さて、今日も「レディ・プレイヤー1」の感想です。
今回の感想には、まだ公式から公開されてない情報が含まれてますので、その部分だけネタバレ反転しておきます。
前回の日記で分かる通り、もう開始10分時点でブッ飛ばされてました。
さて続きですが、第1の試練をクリアしたウェイドはもうオアシスでは超有名人。
ヒロインであるアルテミスともいい仲に。
しかしここにきて、VR空間で本名をバラしてしまうという大ポカをやらかしてしまいます。
そのおかげで同じくイースター・エッグを探しているIOI社に目をつけられてしまうんですが、こっちはこっちでVRシステムのブースにパスワードを書いたメモを貼り付けておいたおかげで大ピンチという。
ここらは間違いなく作中でのいちばんの笑いどころだと思います。
同時に昨今のネットトラブルに対する注意喚起でもありますよね。
従って本作は全国の小中学校で上映するべき。
いや実際、1つ目の鍵を発見して一気に有名人になったウェイドの浮かれっぷりやうかつな言動はほんとうにネットトラブルあるあるだと思います。
対してヒロインであるアルテミスはそんなウェイドをしっかり叱っててお姉さんって感じ。
さて2つ目の鍵を見つけるヒントを探すウェイドたちですが、ハリデーの記録映像などを見て、ある映画に目をつけます。
その映画こそかの名作「シャイニング!」
そう、VR空間のデジタルアーカイブに収録された「シャイニング」の中に入ってヒントを探すわけですがこのシーンがもうすばらしく楽しい!
館内でも笑いが起きてました。
お約束のボールがコロコロ……からの双子というおなじみのあのシーンをこんなところで見ることになるとはこの海のリハクの目をもってしても見抜けなんだわ。
映画を見る前にはあんまり前情報を集めず、せいぜいトレーラー映像くらいしか見ないようにしてるんですが、その判断はまさに大正解だったと言わざるを得ないでしょう。
鍵の争奪戦にはIOI社の社員も大量に参加してるんですが、ここで一気に阿鼻叫喚になってて笑った。
仲間たちの「お前この映画見たことある?」「指の間から見てた」とかのやり取りも最高に笑えます。
ここらへんの会話も、実は後に現実世界に仲間たちと出会うときの彼らの正体の伏線だったりします。
しかしこの作品全編に渡って言えることなんですが、ここまで「楽しい」という感覚をはっきりと惹起されたのはほんとうに久しぶりだと思います。
まさしくエンターテイメント!
作品のすべての要素が観客を楽しませるために過不足なく機能しているといった感じです。
笑えると言えば、最後の試練である3つ目の鍵を探す方法がなんと「アタリ社のクソゲーを次々と延々プレイする」というエクストリーム拷問だったのには腹抱えて笑いました。
いやーこれ見てたパンピー(=一般ピープル)はあれなにやってるのかわかったんだろうか。
というか未来の最新技術を惜しみなく投入したVR空間の中でAtari2600をプレイする、しかも場所はなんか賽の河原っぽいところでミスったプレイヤーはボッシュートという絵面はなんかもう見てて脳が揺さぶられる思いでしたよ……。
というかこの映画、どっかにAVGNとかギターガイとか出てないだろうな……。あとノーラン・ブッシュネルとかいないよね……?
そして最終決戦、いよいよ公式で公開されてた「俺はガンダムで行く!」のシーンですよ!
もうtwitterで流れてきたそこのシーンを何度見たことか。
そしてガンダムの出番、ガッツリありました!
2018年にもなってスクリーンでこんだけ動く初代ガンダムを見ることができようとは、この海のリハクの目をもってしても見抜けなんだわ。
もうここでマジ泣きしそうになりました。
清く正しいおとこのことしてはこういう総力戦はほんとに魂にクるわけですよ。
総力戦なので当然、ここぞとばかりにどっかで見たキャラが山ほど出てくるわけですが、そのひとりひとりのプレイヤーが選んだキャラクターは、ひとりひとりのプレイヤーが「こいつになら俺の運命を託せる、一緒に戦える!」というキャラなわけですよ。
ダイトウが「俺はガンダムで行く!」と思ったなら、「俺はスパルタンで行く!」「俺はリュウで行く!」「俺はスポーンで行く!」「俺はキティちゃんで行く!」なわけですよ!!
このシーンはまさに、オアシスのプレイヤーひとりひとりの「好き」が画面狭しと暴れまわる「『好き』の大乱闘」「『好き』の大津波」なわけですよ!!!!!
これで燃えないXY染色体保持者は精神的に去勢されていると行っても過言でも華厳でもない!!!
そして敵方もそれに負けない強敵を繰り出してきます。
その名はなんと、メカゴジラ!!! しかも「ゴジラのテーマ」付き!!!
ここ、現時点ではtwitterなどで公式から該当のシーンが公開されてますが、もう心の底から思いました。
「公式から公開される前に見てきてほんっっっっっっっとうに良かった」と!!!!!!
もうこれ公式で見てしまってたら、あらゆる手段を用いて自分の記憶を消そうとしてたでしょう。たすけてマインドアサシン!!!!!!
だってあなた、ガンダム&アイアンジャイアントVSメカゴジラとかドラゴンボール全部集めるかベヘリット使うかドラえもんに頼むかしないと絶対見られませんよ!?
もう本作は全編がそうした奇跡で構成されている映画なわけですが、もうこのシーンはほんっっっっっっとうに奇跡的なシーンです。死ぬかと思った。
この日記を書いてる時点ではまだ2回目は見てませんが、2回目はこのシーンでマジ泣きするかもしれん。
というかこの作品を上映してる映画館は、輸血用血液を用意してたほうがいいと思う。ぜったい失血死する人が出るから。というか俺が死ぬから。
そしてアイアンジャイアントが親指立てながら溶岩に沈んでいくシーンは涙なしでは見られませんでした。
いやマジでそういうシーンがあるんですってば。
完全にネットスラングと化した溶鉱炉云々のアレがまさか現実のものとなろうとはこの海のリハクの(ry
いやもう実際日記書きながら思い出してる今、なんか動悸がやたら激しくなってきてますからね?
そして最後の鍵を手に入れるべく、ウェイドはアタリのゲーム「アドベンチャー」をプレイしようとするわけですが、コインがない……と思いきや、ポケットにはライブラリーで案内人から手に入れた25セント硬貨が1枚……というこのシーン。
これだけ最新の技術を投入したVR空間で、最後の決め手となったのがコインいっこだったというのがもうたまらん。
もうスピルバーグ監督は、ほんとうに俺たちの喜ぶツボを完璧なまでに心得ている! そこにシビれる憧れる。
そして、最後の鍵を見つける手段が「ゲームに勝つこと」ではなく「ゲームの中をうろついて、そこに隠されたドットを見つける」というものだったのがなんとも教訓的。
ゲームの存在意義は、「ゲームに勝つこと」ではなく「ゲームを楽しむこと」にこそあるというメッセージだと受け取りました。
ラスト、ウェイドはついにオアシスの製作者であるハリデーと出会います。そして……。
ここでウェイドには、オアシスの全機能を停止させるという選択肢も与えられるわけですが、ここで彼はそれをしない。
従って作品のラストも、「偽りの世界を捨てて現実に戻ろう!」とはならない。
この映画はもう数え切れないほどの「素晴らしい」が詰まっているわけですが、このラストはとりわけ素晴らしいと思います。
ここで「偽りの世界を捨てて現実に戻ろう!」をやってしまうと、この作品は一気にくだらない抹香臭い時代遅れのいかにも老害好みのお説教に堕してしまうわけです。
いっきに白けてしまうわけです。
ラストでオアシスの全権を手に入れたウェイドは、週2回オアシスの休業日を設けます。
この「現実の世界も、VRの世界も同等に素晴らしく同等に意義のあるものだ!」という着地点を設けてくれたスピルバーグ監督にはほんとうに感謝したい。
ラストでのハリデーも、その結論に至るまで「VRはただの逃避にしか過ぎないんじゃないか」というような迷いをもっているらしき描写があったのもいい。
そして個人的には、悪役であるIOI社の社長ノーランについて印象深いところがあります。
筋金入りのオタク少年である主人公・ウェイドに対して、ノーランはまったく逆の属性を持つキャラとして描写されています。
オアシスを心から楽しんでいるウェイドに対し、あくまでビジネスの手段としてしか見ていないノーラン。
実際に対峙した際のウェイドからのヲタ質問に対して、イヤホンで部下から答えを聞きつつ、自分もウェイドと同じオタクであることをアピールして仲間意識を芽生えさせようとします。
このあたり、もちろん策略100%でやってるわけですが、なんだか見ようによっては「若い世代の少年にムリして話を合わせようとしてるオッサン」に見えるんだよなあ。
この人、なんだかオタク……というか、オタクみたいになにかにどっぷりはまり込んで思いっきり楽しんでる人間が羨ましいんじゃないかなあ、とか思うんです。
ラスト付近、ついにイースターエッグを手に入れたウェイドに銃を突きつけますが、撃てないんですよね。
そしてウェイドを見て、かすかに、我知らず、笑ったように見えたんですよ。
この「悪役ではあるけれど……」という感じは、「シェイプオブウォーター」のストリックランドにも感じた印象です。
この辺りはもう何回か見直してみたいですね。
あと原作も読んでみたい。
あー、1日が157486時間にならないかなあ。