ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ナチョ・リブレ 覆面の神様』

2006-08-17 21:17:51 | 新作映画
----ニャんなの。ナチョ・リブレって?
「うん。それにはまず、ルチャ・リブレという言葉から説明しなくてはならない。
このルチャ・リブレとはメキシコ独特のプロレス。
ルチャとは自由、リブレとは戦い。
つまり<自由への戦い>という意味がこれにはある。
また、レスラーのことはルチャ=ドールと呼び、
彼らの多くはマスクを付けている。
試合は覆面や髪の毛を賭けて戦うことが多く、
マスクを守るため、ひいては己の正体を守るためなら、
どんなことでもする」

----どんなことでも?
「なんと棍棒代わりに使われる小人レスラーもいるらしい。
さて、ここまではプレスに載っているメキシコのプロレス、
ルチャ・リブレの要約。
そろそろ映画の話に移るとしよう。
この映画の主人公はナチョ。
つまりタイトルの意味は
<自由へのナチョ>ということになるかな」

----そのナチョをジャック・ブラックが演じているわけだね。
「うん。彼の設定は修道院の中で育てられた孤児。
子供の頃から
ルチャ・リブレに入れ込んでいるナチョだが、
修道院の老僧たちはこのルチャ・リブレを忌み嫌い、タブー扱い。
成長してからの彼は修道院の料理番を務めている。
ところが修道院にはお金がなくマトモな食材を買うことができない。
そんな中、彼は新しくやってきたシスター・エンカルナシオンに一目惚れ。
子供たちにおいしい食事を食べさせるため、
そして愛しいシスターに自分の男らしさを示すため、
ナチョは覆面を被り
ルチャ・リブレ大会に出場する……というお話だ」

----ふうん。お話だけ聞くとニャんだかありふれているね。
「確かに。ところがジャック・ブラックを主人公に据え、
赤茶けたメキシコの地に配置したことで、
このありふれた“はずの”映画は
単なるスポーツ・コメディの枠を超えた
独創的なスタイルのラテン・ムービーとなった」

----ジャック・ブラックって
『スクール・オブ・ロック』が印象に残っているけど
プロレスもできたの?
「あの映画は、ロックがモチーフ。
タナイシャスDというバンドで音楽活動を行うなど、
ミュージシャンの顔も持つジャック・ブラックにとってはピッタリの企画だった。
ところが、スポーツ映画にはこれまで出演したことがなく、
この作品のため特訓を重ねたらしい」

----へ~。それでも彼をキャスティングしたのにはわけがあるの?
だって、マスクで顔がほとんど見えないわけでしょ?
「確かにそう思っても仕方がないよね。
あのだぶついた贅肉のおなかで
身体にぴたりと張り付いたユニタードを着用するんだから……。
でも、マスクを被せても目と眉で演技ができるなんてのは、
ジャック・ブラック以外に考えられない。
映画のテイストも彼がキャスティングされたことで決まったのじゃないかな。
蜂の巣をボールにして身体にぶつけたり、
闘牛相手に戦ったりと、そのトレーニングも異様。
大御所ダニー・エルフマンを起用しているにもかかわらず、
感動系からわざとはずした(としか思えない)音楽も笑える。
それでいながら、クライマックスの戦いは
ジ~ンとさせてくれるんだから憎い。
気づいたら顔が綻んでいる……
こう言う映画はやはり幸せだね。
あっ、監督は『バス男』で注目のジャレッド・ヘスだよ」



          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ジャック・ブラック、くるかもニャ」おっ、これは

※JB、身体に似合わず可愛い目だ度
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