頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『2020年の恋人たち』島本理生

2021-04-24 | books
久しぶりに上質な大人の恋愛物語を読んだ。

葵、32歳、会社員をしながら、死んだ母のやるはずだったワインバーを経営することになった。周囲の色々な男。同棲してるが引きこもりの彼氏。母と親しかったが自分に告白してきた男。ワインバーの従業員。愛人の子だというわだかまり。そして出会い・・・

葵という一人の女性に恋してしまった。ある種の理想の女性像。弱さと強さをいい塩梅で持つ。

ストーリー展開も絶妙。

そして、ドキッとするような言葉。

 一方で、妙に惹きつけられるものもあった。彼の話し方には変なプライドや威圧感がなくて、心を開いてる感じがした。

酒がが飲みたくなるきっかけはHALT Hungry,Angry,Lonely,Tiredの四つだそうだ。→知らなかった。

 葵さんは芯の強さと柔軟さが、同居した人ですね。

そういう人理想。

 指先が離れていくときに、わずかに淋しくなって、ああ、人は人に触れることでこんなにもたくさんのものを負ってしまうのだな、と実感する。負の感情も、幸福感も、安心も。

 私はちっとも変わっていなかったのだ。たくさんの依存交じりの関係から抜け出したと思っていたのに、また新しい束縛や依存に戻ろうとしていたのだから。

このように客観的に自分を見つめ、反省する。やはり理想の人だ。(理想の女性を見出すというのは邪道な読み方であるとは承知しています)

 

今日の一曲

Gary Clark Jr. で、"Come Together"



では、また。


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