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『逆説の日本史1 古代黎明編』井沢元彦

2015-10-01 | books
誰かがどこかの著作で、「逆説の日本史の古代黎明編読んだほうがいいよ」と書いていたのを最近読んだ。しかし、なんというか偏屈なおじさんが書いた強引で牽強付会で揚げ足取りのような本だろうと長年敬遠していた。それも食わず嫌いだろうしいい機会だと思い、読んでみた。

日本史にはあまり詳しくないので、何が日本史の「常識」なのかよく分からないけれど、かなり異端な説を、論理的に展開している(ようだ)。ざっとまとめると、

・アマテラス(天照大神)に国を譲ったオオクニクニヌシ(大国主命)は「和」を重んじていた。オオクニヌシの崇りを恐れて祀ったのが出雲大社である。(日本の古代史にはほとんど興味がなかったのだけれど、面白いぞ)

・魏志倭人伝を読み解くと、卑弥呼は殺されたと解釈できる。戦争に負けたからか、もしくは皆既月食の責任をとらされて。(どういうことかは読んでみて下さい)

・卑弥呼=アマテラス(そうなの!?)

・神格化さらたアマテラスを祀ったのが伊勢神宮で、実体を祀ったのが宇佐八幡。(道鏡が天皇になろうとしたとき、称徳天皇が和気清麻呂をなぜ宇佐八幡に使いに送ったのかという疑問の答え。なるほど)

だいぶ古い本なので、読んだ人からは今更かよと思われるかも知れないけれど、単純に面白かった。

逆説の日本史〈1〉古代黎明編―封印された「倭」の謎 (小学館文庫)

今日の一曲

逆説はパラドックス。浜田麻里で"Paradox"



では、また。
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