陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

東山魁夷 障壁画展へ

2021年06月03日 | slow culture

コロナの緊急事態宣言下でしばらく休館であったが
開館しているとあったので神戸市立博物館へ。

東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展を観る。

“少年時代を神戸で過ごした東山魁夷(1908~1999)。
絵を描くことが好きであった少年は、長じて
日本画家となりました。深い精神性と清澄な色彩で
描いた風景画は人びとの心をとらえ、東山は
国民的画家として高く評価されています。”

案内パンフレット冒頭にはこう書かれていた。
魁夷翁は神戸二中(現兵庫高校)の出身である。
二中は伝統の定期戦の相手校であった。
二中の出身者には何故か芸術家が多いのだ。

さて、この障壁画、襖絵であるが
一瞬でこころを射貫かれてしまう。
日本海の海をモチーフにしたという「濤声」
この絵を前にした感情をどう表現したらいいのか?
そして波音が、潮騒が本当に聴こえてくるのだ。
この心に充たされてくる何ともいえない感情。
これが髙い精神性というものなのか?

海の色があまりにも美しすぎる。
この色は何の色だろう。これは群青と緑青という。
孔雀石の中の青い部分と緑の部分を粉末にしたもの
とあった。又細かいものを選び、渋味を出すために
火をかけて適当に焼いたとある。彩色はうすい調子を
何度も塗り重ね、段々濃くしてゆくのだと言う。

そこまで手間暇かけてこの絵を仕上げているのだ。
正に神は細部に宿るである。

山の襖絵の「山雲」は信州飛騨などを写生したと言う。
霧の去来する山々の景。霧が生きているようである。
絵を見ていたら無性に俳句が創りたくなってしまった。

障壁画
・濤声
・山雲
・揚州薫風
・黄山暁雲
・桂林月宵

神の手の筆の捌きに霧の這ふ

◇東山魁夷 唐招提寺御影堂壁画展
 ー鑑真和上の夢の中へー全68面公開
 於:神戸市立博物館
コメント    この記事についてブログを書く
« 花の風景 アマリリス | トップ | 灯台のある風景 灘浜燈台 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

slow culture」カテゴリの最新記事