いやですね、イヤな予感はしてたんですよ。
ラスボスだと思ってたコトゥン・ハーンを倒して、なおかつサブクエ全部クリアしてるのにトロフィー「武芸者」(1対1の戦いにすべて勝つ)が取得されてない時点で、もしかして……って思うじゃないですか。
だってもう残ってるのって……。
もしかしてでした……ああああ……。
そして最後の選択肢、あれをプレイヤーに選ばせるのがもう……。しかもご丁寧に2段階になってるという……。
ゲームへの没入感を向上させる方法は色々あると思うんですが、その中には「キャラとプレイヤーの感情をシンクロさせる」というものがあります。
あの瞬間の僕の葛藤はまさに仁の葛藤でした……。
そして、そこから一気にスタッフロールに入るのが、なんというか、これで完全に「坂井仁の物語」は終わった、「坂井仁」としてやるべきことは全て終えたといった感じでなんとも……。
いやー……本当に「美しい」ゲームだったと思いますゴーストオブツシマ。
「面白い」「すごい」より先に「美しい」という感想を抱いたのは斑鳩以来かも。
ただ単にグラフィックが綺麗というだけでなく、その見せ方があまりにも美しい。
そしてストーリーも、洋ゲーだってことを忘れてしまうくらい日本的なんですよね。
「侍」という日本人の精神性の象徴ともいえるものを信じられない深度で理解した上で描いていると思います。
また、個人的神ゲー判定基準のひとつである「ゲームシステムがストーリー上で意味を持つ」があったのが素晴らしかった。
本作では短刀を強化することでより敵を早く暗殺できるようになるんですが、それが「暗殺という侍の道に反する行為に慣れていく」という演出になっているように感じられました。
実際最初の暗殺から比べてみると、段階的に手際が良くなっていて、それが仁の精神性の変化をも現しているように感じました。
そして後半では毒が使えるようになるんですが、この毒はやがて蒙古の手にも渡ってしまい、後半では毒矢を使用する敵が出現し始めます。
「後半で強力な敵が現れた」って言えばそれだけなんですが、その強力な敵を生み出した原因は他ならぬ自分自身というのがなんとも……。
クリア特典として冥人の鎧の最後の色が手に入るんですが、その色の名前が「痛憤」なのがまた……。
「哀しみが美しいゲーム」だったと思います。
どうやらアップデートも来るようなので楽しみ。
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