どんぐり眼日記

昔は日々の日記として、今は見た映画の忘備録として更新しています。

「マニアック」

2006年12月09日 | 映画
DVDで「マニアック」を鑑賞。昔、一度見た事はあったが覚えてるのはエグイ特殊メイクだけでお話なんて忘れちゃってた映画。
っていうかお話なんてたいして無かったような印象。最近、こういう一度見たけども忘れてしまっている映画が無性にもう一度見たくなる傾向。で、見直してみての感想は・・思ったよりも印象的だった特殊メイクは記憶程は凄いシーンじゃなかったなぁ~という感じ。でした。でもあの当時にしては凄いものだった筈だとは今でも思う。
お話はやっぱりたいして無いというか、短いネタをじっくり(ダラダラと)描いている映画でじれったい程、しかし、所々でその緊張感が実に生かされている所もあり、トイレに追いつめられる看護婦のくだりなんて、じりじりと恐怖感、緊張感が増してきて良かったですよ。この映画は連続殺人者が主人公の映画で次から次へと殺人を犯す様子が淡々と描かれたある意味、アブない映画です。しかし、この映画を見ていると殺人者の方にも感情移入して見る事も出来て、なんだか切なく可愛そうにもなってきました。
主演で製作総指揮、脚本も担当しているジョー・スピネルさんは脂ぎったアバタ顔で汗ばんでてデブで目がギョロっとしていて正直、気持ち悪い。だけども、なんだか切ないし怖い感じもありで、まさにハマり役。最後は因果応報?ここでは書きませんが凄い結末を迎えます。ラストは好きですねぇ。
映画全体としては80年代のホラーの雰囲気が良く出ていてニューヨークって暗く恐ろしいイメージです。チープで自主映画みたいなノリの部分も結構ありますが、その手作り感のある部分は憎めない感じでもある力作と思えます。野心的な映画ですね。
この映画の彼を見ていて僕の新作「MILKMAN2」の加藤を思い浮かべました。今やダイエットして痩せてしまい全然違いますが、「MILKMAN2」を撮っていた頃は今よりは肥えていたのもあり、狂気のジャンキー役を演じている加藤と「マニアック」での殺人鬼役のジョー・スピネルがダブって見えたり・・・。なんか目をひんむいて狂った芝居をしている時、ちょっと情けない仕草をする時なんかで似てるなぁとも思っちゃいました。(笑)
DVDには予告篇が付いてましたが、見せ場が殆ど使われてました。予告篇で十分な気もします。日本版の予告篇が入ってたのは嬉しい所。あの当時のホラーの日本版の予告篇って味があっていいなぁ~。ナレーションの声が実に素晴らしいと思います。っていうか懐かしいんだな。きっと。
更にこのDVDにはジョー・スピネルのドキュメンタリー映画も収録されていてなかなか見応えのあるものでした。もう彼は亡くなってしまっているのですが、どんな人だったか等知れて面白かった。豪快で親切で人懐っこい人だったようです。色んな貴重な映像もあってスピルバーグやコッポラ。スタローンの友人だったという事で色々と出てくる友人の映像なんかも面白かった。特にスピルバーグのアカデミー賞を逃した時の映像なんてなかなか見れない映像だと思う。
DVDのジャケット・デザインはイマイチだと思う。写真(大)当時のポスター、ビデオ・ジャケットの方が好きだな。(写真小)
「マニアック」だけにマニアックな感想を長々と書いてしました。しかし、何度も見るような映画ではないなぁ、これ。

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