雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

とんずら屋 弥生請負帖

2012-07-09 20:12:28 | 
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2012-02-01

田牧大和著"とんずら屋 弥生請負帖"を読みました。
江戸時代の夜逃げ屋の話なのかなと読み始めました。

船宿松波屋は裏でとんずら屋をやっています。
大柄できっぷのいい女将のお昌が切り盛りしています。
浜乃湯のお地蔵様が客との繋ぎに利用されています。

弥生の父親はお殿様の隠し子でした。
家来の子として育ち弥生の母と出会いました。
結婚するつもりでしたがお殿様の息子が亡くなり突然
跡取りとして連れて行かれてしました。
父は跡目争いに巻き込まれ殺されてしまいました。
母と弥生は争いを避けるため駆け込み寺の建長寺へ
逃げ込んで弥生はそこで育ちました。
弥生は寺を出て叔母のお昌の店にやってきました。
女性の船頭は嫌がらせをされます。
弥生は男に扮装して船頭として働いています。
同じ船頭の啓次郎や船大工の源太に守られ仕事をしています。

同業の商売の家の娘を嫁にしようとしている男がいます。
同業者を目の敵にしていて嫁に行ったらどんなひどい
目にあわされるか想像されます。
親はそのことに気づいていなくて兄がとんずら屋に
妹を縁切り寺へ連れて行って欲しいと依頼をしてきます。
弥吉と名乗る弥生と啓次郎、源太で連れ出します。

松波屋には進右衛門という呉服問屋の若旦那が逗留しています。
現在の殿様の弟が跡目を狙っています。
弥生の父と叔父を殺したのはこの人です。
殿様は息子に娘がいることを知りません。
弥生を確保しておいて利用できる時がきたら利用しようと
たくらむ勢力が弥生を追ってきます。
進右衛門はこの一派の頭領を父親に持ちます。
しかし父親とは袂を分かち弥生を守ろうとします。

殿様には姉がいます。
結婚して子供がいます。
お家騒動はこの子を養子とすることで一応の決着をみせます。

なんかややこしくてすっきりしません。
まだこの先に続きがあるような微妙な終わり方です。
弥生が先走って動いて松波屋の仲間たちを危険な目に
あわせています。
ちょっと軽々しい弥生です。
船頭仲間の啓次郎に進右衛門に弥生は思いを寄せ
られています。
最初に松波屋へ弥生を送ってきた仙太郎という船頭は
なにかいわくがありそうな男ですが行方がわかりません。
弥生は密かに思っています。
田牧さんの本に出て来る女性は複数の人に思われて、
はっきりと誰と決めない女性が多いです。
ちょっとずるいんじゃないと思います。
とんずら屋という仕事が中心の話なのかと思って読み
始めましたがお家騒動が中心の話でした。