ときどき無性に
大衆中華が食べたくなる時ってないか。
例えばの餃子だとか
王将の天津飯だとか。
一貫楼の中華そばだとか。
もうひとつ言わせてもらえば
昔、大阪は北浜・平野町にあった
北京料理王府(ワンフー)の
三つの味が楽しめる王府麺とか。
大衆中華が食べたくなった某日。
広島は本通り交差点から紙屋町へ。
広島銀行本店裏手あたりにある
とある大衆中華料理屋へ直行する。
今日は焼きそばだ。ためらうことなく
品書きも見ずに焼きそばを注文した。
やや強面の顔のお兄ちゃんが
大きな声の中国語で厨房に注文を伝えた。
ほどなく焼きそばがでんと置かれた。
そして、この店はいつもお兄ちゃんが
サービスですがと言ってご飯を持ってくる。
大飯食らいには嬉しいサービスだが
これがなんとも奇妙というか
なんかミスマッチで可笑しいというか
焼飯や天津飯というご飯物を頼んでも
はたまた定食ものを頼んでも
「ご飯サービスですが如何ですか?」
と、聞いてくれるのだ。
常連は何食わぬ顔で、要らなければ
ノーサンキューを表示できるのだが
初めての客ならば、たいがい
この想定外の問いかけに、一瞬
訳が分らず、戸惑いの表情を浮かべる。
そりゃそうだろうなあ。
焼きそばにご飯のサービスはわかるが
焼飯にご飯のサービスは、やっぱり
なんか合わないよなあ。
大めし食らいにはたまらんだろうが。
これがこの中華屋さんの
第一のサプライズなのである。
しかし、驚くのはそれだけではない。
焼きそばにしても、焼飯にしても
これがまた分量が半端じゃないのだ。
普通の二人前はゆうに超えている。
一見で入った普通の女の人なら
ぶったまげるだろうなあ。
さらに気が弱くて食の細い人なら
これは地獄の責苦に近いかもしれない。
でも、肉体労働に携わるお方…これは
お腹に嬉しいサービス間違いなし!
余談だがこのお店。
実は、かつてテレビCMの扱いで
お世話になっていたことがある。
所謂スポンサーという関係だった。
今どき、個人店がテレビCMを流すなんて
東京や大阪では考えられないことだ。
ローカルTV局ならではの話しである。
今もCMを流しているのだろうか。
わたし的には、今では仕事より
胃袋がときどきお世話になっている。
かつて御仕事を頂戴したお店である。
わずかばかりのしがない私の昼飯代を
昔お世話になった店に落とすのも
ささやかな義理と人情だと思っている。
もちろんまずけりゃ行きゃあせぬが。
そう。
手頃なお金で胃袋を一杯満たしたいとき
街の大衆中華屋さんは、いつの世でも
心強い庶民の味方なのである。
頑張れ!街の大衆中華!!
謝々!
■中国飯店
広島市中区紙屋町1-4-26