ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『オトシモノ』

2006-08-07 23:10:16 | 新作映画
----今日も暑かったニャあ。
「それはそうなんだけどね。
でもこの映画はけっこう背筋がゾクっときたよ。
最初は駅でオトシモノを拾った人たちが
なぜか祟られていくという単純な話だと思ったんだけど、
さすが黒沢清監督の門下生とも言うべき古澤健。
一筋縄ではいかない映画を作りあげてきた」

----どこが一筋縄ではいかないの?
「う~ん。ぼくの理解力不足なのか、
最後まで観てもよくその骨子が分からない。
はっきりとした解決がなされないまま
映画は宙ぶらりんに放り出される。
『回路』とかを観終わった時の感じに似ている。
舞台となるのは水無駅へと続くトンネル。
プレスに一緒についてきたペラを読むと、
どうやら作者たちは
その背景に神話的とも言うべき壮大な物語を作り出していて
それに基づいて事件が起こると言う形になっているようだ」

----確か、『水霊 ミズチ』もそうじゃなかった。
「そうだね。
でもこの映画はどちらかと言うと、
その雰囲気は『奇談』に似ていた。
クライマックス洞窟でのシーンでは、
亡者たちがうようよ登場。
後で調べてみると、
撮影が水口智之で同じなんだね」

----そう言えば、あれも分かりづらい話だったね。
「うん。ところがこの映画はかなり野心的で、
性格も家庭環境もまったく異なるふたりの少女
(沢尻エリカ&若槻千夏)の間に
その事件を通して友情が芽生え、
手を取り合って恐怖に向かっていく姿がせつなく描かれる。
なんて、これだけ聞くと、
ありふれているように見えるかも知れないけど、
片やおとなしい学級委員で片や仲間とつるむ遊び最優先の子。
同じクラスにいることさえ不思議な2人だけに、
彼らが一緒のフレームに収まると、
それだけで映画がざわつく」

----SFXやCGも多用されているんでしょ。
「うん。正直言って、
その部分はあまり怖くはなかったな。
それよりもやはり亡者のモブシーンだね。
あと、もしやと思ったのは“青沼八重子”という
キャラクターを生み出したこと。
『呪怨』の伽耶子の線を狙っているのかも」

----ニャるほど。続きもあると言うことだニャ。
「それにしても驚いたのは電車やホームの撮影。
『デスノート 前編』『地下鉄(メトロ)に乗って』よりも
ホームが活躍するからね」

----それってまるでイギリスのホラー
『0:34 レイ_ジ34_フン』みたいだニャ。
「あまり例がよくないけどね(笑)
          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「えいは、よくオトシモノするから心配だニャあ」悲しい


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