「神去なあなあ日常」三浦しをん 徳間書店 2009年 (初出本とも2007年7月~2008年7月号)
高校卒業しても行くところがない勇気は、三重県の神去山で林業の丁稚奉公をすべく、親と学校の先生に無理やり送り込まれる。ヘタレだった彼が山での仕事、無茶苦茶なのに合理的な山の男たちの囲まれ暮らしていくうちに何かをつかむ。
いやーよかったよかったな そうなそうな
三浦しをんは女のくせに、男心を描くのが実に巧い。だからこその腐女子の中の腐女子、クイーンオブフジョシと呼ばれる所以である。「風が強く吹いている」でも、駅伝を走る男の子の心をビビッド(死語?)に描いていた。
男ゴコロのビミョウ(でもないけど)な機微 + 林業という体育会系ワーク + 山という神秘的かつワイルドな土地設定 = ああ面白かった、なのである。
<良い使用例>
何もやる気が起きない子供に読ませてもたぶん何も感じないだろうから、「ああ面白かったぜ」とつぶやきながら、読後そこらへんに放っておく、と勝手にダメ息子が読むかもしれない。読んだら何かが変わるかも知れない。
<悪い使用例>
なんだか都会の生活に飽きたわ。疲れたぜ。と思う貴方が読んだ場合、本当に田舎に引っ越してしまうリスクあり。しかし、本当にこの作品のように周りがいい人(?豪快な人?)たちに囲まれる保証はない。まあたぶん都会よりはいい人たちなんだろうと思うけど。
「光」
「まほろ駅前多田便利軒」
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確かに、田舎には田舎の閉塞感とかムラ意識、とかありますよね。
でも、林業が本当に人手不足なら、都会で職にあぶれている人が行ってもいいんじゃないかな?などと思ってしまいました。
『ねじクロ』の表、裏の話なんですが。。
自分の中では、主人公が妻クミコを求める姿が描かれている部分が「表」で、
虐殺だとか皮剥ぎボリスだとかの怖い話の章が「裏」なんです。
だから、怖い部分は読み飛ばして再読していた、という意味でした。
わかりにくくて、ホントすみません。ペコリ
人手不足の仕事は誰もやりたがらず、仕事がないという人がやりたい仕事は人手が足りているのが現状でしょうか。
ねじまき鳥クロニクルを「ねじクロ」と略す斬新さに鋭いセンスを感じます。表と裏はハルキストがみなそういう読み方をしているんだと思ってましたが違うようですね。私もかなり変な本読みですが、他の人の読み方を知るのもまた面白いものです。