小学校、中学校時代はよく図書委員をやった。
無茶苦茶読書の虫という訳ではなかったが
ずっと本が傍にある生活を続けてきた。
時間ができるともっと本が読めるだろうと
思っていたが、予想に反して読書量が増えない。
何でだろう?時間は以前と比べてあるのに。
と思ってつらつらその原因を考えていて
ふと思い当たった。思うに働き出してからの
私の読書タイムは大方、通勤や移動の電車の中であった。
今はこの時間はほとんど無くなっている。
不思議なもので、長年の習慣というものはそうそう
すぐには変換できないものなのだと今更ながら気づく。
「女帝 小池百合子」を読む。
この政界の最前線をゆく政治家の虚と実。
その生きざまや生い立ちなどといった処が
余すところなく描かれている。
少し作者のバイアスがかかっているとも
言えなくはないが、しっかりとした取材は
読み応えがあり、興味を持って読んだ。
その人物評はさておいて、私は特に
広報、コミュニケーション、ビジュアル戦略の
卓越した手法については勉強になった。
デジションメーカーをしっかりと押さえて
その影響力を利用しつつパフォーマンスを
次々と上げてゆく。
民衆は何に主眼を置き、何に共感し何を求めるか
ということを知り尽くしたその戦略性の高さ。
さて、小池百合子氏は将来総理になるだろうか?
ひとりの人間の生き様として注視してみたい。
■女帝 小池百合子
石井妙子著
文藝春秋刊 2020年5月30日初版