ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『Oi ビシクレッタ』

2006-08-27 21:43:08 | 新作映画
----ビシクレッタってなんのこと??
「ブラジルの言葉で自転車。
これは、ブラジル北東部に住む失業中の
トラック運転手が
月1,000レアル(400ドル)稼げる仕事を求めて、
リオ・デ・ジャネイロを目指して家族と共に
自転車で出発。
3200kmを旅して目的地に辿り着いたという
実話を元に作られた映画なんだ」

----ニャんだか、昔テレビでよくあった企画みたいだね。
ほら『なんとか電波少年』とかさあ。
「うん。でもあれよりも苛酷かも。
一家は夫婦の他に子供5人。
都合7人もいるのに自転車は5台しかないんだから」

----そ、それは大変だ。
一人で出稼ぎってわけにはいかないの?
「そこが、この主人公であるロマンのキャラクターなんだね。
彼なりの家族というものについての考え方を持っている。
貧乏でありながらも、
一家の中心であるというプライドは持っているし、
そのことがさまざまな軋轢を生み、
映画としてのドラマもさまざまにふくらんでいく」

----そうか、それだけ子供がいれば
一人ひとり個性も違うだろうしね。
「うん。歌を歌って稼ぐ母親ローゼの横でギターを伴奏する次男に対して、
長男は父親ロマンの生き方に疑問を持ち、
ことあるごとに衝突する。
しかも思春期が重なり、
旅先で知り合ったショーガールに少し優しくされると、
勘違いしてそこに居残ろうとしたりもする。
そこがこの映画の本質的なオモシロさだね。
旅する貧乏一家と言う特殊性と普遍的な人生の融合。
ロードムービーではあるけれど、
一方では動く家族ドラマ、
そして青春の旅立ちドラマでもあるわけだ」

----それだけ家族が多いと、職探しも大変そうだ。
「このお母さんが手先も器用で、
途中でハンモック作りの仕事を見つけるんだけど、
父親は『俺の誇りが許さない』と、旅に出る。
せっかく妻が仕事を認められているのに、
まだ一歳にも満たない赤ん坊を起して泣かせることで
その邪魔をするんだから、まったく手に負えない」

----ニャんだか、スゴい話だけど、
ちょっと興味もわいてきたニャあ。
「彼らが途中で出会う人たちも、
それぞれに怪しい人が多く
次にどんなドラマが起こるのか、
観る方の興味をかき立てる。
南米ならではのマジックリアリズムから生まれた
神秘的なシーンも散りばめられている上に、
雄大な風景も楽しめる。
ぼくにとっては意外な広いものだったね。
上映時間85分と言うのもGood!」

                                          (byえいwithフォーン)


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