かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

今更ですが、マリみて新刊「リトル ホラーズ」感想です。

2009-07-13 21:18:15 | マリア様がみてる
 今日はとにかく暑かった。それを実感したのは、うちに帰って風呂の用意をしようと蛇口をひねったらぬるいお湯がしばらく出てきたことで、なるほど、今日はかなり暑かったのだと改めて認識しました。とは言え、確かに昼間から暑さは尋常ではなく、部屋でじっとしているだけでもじとっと汗が滲み出してくる有様で、節電とかエコとかのお題目で空調を入れられない職場はさながら自然のサウナ。そんな中で仕事用のPCも動いているわけで、もし熱暴走でもしたら一体誰が責任を取ってくれるのだろう? と思いつつ、熱くなった筐体に戦々恐々としながら日々やり過ごしています。生産性は格段に落ちるし体力もそぎ落とされるし、本当にエコなんていうのが人間にとって良いことなのか、はなはだ疑問に感じることもあります。梅雨明けしたら空調も最低限入れられるはずなので、早く梅雨明け宣言してもらいたいです。
 
 さて、7月1日に「マリみて」新刊を入手して、感想は1週間後に、と書いておきながら今日は既に2週間近くを経過、実はすっかり忘れていた、というのを反省しつつ、今のうちに感想を一つしたためておきましょう。

「リトル ホラーズ」の副題の通り、中身はミステリーというかホラーというか、なんとなく不思議な短いお話を寄せ集めて構成された短編集で、それぞれの話の幕間のつなぎで、主要メンバー達の繰り広げる、ちょっとばかりミステリーチックなサプライズ劇が進行する、という、マリみてでは比較的よく見知った短編集のあしらい方で話が進んで行きます。ただ、今回特筆すべき点は、幕間劇の主役がニューフェイスの有馬菜々ちゃんに設定されていること。表紙でもでかでかと三分の一ほどの面積を占有し、姉の黄薔薇さま島津由乃嬢と二人でこれでもかとばかりに黄薔薇を主張しております。でも、アクセントで背景に紅薔薇さまがちらりと顔を見せているあたりは、お話の行方を暗示しているようでなかなかにイミシンな表紙です。アドベンチャー好きで、かつて由乃を振り回していたこともあった菜々ちゃんですが、今回は一年生らしく不安におののくしおらしいところも見せ、なかなかに新鮮な感じがいたしました。
 短編の方は、まあどれもミステリーとかホラーとか言うにはライト過ぎて、幻想的、というほどでもなく、なんとなく不思議だけれど・・・というような正直今ひとつノリの悪い感じがしないでもなかったのですが、雰囲気では、中ほど後半にあった双子姉妹と新任教師の関係を描く「ワンペア」が、比較的ミステリーの味付けがそれなりにしっかり効いていたようで気に入りました。まあ表題も「リトル」ホラーズ、ですし、そもそもマリみての舞台でミステリーとかホラーはなじみにくい気もいたしますから、あまりそういうところをあげつらうのは野暮のきわみというべきもの、一つでも気に入った話があったらそれで十分といって差し支えないでしょう。それより何より、新黄薔薇姉妹のやり取り、特に傍若無人なわがままお姉さまと、やれやれ、といいつつそつなくフォローをこなす出来た妹、という構図は、これまで無かっただけに今後の展開が楽しみでもあります。
 ・・・と書いたものの、マリみてって「今後の展開」ってあるんでしょうか? 一応本編は前巻で了と書いてしめてありますし、今回は幕間劇はともかく、中身はこれまで既に公開されていた話を寄せ集めた短編集。新しい本が出るのはうれしいことですが、再開、と喜ぶには気が早い気がします。少なくともこの夏を越えたころにでも、全くの書き下ろし長編の一つも出ないことには、安心することは出来ないでしょう。でも、できればこの姉妹の行く末は読んでみたいですね。そもそも祐巳1年生から始まったのですから、せめて祐巳が卒業するまでは面倒見てやってください、と作者さまにお願いしたいです。

コメント
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