8月2日(土)、この日は標高1918メートルの「ハイランドしらびそ」から、車で一気に1000メートルを、遠山川まで下り、川沿いの悪路を、標高970メートルの登山口「便ヶ島(たよりがしま)」まで詰める。更にそこから、2260メートルの聖平小屋まで登り返す。車での1000メートルの下りと、徒歩での1300メートルの登り。聖岳山頂には至らないが、気力と体力を必要とされる日だった。
午前3時50分、朝まだ暗き高原から、急カーブ連続の舗装道路を慎重に下った。私は、車の運転免許取得後、蓼科リゾート内での山道運転を繰り返してきたので、山道運転は全く苦にならない。しかし、下り切ってのからの川沿いの道は、慎重の上にも慎重な運転が求められる悪路だった。至る所に”落石注意”の看板があり、川幅4メートル弱の際は、所により絶壁。更に未舗装道にある落石を下手に踏めばタイヤパンクの恐れあり。時速20キロ以下での走行は意外に時間を要し、登山口到着は6時少し前。本当はここにある「聖光小屋」に宿泊するのがベストなのだが・・・。山小屋主人病のため小屋は今夏は営業せず。
6時15分いよいよ登山開始。10分も行かないうちにトンネルに出会う。登山路にトンネル?普通ありえない風景。NHK番組「日本百名山聖岳」によれば、かって遠山川沿いに、木材運搬の為の「遠山森林鉄道」が建設され、昭和48年に廃線となった名残なのだ。進むこと45分で西沢渡(にしざわど)に到着。この渡し、かっては橋が架かっていたが、水害により何度となく崩壊し、現在は手漕ぎの”空中ケーブル”が造られていて、自力で向こう岸に渡らねばならなかった。これも今回初めての経験。いや~マジニ疲れた~。(写真:西沢渡のケーブル)
西沢渡の標高が1098メートル。ここからが本格的な登り。私たちのパーティーは、”50分歩いて10分の休憩”を1本と呼んで、ここを登り切るまでに6本を予測していた。急な斜面が多く、登山道の至る所がガレ、滑落の危険があって、登り辛い。苔むした原生林は、そのまま朽ち果てた倒木が至る所で道を塞ぐ。結局6本の登りで稜線到着。最後の登りで、トレーニングを積んできた同行のお二人でもかなりバテたようだ。私は幾らでも歩ける、一定のスローペースでの、ゆったりとした登り。その為か、あまり疲れを感じない。(写真:同行の2人)
(原生林の中を行く)
稜線に出てから聖平小屋までの下りは、ニッコウキスゲ豊富なお花畑。のはずだった!しかし、鹿害によりニッコウキスゲは絶滅し、全く見られない。今回の山旅で一番がっかりした点である。
14時小屋到着。思い起こすと、20年前に聖平小屋のキャンプ場でテントを張ったことがあった。当時小屋は食事を出さなかったが、現在は夏期だけ食事が出る。それ故か、宿泊者が大変に多い。この日は土曜日で超満員。狭いところでの窮屈な睡眠となった。この小屋の最大の利点は水が豊富なことである。(写真:聖平小屋のテント場)
(小屋周辺に微かに咲いていた高山植物。以下同じ)
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