褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ライアンの娘(1970) デビッド・リーンが描く人間ドラマ

2010年06月10日 | 映画(ら行)
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 スクリーンと言う大画面を使いこなす監督として、戦場にかける橋ドクトル・ジバコアラビアのロレンスなどの巨匠であるデヴィッド・リーンが挙げられるだろう
 彼の映画の特徴に映像の凄さがある『ドクトル・ジバゴ』におけるロシアの厳寒の雪景色、『アラビアのロレンス』における砂漠などの圧倒的映像シーンは今観ても素晴らしいしかし、デビッド・リーン監督が多数の名作を残して来たのは、何も映像の凄さだけではないそこには、優れた人間描写があるのも確かである
 今回紹介するライアンの娘アイルランドの緑豊かな、そして見渡す限り何処までも続いて見える海岸線をとらえた映像が印象的
 しかし、20世紀初頭のイギリスの支配下におけるアイルランドに暮らす人々の反英感情、宗教、不倫、戦争の悲劇を描いたデビッド・リーン監督作品の中でもヒューマニズムの最高峰に位置する作品だと言っても過言ではないだろう
 それではストーリーを紹介します
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 20世紀初頭の反英感情が高いイギリス占領下のアイルランドの寒村が舞台戦場激化したアイルランドのダブリンから学校の教師であるチャールズ(ロバート・ミッチェム)が帰って来た彼は既に妻を亡くし、既に50歳に達しているようだ
 そんなチャールズ(ミッチャム)を待っていたのが、かつて彼のの教え子であったロージー(サラ・マイルズ)であった
 年の差こそ離れているが、チャールズ(ミッチャム)とロージー(マイルズ)はお互いが愛し合っていることを確認し、二人は結婚する
 しかし、2人は神父(トレバー・ハワード)の前で永遠の愛を誓ったはずだったが、年の若いロージー(マイルズ)にとっては、欲求不満の高い結婚生活だった

 やがてこのアイルランドの寒村のイギリス駐屯地にイギリス軍の若き少佐であるランドルフ(クリストファー・ジョーンズ)がやって来た
 彼はロージー(マイルズ)の父のライアン(レオ・マッカーン)が営む酒場にやって来た
 ちょうどその時、ライアン(マッカーン)が店に居なかったが、留守番をしていたのはライアン(マッカーン)の娘であるロージー(マイルズ)だった
 突然ランドルフ(ジョーンズ)は戦争の後遺症により発作に襲われるが、そんなランドルフ(ジョーンズ)に対してロージー(マイルズ)は好意を持ってしまう
 それ以降、ロージー(マイルズ)は夫のチャールズ(ミッチャム)に隠れてランドルフ(ジョーンズ)と密会を重ねてしまう

 イギリス占領下のアイルランドの寒村において、アイルランド人がイギリス人将校と不倫の関係になることは反英感情の高いこの村において決して許されない事であった

 チャールズ(ミッチャム)は妻のロージー(マイルズ)がイギリス人将校のランドルフ(ジョーンズ)と密会していることは知っていたが、彼はロージー(マイルズ)にランドルフ(ジョーンズ)との事を聞くことをしなかったチャールズ(ミッチャム)にとってはロージー(マイルズ)と別れるということは死ぬほどつらいことだった
 しかし、この寒村においてロージー(マイルズ)がイギリス人将校のランドルフ(ジョーンズ)と密会している噂が広まってしまったそれ以来、この村でロージー(マイルズ)は仲間外れになってしまう

 ある日、アイルランド独立を願う兵士たちがライアン(マッカー)の家に集まってきた大雨の夜だったが、海岸でドイツ軍からの武器をこの寒村の住民達が一丸となって荒波の危険を乗り越えて武器を調達し、いよいよイギリス軍の駐屯地を攻撃しようと住民たちも歓喜に沸くが、逆に情報がイギリス軍に伝わってしまっていて作戦は失敗に終わってしまう

 村の住人たちはイギリス軍将校と密会を重ねていたロージー(マイルズ)がイギリス軍に作戦を通報した疑いを持ち、ロージー(マイルズ)は一斉にリンチに遭うが、そんなロージー(マイルズ)をチャールズ(ミッチャム)は助けようとするが・・・妻がアイルランド人の敵であるイギリスの軍人と不倫をしていることを知りながら、そんな妻を助けようとするチャールズ(ミッチャム)の気持ちは果たして・・・続きは映画を観てください

 アイルランド人のイギリスによって悲惨な歴史を見せる映画はたくさんあるマイケル・コリンズ、麦の穂を揺らす風、父の祈りをなどIRAという北アイルランド独立をイギリスから勝ち取ろうと武力闘争を繰り広げるテロ組織もイギリス政策の産物と言えるだろう
 そんなアイルランド人の反英感情を描いた映画として、今回紹介したライアンの娘もその部類に入る
 しかし、この映画はただイギリスを批判しているだけの映画ではない
 戦争のトラウマに悩まされるイギリス人将校の姿に戦争の恐ろしさを知り、ロバート・ミッチャム演じる妻に浮気される学校の教師に対して、観ている僕たちには非常に理解し難いこの男に何となく同情してしまう部分があったりする
 そしてアイルランドにおけるカトリック、神父の力の凄さを知ることになる
 国家、戦争、男女、宗教とあらゆることを教えてくれる映画であることを今回改めて観てわかる再び観る時にどんな事をこの映画から感じる事ができるのか観れば観るほど色々なことが発見できそうな映画です

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