かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

政権選択選挙と言うけれど、選択肢ははたしてあるんでしょうか?

2009-08-22 21:53:25 | Weblog
 8月も残り10日を切って、空気の感じもいよいよ夏も終わりか、と言う様相に変わってきた気がします。思えば暑い、という様子がほとんどないままの夏でしたが、このまま暑さが戻ることも無く、季節は一直線に秋に移行してしまうんでしょうか? 昨年の今日は異様に気温が下がって寒いくらいでしたが、そのあとまた暑さが戻って夏ばてを助長してくれたりもしたようです。それと比べて今年はどうか。作物の育ちを考えると遅まきながらでも暑くなってくれた方がよいかもしれないのですが、もしこのまま秋になったら、非常に長い秋になるのか、あるいは冬も早くやってくるのか、年末にかけて、この数ヶ月の天気には目が離せないですね。

 さて、そんなこんなで今年は米も野菜も果物も大方不作、場所によっては大凶作、といってよいレベルまで収穫が落ち込みそうな様子ですが、そんなわが国の農業の行く末を明るくしてくれなければならないはずの農業政策は、各党ともまともに考えているとは到底思えないものが並んでいます。
 農業問題には、後継者がおらず、高齢化が急速に進んでいる、という担い手の問題と、やる気があっても農地法の制限で企業では農業に参入できず、といってやる気のある専業農家にも農地が集まらず、非効率な小規模兼業農家が農地の大半を占めているという構造の問題とがあり、それに減反やら中山間地対策やらのオプションがまとわり付いて、やたらとコスト高で身動き取れないようになってきているのがあると私は解釈しています。それを解決するには、減反政策や農地法に代表される農業現場に対する政府の介入をやめ、非効率な中山間地や小規模の2種兼業農家はばっさりと切り捨て、効率よく農業を展開できる土地で、意欲と資本力と生産能力とを豊富に持つ実力ある専業農家や企業に農地を集積して仕事してもらう、に尽きると思います。それだけ政策を変化させれば当然色々な軋轢が生じるでしょうからそれは政策的に緩和方法を別途考えればよく、多分それも後10年くらいで大方の現役農家は鬼籍に入るか体力が続かなくなってリタイヤするでしょうから、それまでの間のことだけ考えて、政策を実施するように仕向けて行けばよいのです。
 しかし、そんな話よりもまずは、この国の食料自給率をどう考えるのか、国民が食べるものは国産で大方まかなおうと言うことにするのか、もう世界中と自由貿易協定を結んで地球規模でまかなえばいいじゃないか、ということにするのか、と言うような話について決めておかないと、今の危機的状況というのが本当に危機的なのかどうか、判断も付かないのではないのでしょうか? 民主党の方は当初FTA締結! と大きくぶち上げていたので、その是非はともかくある程度はちゃんと考えているのかな? と思っておりましたら、選挙間近になってトーンダウンしてしまいましたし、自民党は言わずもがなで今ひとつ何も考えていなさそうだし、将来のわが国の食糧事情はこういう政策で安定的に確保します!という大上段の話をしないまま小手先の対処療法に終始しているものですから、なんとも選びようが無いのです。一方でマスコミでは、農業の現場を知らずに政策を弄んでいる、というような批判の声を目にしますが、国家の大綱を定めるに当たっては、極端な言い方をすれば現場などとりあえず無視してもいいんじゃないでしょうか。それよりも、わが国の国民を飢えさせないためには、年間どれだけの食料を用意する必要があるのか、そしてその食料をどう調達するのかを、将来の国のあり方を想定しつつ語っていただきたいのです。その上で現場の声に耳を傾け、その問題点を洗い出し、必要なセ策を具体的に語るべきでしょう。政権選択選挙だ、と大きく構えるなら、農業のみならず、あらゆる話でまずは基本的な将来像を語っていただかないと、政権を選択するような話はできないのではないか、と思います。


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