久しぶりに友とお茶でもしようとなり、それならと近くのモスバーガーへゆく。
ハンバーガーショップは勿論、小腹を満たすためにハンバーガーを食べる処であるが、案外喫茶の使い勝手が良い。喫茶メニューも充実しているし価格も手頃であるから、それも使い勝手が良いことのひとつである。もう一つの超大手ハンバーガーショップは若い子が沢山いて、ちょっと騒々しい。モスバーガーはその点大人向けというか割とゆったりできるような気がする。
友は珈琲を頼んだが、私はちょっと目に留まった「獺祭シェイク」Mサイズを選んだ。どんな商品なのか興味もあったし、獺祭はまだブームになる前に広島でよく呑んだ思い出のある銘柄である。
これはノンアルコールのシェイクである。最初口に含んだときはアルコール分が含まれているのかと思ったがノンアルである。「獺祭の発酵技術から生まれた、麹仕立ての「新生甘酒」をソースに使用した、風味豊かなノンアルコールのシェイクです。」とあった。
ところでアルコールを一切口にしなくなって半年が経過した。その間、全然渇望もしなかった所を見ると、本来私はアルコールは求めない体質だったのかもしれない。それにしても今のノンアル商品は凄いと思う。この獺祭シェイクにしてもあの獺祭の日本酒としての風味やテイストは維持されている。
友とは色々と話をした。こうして喫茶店でゆっくり話をするのは久しぶりだ。話をした後、なんか心がちょっと掃除できたような感覚であった。そのときふと、喫茶店というのは人間にとって大事な癒しの空間なんだなあと感じた。
振り返れば昔はそんな喫茶店文化が花盛りであった。私たちはあの「学生街の喫茶店」世代の端くれである。70年代は純喫茶からハワイ風なちょっと都会的な喫茶店まで喫茶店文化が百花繚乱であった。翻って現代。今は大手チェーンのコーヒーショップでほとんどの人がスマホの画面に見入っている。そんな時代になってしまった。
ということは「お茶しない?」っていう昔の街頭ナンパの常套文句もセクハラが問われる時代の今となっては、もう死語というか遺産になってしまったのだろうか?今の若者はマッチングアプリで出会うらしい。
今は無きシアンクレール一葉落つ