褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 探偵物語(1951) アメリカ映画です

2016年01月30日 | 映画(た行)
 日本にも同じタイトル名の映画があったように記憶しているが、今回紹介する映画探偵物語はハリウッド映画。しかし、タイトル名からすると探偵が主人公の内容の映画かと思いきや、探偵なんか1人も出てこない。それもそのはずで原題はDetective Story。Detectiveには探偵の他に刑事の意味があるのだが、本作の主人公はニューヨークの刑事。ハッキリ言って完全な誤訳。きっと、この邦題を付けた人物は映画を観ずに原題だけから想像してタイトルを付けたに違いない。

 さて、本作は舞台劇の映画化作品であり、殆んど全編がニューヨーク警察署内の刑事部屋。そんな狭い一室の中に様々な事情を抱えた人間が入れ替わり立ち代わりやって来る。
 本作の見どころの1つに主演のカーグ・ダグラス(マイケル・ダグラスの実父)の大熱演が挙げられるだろう。その熱さたるや、日本で1番熱い(暑い?)男である松岡修造もきっとビックリポン。多くの悩める日本人が修造メッセージで、元気をもらえる人も居れば、俺のように更に深い悩みに陥る人も居たりするが、本作のカーグ・ダグラス演じるデカのキャラクターは我慢が足りないようで、直ぐに手が出てしまうし、しかも頑固で堅物。熱血漢ではあるのだが、友達にしてしまうと少々めんどくさいタイプの人間だ。
 そして、他にも色々と変な人間が登場するがチョット違和感のある奴ばかりで、正直なところストーリーは有って無いようなものだし、実はそれほどストーリーの面白さは無かったような感じさえ受ける。
 しかし、この映画が本当に凄いのがカメラから映し出される構図。刑事部屋におけるあらゆる物、そして人物の配置。そして人間の入退場時を写し出す的確なカメラワーク。近距離から遠距離まで捉えるパンフォーカスによる撮影テクニックが画面に奥行きを与えて、非常に深みを感じさせる。
 役者たちの演技も上手いと思うのだが、その徹底的なこだわりが舞台劇の映画化作品の面白さを名監督ウィリアム・ワイラーが引き出した。

 さて、主に刑事部屋の中だけ繰り広げられる人間模様を描いたストーリーの紹介を。
 ニューヨーク21分署内に刑事、万引き、ネタ探しの記者など人でごったがえしている。そこへ先ほどまで警察署の前で車を止めて、綺麗な妻メアリー(エリノア・パーカー)と車内でキスをしていたマクラウド刑事(カーク・ダグラス)が、店の金を使い込んだ青年アーサーをひっ捕らえて自信満々で登場。
 ちょっとした悪事も許せないマクラウド刑事だったが、その性格が災いし上司や同僚、そして妻のメアリーともぶつかることになってしまい・・・

 ストーリーは大したことが無かったように感じたが、本作の時間の背景は昼頃から夜に至る10時間ぐらいの時間が経過するだけ。しかも、場所はほとんど刑事部屋の一室だけ。それだけの時間と場所だけで様々な人間ドラマを描き切ってしまうのだから、結局は大した映画だとしか言いようがない。
 この映画の凄さはカメラが映し出した構図だと前述したが、本作を何の予備知識も無くて観るとそんなことに気付く人はまず居ない。俺だってこの映画を初めて観たときにはそんな事は気付いてなかった。他人から言われて気付いたり、改めて見直して本作の凄さに気付いたのだ。本作を初めて観る人は、ぜひ刑事部屋の物の配置、カメラワークなどに気を配って観れば、この映画の凄さに気付くだろう。
 俺の周りにも融通の利かない堅物が居たり、また俺自身が融通が利き過ぎたりで、人間の性格なんて本当にみんな色々。しかし、人間には寛容さが必要だと感じさせるこの映画の結末は悲しくあるが、希望も感じさせる。
 名監督中の名監督であるウィリアム・ワイラーの熟練のテクニックを感じたい人、松岡修造みたいな熱い男が好きな人には映画探偵物語はお勧めだ

探偵物語 [DVD]
カーク・ダグラス,エリノア・パーカー,リー・グラント
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン


 監督は前述したとおりウィリアム・ワイラーベン・ハーローマの休日などいまだに人気のある名作を遺している偉大な監督。コメディ、ヒューマニズム、西部劇などあらゆる分野において名作を遺しているのが本当に凄い。今回は人間ドラマの傑作として我等の生涯の最良の年、サスペンス映画として必死の逃亡者を挙げておこう。



 


 

 

 
 

 


 

 
 
 
 

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画 オペラハット(1936)... | トップ | 競馬 シルクロードS予想  »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ロイ・フェイス)
2008-12-21 13:06:52
ディープインパクトさん、どうも。

探偵物語は私の大好きな作品なのでトラックバックさせてもらいました。よろしく。
返信する

コメントを投稿

映画(た行)」カテゴリの最新記事