若者言葉はいつの世でも中高年世代の人々を惑わしつつ、あるいは定着し、あるいは廃れて忘れ去られて来た。今も多くの若者言葉があるのだろうが、私は「ヤバイ」という言葉がイヤだ。他の若者言葉は概ね新語で、同世代だけで分かり合える合言葉的な”工夫”が仕込まれているものが多い。「オジン」とか「ダサイ」など今では中高年でも抵抗なく使っている。しかし「ヤバイ」は立派な在来語であるにも関わらず、何でもそれだけで済ませてしまって日本語の語彙を著しく毀損し曖昧にしてしまっている、と私は憤っているのだ。私が最初に違和感を抱いたのは5年ほど前の埼玉での花火大会でのこと。中国から日本に来ていた教え子と一緒に花火を観ていたら、周りの若者たちが盛んに「あっ、ヤバイ」「ヤバイ、ヤバイ!」と歓声を上げるのだ。私は「もっと他にも言い方があるんじゃないの?」と癇に障った。その後この言葉は広がり続けている。
昨日(24日)、一人で夕食をしながらテレビをつけていたら、プロのアスリートが老人の扮装をして若者を騙しながらヨロヨロの演技をした後プロの妙技を見せるという番組をやっていた。その時の若者のリアクションが、ヨロヨロの演技に心配そうに「ヤバイ(危ない)、ヤバイ」と言う。次いでちょっと見直すようなシーンになり、また「ヤバイ(ええっ)」と言う。そしてプロの妙技になると予想通りに「ヤバイ(凄い、ワンダフル、素晴らしい)」と感嘆。この間、何でも「ヤバイ」だけで済ましちゃうのであった。
今や「ヤバイ」は本来の「危ない」「まずい」という意味は勿論、こわい、ひどい、困った、おどろいた、きれい、おいしい、かわいい、素晴らしい、やったあ、感激だ・・・心が動いたことはプラスイメージであろうとマイナスイメージであろうと何でも「ヤバイ」で済ませるなんてどんなものだろうか。日本語の語彙を毀損すると私が憤る由縁である。いやだ、いやだ。
今朝の新聞に安倍首相の夏休みの記事が出ていた。2012年の第2次安倍内閣発足以降、毎年8月に山梨県成沢村(河口湖の近く)の別荘で10日前後の休みを取りゴルフなどをしていたが、昨年は計5回したゴルフを今年は一度も出かけなかったというのだ。加計学園疑惑で、親友加計理事長と頻繁にゴルフをしていたことが明るみになって、さすがにゴルフそのものを自粛した形である。
先には終戦記念日の靖国参拝を自粛しており、高姿勢を押し通して来た安倍首相も都議選の惨敗や内閣支持率低下に遭って、マスコミや国民の目を気にしての夏休みになったようだ。
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