かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

スリルの楽しみ、は私には到底理解できかねますが、脱線の恐怖は容易に想像できそうです。

2007-05-05 23:59:30 | Weblog
 今日は「こどもの日」。今の子供はもう兄弟で背比べするのに柱に傷をつけたりするようなことはしないのかも知れませんが、菖蒲湯とかもあまりやらなくなったような気がしますし、兜など飾る家もどれだけあるんでしょうね。残っているのは鯉のぼりと柏餅とちまきくらいと言うのも少々さびしい気もしますが、この田舎では、たかが鯉のぼりと言うのもはばかる豪快なのが泳いでいたりするので、それはそれで結構感動します。何せ電柱並みの柱を立てて4,5階建てのマンションよりも高いところに最上段の鯉が泳いでいるのですから。実はもう4月になったかならないかくらいから既に泳いでいますのでちょくちょく目にするのですが、何度観てもその壮観さには奇妙な満足を覚えます。この光景も今年はもう見納めですが、できれば来年も再来年も、未来永劫受け継いで、ああして高く高く鯉のぼりを泳がせておいて欲しいものです。

 そんなこどもの日に大阪の遊園地でジェットコースターの脱線事故があって死人まで出たとか。いわゆる「絶叫マシン」という立って乗るタイプのコースターですが、脱線の原因は2両目の前方左側車輪の車軸折損で、点検は昨年2月の解体点検時に行なったのが最後だった、とか。私などは絶叫マシンどころか幼稚園児が乗るような「ゆるい」タイプでも絶対乗りたくないヒトなので、どうしてあんな物騒なものに並んでまでして皆が乗りたがるのか全く理解できないのですが、家人は皆あれが大好きで何べん乗っても飽きないのだそうな。でも、そのスリルもいわばお釈迦様の手のひらのごとく、十分な安全性を設計に計算してあるはずだからこそ遊びとして楽しめるわけで、今回のごとく、娯楽ではなく、一種の拷問になってしまったようなまさに命がけのスリルは、誰も欲してはいないのでしょう。例によって警察が出張ってきて、関係者が「業務上過失致死」等で送検されることになるのでしょうけど、どんな分野のどんな事故であれ、まず警察、と言うこの国のシステムには、やはり違和感と言うか、そもそも本気で事故をなくそうと思っているのかという強い疑念が沸いてこざるを得ません。マスコミ報道にしても、既に遊園地側の管理の不手際を強く指弾するような調子の報道がなされておりますし、もちろん遊園地を弁護する積もりは毛頭ないのではありますが、ただ単に運行責任者や管理担当者を処罰すればことたれり、とするかのごとき厳罰主義ありきの体質は、どんなにひどい事故が起こっても一向に改まる気配が無いようです。報道では去年2月から点検していない、とあたかもそれが手抜きであるかのような印象を与える情報提供がされていたりしますけど、そもそもこの種の機械の安全対策上必要とされる点検の頻度や程度という情報が全く無いなかで、ただ去年2月から点検せず、といわれても、それが想定内のことなのか、想定外のことなのか、手抜きなのかどうか、全く判断のしようがありません。安全対策に必要なのは責任論ではなく、純粋に技術的な盲点の検索やもし手抜きがあったにしても、その手抜きを誘発し、黙認したさまざまなシステム上の問題点の洗い出しこそが必要でしょう。そもそもこのジェットコースターにしても、15年にわたってさしたる問題も無く運営されてきたことを思えば、今になって事故が発生した原因が何かあるはずなのです。それをただ単に現場担当者の不注意、で済ませていては一向に安全対策が前に進みません。
 まあ、どんなに安全性が高まったにしても、私は絶対にジェットコースターに乗ったりはしませんけどね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする