ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『プラダを着た悪魔』

2006-08-21 23:36:45 | 新作映画
(原題:The Devil Wears Prada)

※結末に触れる部分もあります。
映画をご覧になってから読まれることをおススメします。



----これ、ファッションの映画だよね。
えいの苦手なジャンルでしょ?
「うん。
おしゃれからは縁遠い日々を送っているからね(笑)。
でも、この映画はファッションに興味がなくても
けっこう楽しんで観られるよ。
物語は、ジャーナリストを目指して
ニューヨークにやってきたヒロイン、アンディが
一流ファッション誌「RUNWAY」で
カリスマ編集長ミランダのアシスタントになり、
『センス・ゼロ』との酷評を浴びせられ、
横暴としか思えない命令を矢継ぎ早に受けながらも、
次第に頭角を現していくと言うもの」

----ニャるほど。いわゆるサクセス・ストーリーだね。
キャリアウーマンの戦いと言うと
『ワーキング・ガール』を思い出すけど…。
「あの映画のような直接バトルはないね。
アンディはもともと会社の中での上昇志向がないわけだから…。
それよりもこの映画が描くのは、
朝から晩まで鳴り続ける携帯により、
自分の私生活がめちゃめちゃになり、
恋も友情もおろそかになっていくさま。
それに反比例して、
彼女のファッション・センスはめきめき磨かれ、
大変身を遂げていく。
街角を歩くアンディの前を車が通るたび、
あるいは部屋から部屋に彼女が移動するたびに、
次々とその衣装が変わってゆく。
ブランドに詳しくなくても、
このシーンはテンポのいい映像と相まって
観る者の心を高揚させ、その目を十分に楽しませてくれる」

----『プラダを着た悪魔』というのは、
彼女の上司のミランダのこと?
「うん。メリル・ストリープが悪意たっぷりの女性を好演。
この映画では、ちょっとグレン・クローズっぽい感じ」

----あ~、クルエラ・デ・ビルね。
ヒロインのアンディはだれが演じているの?
「こちらはアン・ハサウェイ。
『ブロークバック・マウンテン』で一躍注目されたけど、
もともとは『プリティ・プリンセス』でブレイク。
こういう“変身もの”にはピッタリってわけだ。
ただ映画は、単なる彼女のサクセス・ストーリーにとどまらず、
後半に、ある“大陰謀”を絡ませることで、
スリリングな展開を見せてゆく」

----ニャるほど。
その“陰謀”への対応によって
彼女の生き方も試されるわけだ?
「おっ、鋭いね。
実はこの映画のクライマックスを観た後で考えたのは、
よく映画ファンが行なう“ツッコミ”について」

----どういうこと?
「この映画、キャリアを求める女性の生き方に対して、
あるひとつの結論を出している。
それはハリウッド映画のお家芸とも言える
だれもが安心できる“望ましい”ハッピーエンディング。
ただ、時代の価値観が変わる中、
このエンディングは少し不自然な感じがしないでもない。
恋人を裏切り、友人からも見放されてまで
自分の新しい生き方を貫き、
そしてまた元に戻ってくるアンディ。
そんな彼女に対して
『それは調子よすぎない』と
“ツッコミ”入れる人も多いかも…と思ったわけだ。
ぼくは映画のリズムに乗って、
コロっと騙される方だから、
アン・ハサウェイとメリル・ストリープが
目線を交わすその仕種のカッコよさだけで
満足してしまう。
だけど、どうなんだろう?
このヒロインの生き方は、
けっこう物議を醸し出すんじゃないかな?」


          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンは“黒の毛皮をきた天使”ニャ」ぼくも観たい

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