
海外で食べたレストラン料理の中で、おいしかったものの一つがウィーンで食べた"Wiener Schnitzel"。
ウィーンに着いたのが夜だったので、ビストロでとりあえずわかりやすそうな料理を頼んだのがこの料理。
見た目は大きなビフカツで、出てきたときはその大きさにびっくりしましたが、かりっとしていて、長時間の移動と海外の緊張感で疲れていた時のでホッとする料理でした。
あれ以来何度かこの料理に挑戦するものの、難しい料理ではないはずなのですが、なかなか納得のいくものが出来ませんでした。今回、御用達書で作り方のコツを発見し、試してみることに。
日本のビフカツと違うのは、まず"厚み"。"Wiener Schnitzel"は、3~5mm程度に肉をたたき伸ばします。日本のカツは厚みがある方が価値がでますが、シュニッツエルはサクサク感を楽しむ料理なので、肉は薄めがベスト。
衣はパン粉なのですが、粉のように細かいものを使うのが特徴。揚げた時に衣が肉から浮き上がってふんわりと膨れ、シワがよった見た目にならなければいけないようです。
今まではただ薄いカツレツとして作っていたのですが、そうではないようです。
<材料>(2枚分)
豚肩ロース 2枚
[ヒレ肉の場合 1/2本(200g)]
食パン(8枚切) 2枚
小麦粉 大さじ2
卵 1個
油(衣卵液用) 小さじ1
ケイパー 大さじ1
レモン汁 大さじ2
まずはパン粉作りから。
御用達書ではパン粉も食パンから手作りで作ることを推奨しています。市販のものより味も食感もよくなるようです。
パン粉は生パン粉ではなく、乾燥パン粉を作ります。
御用達書では手早く簡単にパンを乾燥させるために電子レンジを使っています。



サンドイッチ用の食パンの耳を切り落とし、2cm角に切って耐熱皿に入れます。


蓋をせず電子レンジで1分30秒ほど加熱します。
加熱しすぎると焦げてしまうので、パンが軽くカサカサになって多少色づけばO.K.です。
冷める間にもどんどん乾燥します。



カラカラになったパンをミキサーに移し、細かい粉になるまで砕きます。
普通のパン粉よりかなり細かいパン粉にするのがコツ。


粉状のパン粉を浅皿に移しておきます。

衣用の卵液は卵を解きほぐして少量の油を加えておきます。油を加えることにより、衣がカリッと揚がりやすく、衣が肉から離れやすいらしい。
次に肉の準備。
本来の"Wiener Schnitzel"は、仔牛(veal)を使います。とても柔らかく上品な味に仕上がるのですが、高価で手に入りにくい。
よって、安価な豚肉で代用するのですが、御用達書でも豚肉を使うとたいていは加熱で固くなってしまうのが難点としています。
その解消法をして豚ヒレ肉を使う方法を推奨しています。ヒレ肉ならば加熱しても柔らかさが保たれ、仔牛に似た風味にもなるとか。
今回は残念ながら豚ヒレ肉ではなく、手元にあったイベリコ豚の肩ロースを使って作りました。肩ロースは比較的脂身が多い部位なので、加熱しても柔らかさは保てそう。




肉の筋を包丁で切り込み、ラップに包んで麺棒で3mm厚程度にたたき延ばします。
塩コショウで下味を軽くつけます。
この時点で肉が倍ぐらいの大きさになるので、お得感一杯ですね。



後はフライ衣をつける要領で小麦粉、卵、パン粉を順次薄く付けていきます。パン粉は細かいので付けたら手で押さえてなじませます。

そのまま10分ほど寝かせてカツレツを乾燥させます。

その間に揚げ油を大きめの深鍋に入れて180度に予熱しておきます。
肉に被るくらいの油があればO.K.ですが、今回は揚げ焼きより多い目の油量は必要です。


寝かせたカツレツを一枚ずつ入れて、すぐに鍋を揺すりながら、油が肉に掛かるようにします。揚げている間はずっと鍋をゆすり続けます。


片面1分30秒ほど揚げてひっくり返し、両面にしっかりと焼き色が付くまで揺すり揚げます。
鍋を優しくゆすりながら揚げるのが今回の料理の最大のポイントで、衣に早く熱が通り、卵が急速に加熱されるため衣が膨らみやすくなるとのこと。
トンカツの揚げ方としては、衣が固まるまで触らないようにするのが基本ですが、鍋をゆすってもパン粉がはがれることはほとんどなく、カリッとうまく揚がりました。
肉が薄いために短時間で揚げることができるからこの方法が使えるのですが、ちょっとびっくりな方法ですね。


衣にでこぼことシワがより、よい揚げ色が付いたところで紙タオルにのせて、シュニッツェルの油を切ります。少し紙タオルで押さえて油をしっかり切るといいですね。



盛り皿に移し、ケイパーとレモン汁を振りかけて完成です。
肉は薄いのですが、柔らかくジューシーでした。衣も外側はカリッとしていますが、肉との間に隙間ができてふんわり感のある噛み応えがでました。
ケイパーとレモン汁でさっぱりと食べられるので肉の旨みが最後まで楽しめますね。
普通のトンカツより柔らかく、さっぱりしているのでおいしいです。ウィーンのものにかなり近くなり、納得のいく一品になりました。
ちょっとしたコツがいくつか重なることでかなり違うものができるんですね。
技術と知識は大事さを痛感する一皿でした。




この日の献立は、ポークシュニッツエル・レッドビーンライス添え、パパイヤの冷製スープ、夏野菜のローストサラダでした。

にほんブログ村
ウィーンに着いたのが夜だったので、ビストロでとりあえずわかりやすそうな料理を頼んだのがこの料理。
見た目は大きなビフカツで、出てきたときはその大きさにびっくりしましたが、かりっとしていて、長時間の移動と海外の緊張感で疲れていた時のでホッとする料理でした。
あれ以来何度かこの料理に挑戦するものの、難しい料理ではないはずなのですが、なかなか納得のいくものが出来ませんでした。今回、御用達書で作り方のコツを発見し、試してみることに。
日本のビフカツと違うのは、まず"厚み"。"Wiener Schnitzel"は、3~5mm程度に肉をたたき伸ばします。日本のカツは厚みがある方が価値がでますが、シュニッツエルはサクサク感を楽しむ料理なので、肉は薄めがベスト。
衣はパン粉なのですが、粉のように細かいものを使うのが特徴。揚げた時に衣が肉から浮き上がってふんわりと膨れ、シワがよった見た目にならなければいけないようです。
今まではただ薄いカツレツとして作っていたのですが、そうではないようです。
<材料>(2枚分)
豚肩ロース 2枚
[ヒレ肉の場合 1/2本(200g)]
食パン(8枚切) 2枚
小麦粉 大さじ2
卵 1個
油(衣卵液用) 小さじ1
ケイパー 大さじ1
レモン汁 大さじ2
まずはパン粉作りから。
御用達書ではパン粉も食パンから手作りで作ることを推奨しています。市販のものより味も食感もよくなるようです。
パン粉は生パン粉ではなく、乾燥パン粉を作ります。
御用達書では手早く簡単にパンを乾燥させるために電子レンジを使っています。



サンドイッチ用の食パンの耳を切り落とし、2cm角に切って耐熱皿に入れます。


蓋をせず電子レンジで1分30秒ほど加熱します。
加熱しすぎると焦げてしまうので、パンが軽くカサカサになって多少色づけばO.K.です。
冷める間にもどんどん乾燥します。



カラカラになったパンをミキサーに移し、細かい粉になるまで砕きます。
普通のパン粉よりかなり細かいパン粉にするのがコツ。


粉状のパン粉を浅皿に移しておきます。

衣用の卵液は卵を解きほぐして少量の油を加えておきます。油を加えることにより、衣がカリッと揚がりやすく、衣が肉から離れやすいらしい。
次に肉の準備。
本来の"Wiener Schnitzel"は、仔牛(veal)を使います。とても柔らかく上品な味に仕上がるのですが、高価で手に入りにくい。
よって、安価な豚肉で代用するのですが、御用達書でも豚肉を使うとたいていは加熱で固くなってしまうのが難点としています。
その解消法をして豚ヒレ肉を使う方法を推奨しています。ヒレ肉ならば加熱しても柔らかさが保たれ、仔牛に似た風味にもなるとか。
今回は残念ながら豚ヒレ肉ではなく、手元にあったイベリコ豚の肩ロースを使って作りました。肩ロースは比較的脂身が多い部位なので、加熱しても柔らかさは保てそう。




肉の筋を包丁で切り込み、ラップに包んで麺棒で3mm厚程度にたたき延ばします。
塩コショウで下味を軽くつけます。
この時点で肉が倍ぐらいの大きさになるので、お得感一杯ですね。



後はフライ衣をつける要領で小麦粉、卵、パン粉を順次薄く付けていきます。パン粉は細かいので付けたら手で押さえてなじませます。

そのまま10分ほど寝かせてカツレツを乾燥させます。

その間に揚げ油を大きめの深鍋に入れて180度に予熱しておきます。
肉に被るくらいの油があればO.K.ですが、今回は揚げ焼きより多い目の油量は必要です。


寝かせたカツレツを一枚ずつ入れて、すぐに鍋を揺すりながら、油が肉に掛かるようにします。揚げている間はずっと鍋をゆすり続けます。


片面1分30秒ほど揚げてひっくり返し、両面にしっかりと焼き色が付くまで揺すり揚げます。
鍋を優しくゆすりながら揚げるのが今回の料理の最大のポイントで、衣に早く熱が通り、卵が急速に加熱されるため衣が膨らみやすくなるとのこと。
トンカツの揚げ方としては、衣が固まるまで触らないようにするのが基本ですが、鍋をゆすってもパン粉がはがれることはほとんどなく、カリッとうまく揚がりました。
肉が薄いために短時間で揚げることができるからこの方法が使えるのですが、ちょっとびっくりな方法ですね。


衣にでこぼことシワがより、よい揚げ色が付いたところで紙タオルにのせて、シュニッツェルの油を切ります。少し紙タオルで押さえて油をしっかり切るといいですね。



盛り皿に移し、ケイパーとレモン汁を振りかけて完成です。
肉は薄いのですが、柔らかくジューシーでした。衣も外側はカリッとしていますが、肉との間に隙間ができてふんわり感のある噛み応えがでました。
ケイパーとレモン汁でさっぱりと食べられるので肉の旨みが最後まで楽しめますね。
普通のトンカツより柔らかく、さっぱりしているのでおいしいです。ウィーンのものにかなり近くなり、納得のいく一品になりました。
ちょっとしたコツがいくつか重なることでかなり違うものができるんですね。
技術と知識は大事さを痛感する一皿でした。




この日の献立は、ポークシュニッツエル・レッドビーンライス添え、パパイヤの冷製スープ、夏野菜のローストサラダでした。


