雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

グレイヴディッカー

2012-07-03 21:40:58 | 

高野和明著"グレイヴディッカー"を読みました。
おもしろいです。ですが後味のよい話ではありません。
警察が悪すぎです。
本の中では警察は悪の権化のような扱いをされることが
多いです。
正義を守ってこその立場ですのに。
こういう決まりきった型の話は嫌になります。
検閲がまかり通ってこういう本の出版は許さないと
ならないだけ平和だということなのでしょう。

八神は子供のころからの悪党でした。
そこから抜け出したいと糸口に白血病の人に骨髄移植を
するドナーになることにしました。
手術のため病院へ入院する矢先に何度も襲われる
ことになりました。

少し前に権藤という男の死体が湖で見つかります。
一年三ヶ月前に殺されたと思われて死体が見つからなかった
男です。
野崎が犯人として捕まっています。しかしがんとして
自分ではないと否認しています。
遺体はある条件が整うと月日が経ってもそのままの状態を
保つ永久死体となっています。
その遺体が盗まれました。

野崎が権藤を刺したのを目撃したという目撃者が次々と
殺されていきます。
魔女狩りで殺された死体が甦って異端審問官に復讐するという
話がイギリスにあります。
蘇ったものをグレイヴディッカーといいます。

八神は逃げても逃げても追手に付きまとわれます。
それがひとつのグループだけではありません。
Mと呼ばれる宗教組織、その後を追うグレイヴディッカー、
そして警察です。
八神が病院に到着しないと移植を待っている患者が困った
ことになります。
赤羽から六郷まで必死に移動します。
追手を撒きながらですのでじれったいぐらいなかなか
先へ進みません。
あわやということろを飛び降りたりよじ登ったりと
はらはらとさせます。

グレイヴディッカーはMの組織のものを次々と昔の
魔女狩りで行われた方法で殺していきます。
何でもありの警察の公安の組織が関わっています。
自分達の都合の悪いことはすべて握り潰してしまう
組織です。
グレイヴディッカーが最後に狙っているのは元公安の
トップで現在は政治家です。

複雑に絡まった組織が登場します。
場面展開が速いのでそのあとを追って読み進んでいきます。
八神はタフです。
これから先どう生きていくのかなと興味がわきます。