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ビッグなサプライズ『ラスト・タウン 神の怒り』ブライク・クラウチ

2015-09-29 | books
あの「パインズ」の衝撃的なラスト。続編の「ウェイワード」の驚愕するラスト。そして、第三作がこちら。

解説の北上次郎氏が書いているように、「パインズ」と「ウェイワード」のネタばらしをしないと本作の面白さを説明することは難しい。

ミステリーのかなりSFよりなものだということは言っても構わないかと思う。しかもSFに詳しくなくても全然問題ない程度にSFがまぶしてあるだけなので門外漢でも無問題だ。

この世に神というものがいるなら、どんな気持ちかわたしにはわかる。人間というものは自分で答えが出せないとすぐ神に頼る。神にあたえられた安全な場所でぬくぬくしていながら、神を憎む。神が破滅する世界に背を向けてなんら手を打たなかった気持ちも、いまになってみればよくわかる

M・ナイト・シャマランがドラマ化した「ウェイワード・パインズ」をスカパーで今観ている。結末が分かっているのに、また映像化されたものを観たくなる。そのぐらいに面白い。

単にびっくりするだけでなく、人間の存在そのものについても考えさせられる、実は哲学的な小説でもあるのがまたいい。

ラスト・タウン―神の怒り― (ハヤカワ文庫NV)

今日の一曲

ラスト・タウンというタイトルとただタウンつながり。Billy Joelで"Uptown Girl"



我ながら、選曲が古い。では、また。
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