ロシアのウクライナ侵攻は益々エスカレートの様相である。原発施設の占拠や破壊、そして独裁者の常套手段である報道規制による言論統制にも踏み切った。言論統制は信義も正義もない、後ろめたいことを自ら認めたことになるのではないか。
それでも一方では米国やEUやNATOに敵対する国々が拍手喝采を送っている。中国も本音は支援に回りたいところだろうが、今や「世界の大国」の自意識が足かせになって、また北京冬季パラリンピック開催中につき旗幟鮮明には出来ずに苦衷の静観にとどまっている。
人類の歴史上繰り返される愚行。一旦は反省するもののまたすぐ一握りの人間が人類を殺りくして、次の歴史書に『大罪人』の名を刻む。これって人類が滅亡するまで未来永劫続く本性なのだろうか?
今朝(7日)のテレビで、ウクライナの人民が隣国ポーランドに避難するニュースとして、ポーランドの第二の都市クラクフの光景が映された。「スラブのローマ」とも呼ばれる古都で、私も一度訪ねたことがあり、当時を思い出した。1996年というから26年前になるが、仕事に名を借りた観光に招かれたものであった。嘗てはポーランドの首都が置かれ、日本人には「ポーランドの京都」に相当する街である。特に市の中心部にあるバヴェル城は首都だった時の王候の居城跡で優美な姿を残している。
招待側の気遣いで市内見物に用意してくれたガイド嬢が飛び切りの美人で、かつ綺麗な発音の英語でうっとりと半日ほどの案内を楽しんだ。
一応主目的の工場視察を行い、続いて陸路で首都のワルシャワに向かったが、これが妙に印象に残っている。日本で言えば片側一車線の国道といったところだが、道路の舗装は傷みがちで経済の貧しさを感じた。一方、その沿道の町という町には必ずといってよいほど町の中心辺りに教会と広場があり、これが人々の日常生活の必須アイテムなのだと感じた。
ポーランドは当時、ソ連崩壊後の東欧諸国の中では経済発展をしていると聞いていたが、ワルシャワの中心部の商店を覗くと商品棚は実にみすぼらしく、商品が溢れている日本では信じられない光景を目にした。また、市の中心に突出している高層ビルがいかにもソ連製という、スターリンからの贈り物の建物が聳えていたのも奇異な光景であった。大戦後に高度成長を遂げた日本との対比が脳裏に焼き付いたのだが、あれから26年。どんな国になっているのだろうか。
写真左は着陸間近のクラクフ上空から、右はホテルの窓から眺めた優美なバヴェル城
(左)美人ガイドにうっとり (中)ワルシャワの街中で (右)旧ソ連から送られた建物(国会議事堂?)
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