春の観光シーズンを迎えた京都で、痛ましい事件が起こりました。京都市東山区・祇園地区の繁華街で暴走した軽ワゴン車が歩行者の列に突っ込むという事故がありました。
事故があったのは、12日午後1時10分ごろ、大和大路通四条交差点付近で信号無視をした軽ワゴン車が、横断歩道を渡っていた歩行者達を次々と撥ね、大和大路通りで歩行者や駐車していた車に接触した後、電柱に激突して大破しました。この事故で歩行者7人(男性2人、女性7人)と軽ワゴン車を運転していた藤崎晋吾容疑者(30)の合計8人が死亡し、11人が重軽傷を負いました。
死亡した藤崎容疑者は藍染製品販売会社の会社員で、この日は中京区へ配達に出るため会社を出たのですが、その直後にタクシーに追突。そのまま猛スピードで逃走し、後電柱にぶつかり、救急車で病院に運ばれましたが、事故から約2時間後に死亡したとのことです。
京都府警によると、容疑者は「てんかん」の通院歴があり、今年3月の免許更新の時はてんかんの申告はしていなかったという。取材に応じた藤崎容疑者の姉が「てんかんの発作がひどく、運転で大変なことになると思った」、「全く車を運転せずに働き続けるか、車を運転しない仕事に就くか家族で話し合っていた」と話しました。その一方で、容疑者が勤務していた会社側は、男性の持病を把握していなかった事がわかりました。
地元住民や観光客が凍りつくような大惨事となった今回の事故、ニュースで初めて知った時は、酒気帯び或いは居眠り運転、ドライバーが覚せい剤などの薬物をやっていたか、ブレーキとアクセルの踏み違いなのか原因が全く掴めませんでしたが、男性の「てんかん」だったとは…。免許更新でてんかんの申告をせず、家族が「運転やめろ」と注意しているのに、どうして制止を聞かずに運転を続けたのか…。ちゃんと聞いていれば大惨事が起こらずに済んだのに…。
てんかん患者による交通事故といえば、昨年4月18日に栃木県鹿沼市で通学中の小学生6人がクレーン車を運転していた男性にはねられて死亡した事件が記憶に新しい。他にも三重県四日市市内の踏み切りで、自転車を運転していた3人が乗用車に追突されて2人が死亡すれば、昨年5月には児童の列に軽乗用車が突っ込んで4人が重軽傷を負う事故もありました。
2002年6月の道路交通法改正でてんかんを持つ人でも条件付きで運転ができるようになったけど、てんかん患者による死傷事故が相次いで発生しております。やはりてんかんの人に車の運転をさせるのは危険なのかもしれません。