第95回全国高校野球選手権大会が11日、阪神甲子園球場で開幕しました。当初は9日に初日を迎える予定でしたが、台風11号の影響により2日遅れで開幕を迎えました。大会初日は、春のセンバツ王者・龍谷大平安高校がいきなり登場。春夏連覇に向けての大事な初戦でしたが、まさかの結果となりました。
第1試合:龍谷大平安(京都)VS春日部共栄(埼玉)
1回表、春日部共栄は平安先発・元氏玲仁の立ち上がりを攻め立て、ヒットと相手のエラーで無死1,3塁と先制のチャンスを作り、3番・守屋元気がセンターへキッチリ犠牲フライを放って1点先制。この後、ヒットと四球で満塁とし、6番・金子大地が2球目を叩き、3塁強襲のレフト前タイムリーヒットで2点目。7番・長岡大智も続き、センターオーバーの2点タイムリー2塁打。さらに8番・小林慎太郎のレフト前タイムリーヒットも生まれ、この回5点を奪い、平安先発・元氏をノックアウトしました。
共栄先発・金子は、初回に平安の先頭打者を出すも、後続を退けて無失点。その後もランナーを出しながらも打たせて取るピッチングで相手の反撃を許しません。
平安は2番手投手・高橋奎二が好投を続けます。3回から5回まで3イニング連続3者凡退に抑えると、6回には死球と内野安打で1,2塁のピンチを招いたが、9番・高野凌治を三振に仕留めて追加点を与えません。
高橋の力投に応えるためにも反撃したい平安は7回、6番・石川拓弥がレフトへヒット。先頭打者が出塁すると、8番・常仁志がセンター前ヒットで繋ぎ、1死1,3塁。代打・西川寛崇がライトへの犠牲フライを放ち、ようやく金子から1点を返します。8回、2番・大谷司のヒット、3番・中口大地の死球で無死1,2塁と得点圏に走者を置く。しかし、チャンスの場面で4番・河合泰聖が痛恨の3塁ゴロ併殺打。2死3塁で5番・高橋佑八が空振り三振に倒れ、無死1,2塁のチャンスを活かせず無得点に終わりました。
8回のピンチをしのいだ共栄先発・金子は、9回も平安の下位打線を3者凡退に抑えて完投勝利。春日部共栄が龍谷大平安を5-1で破り、開幕戦を制しました。
今年の夏の甲子園は、優勝候補・龍谷大平安が初戦で姿を消すという波乱の幕開け。先発・元氏投手が初回に捕まり5失点でノックアウト。2番手の高橋投手が奮闘も実らず。打線も春日部共栄のエース・金子大地投手の前に1点しか奪い返せませんでした。本来の力を出せず、史上8校目の春夏連覇の偉業を逃した平安、早々と甲子園の舞台から去ることになってしまいました…。これがトーナメントの恐ろしさというものか…。
優勝候補の本命から金星を奪った春日部共栄高校は、9年ぶりの夏の甲子園で初戦を突破。大会前の組み合わせ抽選会で、いきなり龍谷大平安との開幕戦を引き当てたので、「うわぁ最悪じゃん」、「もう負けだな」と敗退を確信しました。しかし、初回に3連続タイムリーなどで5点を先取し、先発の金子投手が、平安相手に堂々のピッチングを繰り広げ、6回まで無失点に抑え、9回1失点の完投勝利を挙げました。予想外の勝利に本多利治監督も「信じられない。不思議な感じがする」とコメント。この勝利で埼玉県勢は春夏通算100勝を達成。春の王者を破った春日部共栄、勢いそのままに快進撃といきたいところです。
第2試合:敦賀気比高校(福井)16-0坂出商業(香川)
20年ぶりの甲子園出場を果たした坂出商と、2013年選抜ベスト4の敦賀気比の一戦は、敦賀気比打線が初回から爆発しました。
まず初回に1死3塁で3番・浅井洸耶のセンター犠牲フライで先制点を奪い、2死2塁で5番・峯健太郎が坂出商の先発・金丸智哉の直球を捉え、左中間スタンドへの2ラン本塁打を放ち2点追加。さらに2死1,3塁で8番・山本皓大のセンター前タイムリーで4点目を奪いました。
3回には1死2塁から7番・平沼翔太のタイムリー2塁打で1点を加え、5回は2死3塁から9番・中本貴大のセンター前ヒットで6点目、なおもランナー1人置いて1番・篠原涼がライトスタンドへの2ラン本塁打で8-0と突き放します。
終盤になっても勢いは止まらず、7回は篠原の2点タイムリー2塁打、4番・岡田耕太の2点タイムリー2塁打で4点を挙げる。8回も1死満塁から2番・下村崇将のセンター前タイムリーヒット。さらに相手の後逸も重なり、満塁の走者が一挙に生還。1死3塁で浅井洸耶の犠牲フライで1点追加。この回も4得点を奪い、16-0と大量リード。
投げては敦賀先発・平沼が坂出商を9回まで3安打の完封勝利。投打で圧倒した敦賀気比が16-0で大勝しました。
第3試合:富山商業2-0日大鶴ヶ丘(西東京)
大会初日の第3試合は、投手戦の展開で進み、富商先発・森田駿哉と、鶴ケ丘先発・秋山翔がともに4回まで無失点の好投。
0-0で迎えた5回表、富山商は先頭の5番・加藤大輔が右中間を破る3塁打で、先制のチャンスを得ます。1死3塁で7番・岩瀬大輝が秋山の直球を打ち返し、1,2塁間への打球は鶴ヶ丘2塁手・山岸哲也のグラブを弾き、ライト前へのタイムリーヒット。富山商業が1-0と試合の均衡を破ります。
富商は6回にも3番・坂本潤一朗と4番・轡田拓馬の連打で1死1,2塁と追加点のチャンスを作り、加藤が初球を捉えてライト前タイムリーヒット。クリーンナップの3連打で1点を追加。
2点を追う日大鶴ヶ丘は、8回に2死1,3塁と反撃のチャンスを迎えたが、3番・山岸が空振り三振で2者残塁。試合は2-0で富山商業が勝ち、2回戦に駒を進めました。
大会初日の第2試合は、敦賀気比が21安打16得点の猛攻で坂出商を粉砕。初回に峯選手が大会第1号ホームランを放つと、5回には篠原選手が2号本塁打。その篠原選手は、ホームランを含む4安打4打点と大当たり。先発の平沼投手は、投げては9回完封、打っては3安打2打点と投打で活躍しました。敦賀気比は2回戦で春日部共栄と対戦。共栄にとってはまたしても手強い相手を迎え撃つことになりました。金子投手は強力打線をどう料理するのか?
第3試合は、富山商業のエース・森田投手が、日大鶴ヶ丘を相手に9回8奪三振の好投で完封勝利。次戦は関西(岡山)と対戦します。日大鶴ヶ丘も先発の秋山投手が2失点と粘りましたが、打線が森田投手を攻略できず。3塁にランナーを進めながらも、あと1本が出なかった・・・。