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主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

東方同人誌レビュー「空即是色3」(しめさばダイナミック)

2023-07-19 23:02:12 | 同人誌感想
 先日ようやく今年の例大祭のレビューが終わりましたが、イベントごとの戦利品だけでなくぽつぽつ通販やダウンロード配信で購入した作品のレビューがまだ残っているので俺たちの戦いはこれからだ!
 
・空即是色三(しめさばダイナミック)
 一度目にしたら脳裏にこびりついて離れない(・x・)が特徴的なサークルさん、3冊目の総集編。今回は通常等身と(・x・)が半々くらいの構成となっています。
 このサークルさんの総集編は懐に入れていればショットガンの至近射撃にも耐えうる分厚さが特徴ですが、今回も約300ページ、収録作品数はゲスト原稿と描き下ろしを含めれは15編という大ボリューム。
 そのあまりの重量に、まえがきでもなかよしレイマリコンビが血みどろで解説しているとおり慎重な扱いが求められます。
 それでは収録作品ごとに感想を。
・突撃!こころちゃんの希望狩り
 あの外見で「さっさと希望を返しやがれこのやろう!」とかのたまうのがチャームポイントなこころちゃん。そんなこころちゃんが、突然何を悟ったのか希望の面を武器として使うように。
 このサークルさん、(・×・)のときだけでなくノーマル等身のときもなんか突拍子もないことをやり始める印象があるんですが、こころちゃんって設定的に新しい=幼い妖怪なので、突拍子もないことをやり始めそうではあります。
 本作はこころちゃんの自立の物語と言えるでしょう。なお希望の面は血まみれ。そしておまけでしっかり金髪の子がかわいそうなことになっており安心です。
・剣下天下
 正邪&針妙丸、そしてこころちゃんの弾幕アマノジャク中のお話。
 正邪&針妙丸のカップリングは主に正邪がひねくれものなせいでいざ書くとなると書き手はけっこう振り回されそうですが、本作ではそこにこころちゃんを配置することでうまく話を回していると感じました。
 そして印象的なのが針妙丸の性格付け。
 あとがきにもある通り、輝針城異変における黒幕は正邪なので針妙丸は騙された側であり、いわゆるラスボス的な描かれ方はほとんど見ない印象です。そんな中、見事正邪を返り討ちにしたその理由が「気持ちをわかってほしかった」っていうのが正邪と針妙丸のあいだの微妙な関係を言外に表していて好きです。
・私はそこにいますか
 もこすみ。
 改めて見てみると、菫子の立場、立ち位置は東方キャラの中でも特に特殊というか他のキャラにはない唯一のものなんですよね。本作は、そんな菫子の立ち位置の特殊さから来る孤独をピックアップした作品。孤独にもさまざまな種類がありますが、夢と現実の交換に齟齬が生じた菫子は死ねない体に。
 すべてが消え失せて滅んでいった世界に一人になってしまった菫子に、なんでもないように話の続きをしながらも後が現れるシーンはとても好き。こうした静謐かつ淡々とした描写が、このサークルさんのシリアス作品の中核にある気がします。
・楽しいトークの時間です。
 立てば白鷺座れば白烏、歩く姿はパルプンテ。その特異なキャラ性から東方二次創作ではなかなかのとんでもキャラにされがちなサグメ様と、あわれ彼女に気に入られてしまったレイセン1号のほのぼのトーク。
 能力的に迂闊に喋れないサグメ様ですがいきなり下ネタぶっ込んでくるとは読めなかった、このリハクの目を持ってしても。あとそんな直接的な単語を発言しないで頂きたい。
 これもまたサグメ様なりの愛情表現なのかなあ……あまりにもハタ迷惑過ぎるけど……。
 おまけページのドレミーお姉さんのドリーム教室(適当に名付けた)は闇を感じます。どんな視聴者層に向けて発信されているんだ。そしてこのノリが次の作品に続くわけですね。
・ドレミー夢叶えツアー
 先ほどのおまけマンガとこのサークルさんの作風から推測するにろくなことにならないのはコーラを飲んだらゲップが出るくらい確実なドレミーさんマンガ。
 でも本作のひどさの半分は他のキャラによるものだと言わざるを得ません。「宇宙を支配したいです!!」「そういうのは魔理沙の担当でしょ!」などという主人公側とは思えない発言が目白押し。金髪の子かわいそう。
 このサークルさん描かれるところの東方キャラは誰も彼もイイ性格してますが、それをちぎっては投げちぎっては投げするドレミーさんの対応もなかなかアレだと思います。あとぬえちゃんの扱いがあまりにも酷いので心が満たされました。
・ミッシングリンクをさがして
 他のうさぎとの複雑な人間関係と突然来訪する純狐さんにうどんげの耳はもう限界です。うど純はいろんなかたちで描かれていますが、本作はうど純に見せかけてぐやどんな気がします。なんだかんだで美味しいところ持っていくよな姫様。
・嫌われ者のわたしたち
 憑依華で爆誕した新カプてんしおんにまつわるあれこれ。いわゆる「姉」ポジションの東方キャラはたくさんいますが、女苑お姉ちゃんと紫苑ちゃんのあいだには独特の湿気があって好き。女苑お姉ちゃん→紫苑ちゃんの感情が湿っぽいと俺によし。
・はじまらないげこくじょう
 来ましたよ(・x・)パート。デフォルメされていれば何しても良い。とにかく命が軽い。シリアスパートとは逆に針妙丸がひどい目にあってると思ったら正邪もひどい目にあっててバランスは良いんじゃないですかね。というか(・x・)パートのレイマリが基本的にバイオレンスなんだよな……。
・せきばんきとこがさのせかいせいふく
 もう表紙の端っこにいる霊夢の立ち姿が恐怖なんですが。
 小傘ちゃんはなんにも考えてなさそうなアホの子の印象がありますが、この絵面とひらがなオンリーのセリフでそれが強化されててなんともシュール。あとばんきちゃんの中身ってそうなってたんだ……。
 「はものをください」のセリフのクレイジーさにこのサークルさんのノリが集約されている気がします。
・さかなとなまくびとみずうみと
 のっけからかげろーちゃんがドライ過ぎる。きゃーすごいジャンプりょくでしかもしめっている。
 あとショットガンで仕留めなきゃいけない魚ってオヒョウだっけ。
 ばんきちゃんの生首まみれの湖のビジュアルよ。
 このサークルさんの(・x・)シリーズは基本的に誰も彼もイカれてるんですが、早苗さんは特に原作に輪をかけてヤバい子になって好き。外の世界のクラゲ粉砕マシーンの知識を生かした生首粉砕マシーンが怖すぎます。そして最後のオチがバイバインという……。
・クラウンピースのかていのじじょう
 クラウンピースの世話を任された純狐さんのお話。
 最強キャラの一角であるはずの純狐さんがのっけから火だるまに。
 「こんにちはいまからあなたをころします」て。
 一言も言葉を発することがないクラピちゃんですが、彼女の目につくものを手当たり次第に燃やすという行動は一種のコミュニケーション手段のような気すらしてきました。気づこう子どもたちのSOS。
・もののべとかえんびん
 まず表紙に嫌な予感が漂いすぎてるんですよ。
 布都ちゃんをはじめとする面々が前回に引き続きぼーぼー燃えてるお話。このサークルさんの作品では「犠牲者をシャベルで殴って埋めることに快感を覚える」「目につくモノをなんでも燃やす」「常にモザイク」といったバラエティ豊かな変態が楽しめます。へんたいはんたい。
 ちなみに数えてみたら布都ちゃんが炎上してるコマは実に21コマもありました。
 あと太子様のかみのけぴろぴろすごく好き。
・ひやけしたらしいチルノ
 なんだよこのブラックホールマンは。
 あと虫の卵をしこたまぶつけられるのはとても嫌だ。金髪の子可愛そう。
 このサークルさんの(・x・)シリーズのキャラは誰も彼もバイオレンスなんですが、ドレミーさんがあまりにも度を越したバイオレンスで笑えます。
 仮にもラスボスに向かって「あっラスボスだいしをなげてやれ」はとてもラスボスに対する扱いじゃなくて笑う。
 あと隠岐奈さんの両腕が何の説明もなくヒートロッドになってるんですがなんで?
 夢の世界のチルノが肉塊に包まれててなんかAKIRAを思い出しました。
 本作におけるチルノはなんかもうほとんどクリーチャーパニック映画のモンスターと化しており夢に出そう。
・シュレディンガーガール
 QYK(急に幼女が来たので)。
 育てるor埋めるの2択が即座に出て来るあたりこのサークルさんのメリーは(・x・)じゃなくてもどっかおかしいんだよな……。
 そしてさり気なくメリー=紫仮説が盛り込まれており好き。
・メガネ対メガネ
 男性メガネ代表こーりんと女性メガネ代表菫子が香霖堂の今後を占う。
 まあこーりんは基本的に商売する気ないしなあ……。
 早苗さんのコメントが生々しくて好き。
・うちの子、よその子
 金髪の子可愛そう案件なのかこれは。
 魔理沙は定期的にこういう場に出くわして誤解してそう。
・かきおろし
 思ったんですがドレミーさんは別にスイートな夢を届けてくれてはいないのでは。
 涙目の女苑おねえちゃんがかわいいです。
 あとチルノの脱皮は「マリグナント」で見た。
 
 今日はここまで。
 
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