吉祥寺と申しましても、中央線の一駅たる吉祥寺ではありません。現在の本郷通り沿いの、我が家から徒歩4・5分のところにある曹洞宗のお寺たる吉祥寺さんです。(吉祥寺本堂)
毎週土曜日だけラジオ体操に参加するKUさんと連れ立って、福寿会会長KOさんと私の3人は、その土曜日には、ラジオ体操終了後この吉祥寺に出向くことを常としています。植物や花に詳しいKUさんから色々の話が紹介されます。5月21日(土)にはそのKUさんから「センダンが見頃ですよ」の話があり、3人でその様子を観に、本堂脇までやって来ると、薄紫色の見事な花が咲いていました。
そのセンダンを撮影しようと後刻吉祥寺に出かけ、まずは写真のように書かれた山門の3文字を撮影していると、同じ町内会に住み、時折オアシスでお会いして挨拶を交わすOさんが、本堂を背にして参道をこちらに向かって歩いて来ます。私、したり顔で、「本堂のそばではセンダンが満開ですよ」と、語りました。するとOさん、「はい。私はここの檀家ですから、良く知っています。その山門に掲げられた3文字は、ここのお寺が曹洞宗の学問所であることを示す文字で、曹洞宗の大本山は永平寺と鶴見にある総持寺。ただここの吉祥寺は大本山に匹敵する格で、かってはここでは2000人もの修行僧が学んでいたときもあるのです」と逆に教えて頂くことあいなりました。(山門にはこの3文字が)
栴檀林については、以前ネットで調べたことがありました。ここ吉祥寺は関東における曹洞宗の宗門随一の栴檀林(せんだんりん)がおかれ多くの学僧が学んだそうですが、第二次大戦でそのほとんどが焼失し、現在は山門が往時を偲ばせています。私はその栴檀林に因んでセンダンが植えられたとも思っています。
「相当古くからの檀家ですか」とお聞きすると、「いや僅か18年前のことです」と語り始めた内容は吃驚するような話でした。「実は18年前、この寺が大好きだった母は、是非この寺にお墓を造りましょうと、父に語り、父もそれに同意したのです。その僅か数時間後に母は交通事故で死亡しました。母の話は遺言とも受け取り、早速この寺に墓を建立したのです」と。事実は小説よりも奇なりとか。(山門から本堂へと続く長い参道)
Oさんの母上が大好きだったという吉祥寺、四季折々に色々な花や木々で私達の目をも楽しませてくれます。5月下旬のこの日、蝋梅の実とセンダンの花が初夏を彩っていました。(蝋梅の実)