ふと、京都に行きたくなったので
一路阪急電車に乗って京都河原町へ。
とりたてて寺社めぐりをする訳ではなく
河原町の三条四条、鴨川辺りを独りぶらぶら。
京都は学生時代に四年間、そして会社員時代に
八年間を過ごした地だ。京都の良い所は
何より街があまり変貌しないところだ。
もちろん所々は変貌しているのだが、
四十数年前とは街の風貌もお店もほとんど変わらない。
だから安心してこうして時々過去を探しに戻れるのだ。
久しぶりに鴨川を歩く。
学生時代のことだが、この三条の川縁で
コンパの酔いを醒ました。そして興に任せて
ていうか酔いに任せて、この川の中を
向こう岸までふざけて渡ったこともあった。
もう半世紀近く前のことである。
この日は欧米系の観光客が目についた。
インバウンドは戻りつつあるのを実感。
三条先斗町近くの京都王将で遅めのランチを。
ここは学生時代によくお世話になった店だ。
学生にはありがたい店だった。あと天下一品も。
鳩居堂に寄ったあと、南下して四条を渡り
フランソワを見ながら村上重本店へ。
お土産に漬物を少し買った。
大寒の一と日、そんなに底冷えのする日ではなかった。
ときどきこうして四十数年前の足跡を探しに訪ねる。
そんなとき京都は変わらず迎えてくれる。そこが
とても癒される街なのである。そういえば
京都は学生にはとても優しい街であった。
たぶん今でもそうなのだろうと思う。ただ
商売するのは案外難しい街だ。でも懐に入って
認めてくれれば(これがなかなか難儀だが)
長く付き合ってくれるのである。