天主閣の裏手に回ってふと気になったのが
「隠し曲輪」
石垣の間の狭いところを抜けて
入って行くと猫の額ほどの広場があります。
といってもほんとに猫の額のような
大きさではないですけど・・・
20平米もないくらいの曲輪
(くるわ・・・広場)です。
ここの石垣から下を見おろしますと
二の丸庭園の迎賓館の森が見えます。
そして振り返ると
大きな石垣の石に何か刻まれています。
石垣の築造をした藩の刻印だそうです。
おお~これにはあみだくじのような刻印も。
江戸幕府の築造時、
誰が缶コーヒーを買いに行くか
くじでも引いたのでしょうか。
じつはこの刻印石は
徳川による築城時に刻まれたもので、
城内では数万個見つかっているそうです。
この先の「山里丸」の刻印石広場には
刻印された石が多数展示されていました。
ん?この刻印はなんでしょう。
いやいや刻印ではありません。
大阪大空襲の際の機銃掃射の痕跡です。
玉造の鳥居も倒れてましたねえ。
砲兵工廠もあったので
このあたりの攻撃も激しかったようです。
文字通り戦争の爪痕なんですねえ。
このあたりは人も少なくなってきました。
恋人たちもゆっくりと語らっています。
その刻印石広場の片隅にあるのが、
この山里丸で自刃した淀君並びに殉死者33名の忠霊塔です。
ここが今回場内で一番のパワースポットでした。
内濠の北側に架かる橋は、
この地に本願寺があったことの名残を伝える
「極楽橋」です。
それを渡り濠に沿って右に行くと、
ようやくミセスがお待ちかねの
「大阪城梅林」に出ます。
こんな梅や
こんな梅が
花をつけていましたが、
満開にはまだ少し日にちがかかりそうです。
それでも梅の香りが当たりに漂っていました。
先日歩いた南部の梅が
「一目百万、香り十里」と
いわれていたように、
ここでも少しの花でもいい香りを放っていました。
見ると皆さんあちこちの陽だまりで
お弁当を広げています。
そういえば、もうそんな時間です。
doiron一行もお昼にしましょう。
たしか、青屋口を出たところが
各種マラソンのコースになっていて、
その脇に売店があったはずです。
向かいましょう。
と、その時ふと濠の方を見ると
たくさんの鳥が集まっていました。
鳥もお昼の時間なんでしょう。
これはキンクロハジロの一団ですね。
冬に越冬のために渡ってくる渡り鳥です。
あれ?よく見ると、
なんかひとつ変なのが混ざっていますよ・・・
ドヒャー、でっかいネズミが泳いでいます。
たぶんヌートリアでしょう。
一瞬グーちゃんに見えました。
水生植物などをエサとし、
土手の穴に住むというこの外来動物にとって、
巣となる石垣の隙間も無数にあるこの濠は
絶好の生息場所なんでしょうねえ。
愛想を振りまけば観光客から
おいしい食べ物ももらえるしね。
でも特定外来生物なので
エサは与えないようにしましょうね。
で、doironのエサの時間です。
今日は電車で来ているのでこんな感じ。
電車で渡ってきた純潔在来種なんで、
ビール付きのエサでもかまいません。
立ち上がって、愛想よく片手を上げたら
ミセスが与えてくれました
(シロクマかっ)。
食後は外濠に沿って反時計回りで
歩いていきましょう。
ここは「桃園」です。
梅林に比べて、ここはあまり有名ではありませんね。
その先の京橋口あたりには
「旧大阪砲兵工廠化学分析場」の建物があります。
今は何に使われているのでしょう。
敷地の中には運送会社の車が
たくさん止まっていました。
これで城内探索はほぼ終わりです。
寝屋川に架かる京橋を渡り、
先日、大坂八百八橋シリーズで歩いたコースを辿り、
天満橋を渡って地下鉄で帰宅した
doiron一行なのでした。
帰ってからもいろいろ調べてみると、
大阪城には謎の
石組や穴や遺構が他にもいろいろあることがわかりました。
ぜひ次に行くときは
そんな謎の場所も訪ねてみたいと思っています~。
このシリーズ終わり。