オリンピック・ロンドン大会が開幕間近に迫った。
今日の新聞朝刊一面下の名物コラムに概略次のようなことが載っていた。
「昨日のスポーツ面を開くと、ソフトボールの女子世界選手権で日本が42年ぶりの優勝を果たした記事が載っていた。カナダで開かれていたのをうかつにも知らずにいた。ソフト女子といえば北京五輪の金メダルを思い出す。上野投手の3連投が日本中を熱くした・・・だがロンドンでは五輪競技から外れた。熱が冷め、世界選手権の壮行会にはテレビカメラの1台もなかったという・・・4年前、ソフト女子の金は1面トップを飾り、その紙面の端っこに小さく”なでしこ銅を逃がす”とある・・・」
時が流れ、日本中を熱狂させるヒロインは完全に変わってしまった。片や昨年のサッカー女子ワールドカップに優勝してフィーバーを巻き起こし、国民の期待を担ってロンドン五輪に臨む”なでしこジャパン”、片や世界選手権に優勝したというのに、五輪種目から外れて全く注目されなくなってしまった女子ソフト。これは余りに落差が大き過ぎる。コラムでも「メディアの移り気」と自省しているが、国民も完全にそのリードに乗っかっている象徴的な出来事だと思う。
オリンピックの肥大化に歯止めをかけるため、女子のソフトボールとともにロンドン五輪の種目から外れた男子の野球。こちらは世界選手権やワールドカップという国際競技会はないが、米大リーグ(MLB)が主導し「野球の世界一決定戦」と名を打って、2006年からWCB(ワールド・クラシック・ベースボル)が開催されるようになった。
日本は当初、プロ野球機構(NPB)もプロ野球選手会も参加に消極的だったが、最終的には参加に踏み切り、過去2回の大会とも優勝をさらってしまった。前回2009年の大会では、それまで不振だったイチローが決勝戦にサヨナラヒットを打って宿敵韓国を破り、これも日本中が狂喜したことを鮮明に覚えている。
しかし、以前からずっとくすぶっていた大会運営への不満から、先日選手会が2013年の大会不参加を決議した。NPBは参加の意向を表明しているが、NPBも抱えている不満の大きな理由は各国のスポンサー料や放映権料、ロイヤリティー権料などの収益は全てMLBが運営する機構に集められ、それを参加チームに分配するというシステムである。日本では人気のある野球で大きな収益が上がるのに、それを全部MLBが吸い上げてしまうという運営の改善を要求していたが、改める回答が得られないとして日本の選手会が反旗を翻したのだ。
確かに世界の野球界の現状はMLBが頂点に立っており、MLBは自らが「野球の盟主」であるとの認識である。そんなMLBの傲慢さに反発するのも分からぬではないが、オリンピックの種目から外され、WCBもボイコットでは日本のプロ野球界は盛り上がるまい。
[今日の花]
ボタンクサギ(牡丹臭木) 遠くからはちょっとアジサイのように見える(左上)
色鮮やかな蔓性の花 ノウゼンカズラ(凌霄花、紫葳)
ウバユリ(姥百合) ヤマユリ(山百合) オニユリ(鬼百合)