さて雨山を目指しましょう。
相変わらず露岩の気持ちのいい道を進んでいきます。
お、ど根性松です。
岩の隙間から伸びてきています。
種が落ちたところがどんなところでも、
わずかな土と水があれば
芽を出し大きくなっていくのは植物の宿命なんですが、
岩の隙間が狭すぎてこれから先どうなってゆくのでしょうか。
岩を砕いて成長していくんだろうかと
行く末を案じます。
まるで自分自身を見るようです。
いやいやそんな現実的なことも
考えないでおきましょう。
なんくるないさと生きていきましょう。
犬鳴方面の棚田がきれいですねえ。
四季折々にどんな顔を見せるのでしょうか。
また来なくてはなりません。
春っぽい風と花粉を浴びつつ進んでいきます。
周りの植物に目を向けてみましょう。
これは「ネジキ」です。
ねじれながら成長していきます。
そんな人おりますね。
じ、自分もそうかもしれません。
もうとっくに成長は止まってるけど・・・。
植生は単純です。
ツツジやネジキの他に
松やソヨゴ、
ウバメガシの森や
シダが生い茂る道。
だいたいそれがこのあたりの代表的な植物の姿です。
ようやく「月見亭」と名付けられた場所に出ました。
南側に大きく開かれた空が見えます。
雨山城の住人が風流に月見をした場所なんですねえ。
そこにはこんな看板が・・・
山を大事にしたいという気持ちはわかるんですが、
折角の「月見亭」なんですから
もう少し風流に
「名月や ごみひとつ無き 山愛でる」
と、まあ駄作ですけど
これくらいのことは書いててほしいもんですなあ。
ここが、雨山頂上です。
標高は314mとあります。
312mだと思っていたのですが、
三角点がないのでまあ誤差の範囲内でしょう。
城址の祠の前には、
これまでのdoironが見た史上最大のヤマモモがありました。
祠は雨山神社跡です。
こんな山の中に孤独に耐えて
ひっそりと祀られているなんて、
なかなかできることではありません。
さすが神様です。
それにしても昔の人はこんな山の中に暮らすなんて、
水の確保も大変だろうなあと思っていたら・・・
土丸城に向かう道の途中に
井戸があるようです。
行ってみましょう。
それがこれ。
シダに覆われておいしそうな水が湧きそうです。
これは森林造成の告知看板です。
おや?看板の横にこんなものが付けられています。
「有田みちくさクラブ」と書かれています。
熊野古道の有田へ下るミカン畑にも
このクラブのプレートが貼られ
道案内をしていましたねえ。
どんなクラブなのかネットを探ってみましたが
HPはないようです。
でも、各地で精力的に活動されていることがわかりました。
いろんな集団があるもんですねえ。
崖っぷちの上に設けられた
安全柵を眺めつつ、
ウバメガシの森を抜けると土丸城跡です。
なぜか伊勢鳥居の立てられた祠があるだけですが、
さすがのパワースポットぶりです。
この土丸城まではふもとから
登山道に町石が設けられています。
古いのや新しいのが混在しており、
古いのには地元の有志の名前が刻まれ、
新しいのは熊取町役場が設置しているようです。
先ほどの井戸跡近くのコルに戻って、
下山開始です。
そんな町石に沿って下っていきます。
途中こんな看板が・・・
そういえばナニコレの取材があった時に
役場の人が追加指定の話をしていたっけなあ。
木の階段を下っていきます。
よく人が歩いているような道です。
左手に池が見えてきたら、
阪和道の高架下に出て、
山道は終了です。
熊取ロードレースのコースになっている道路を
駐車場までてくてく歩いて本日の歩行は終了。
全長約5.3キロのお手軽登山でした。
全体的にはアルペンムードの漂う
初心者コースといったところでしょうか。
半日あれば十分楽しめるおススメのコースでした。
電話ボックスで昼寝をしている猫を
起こさないように注意しながら撮影して
このシリーズ終わり。