョイ面白いことを言うが、こいつがまた笑える。そこら中の若手芸人の漫才など足許に及ばないぐらいのレベルの高い笑いが味わえる。そしてこの映画は西部劇にしてはラストのまとめ方が上手い。まだまだ言い足りないぐらい褒めたいことがあるのだが、それはぜひ観てもらって確認してもらうことにしよう。ツッコミどころも多い気がするが、そういうシーンも含めて楽しめる映画。男性にはもちろんお勧めだが、笑えるシーンも多いので女性にもお勧めできる。個人的には2番目に好きな西部劇(ちなみに1番好きなのはワイルド・バンチ)として今回はリオ・ブラボーを紹介しておこう。

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ジョン・ウェイン,ディーン・マーチン,リッキー・ネルソン
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督は名匠ハワード・ホークス。西部劇だけでなくハードボイルドからコメディまで幅広く傑作を連発。コメディならケイリー・グラント、キャサリン・ヘプバーンが競演した赤ちゃん教育、同じくケイリー・グラント主演のヒズ・ガール・フライデーがお勧め。
 サスペンス路線ではレイモント・チャンドラー原作の大いなる眠りの映画化したハンフリー・ボガード、ローレン・バコール競演の三つ数えろがお勧め。
 西部劇では本作と同じくジョン・ウェイン、モンゴメリー・クリフト競演の赤い河がお勧めで、その後の西部劇に色々と影響を与えています。

 主演は歴代ハリウッドスターの中でも大スターという言葉がよく似合うジョン・ウェイン。多くの西部劇、戦争映画において傑作に出演していますがそれらの分野でお勧めを紹介していたらキリが無い。個人的にはジョン・フォード監督の作品で最も好きな静かなる男を今回はお勧めしておこう。

 アル中の保安官補を演じたのがディーン・マーチン。底抜けシリーズで有名ですが、ルイス・マイルストン監督のフランク・シナトラと競演したオーシャンと十一人の仲間(オーシャンズ11のリメイク基)がお勧め。

 牢番人役のウォルター・ブレナンは名脇役として有名ですが、フリッツ・ラング監督の死刑執行人もまた死すはかなりお勧め。他に本作と同じハワード・ホークス監督のゲイリー・クーパー主演のヨーク軍曹、フランク・キャプラ監督、ゲイリー・クーパー競演の群衆、ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ競演の荒野の決闘もついでにお勧めとして挙げちゃえ。

 本作で紅一点として出演しているアンジー・ディキンソンは金髪、脚線美と俺の好みが揃った美人女優。実はこの人が女優として本領発揮したのがブライアン・デ・パルマ監督の殺しのドレス。すっかり美人度としては賞味期限切れですがエロさは健在でサスペンス好きにはお勧めできる。

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