シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

カールじいさんの空飛ぶ家

2014-07-24 | シネマ か行

これもケーブルテレビで放映していました。またまた吹き替え鑑賞です。

「怪盗グルーの月泥棒」のところでピクサーのスピード感に触れたのですが、この作品はちょっと違った形のスピード感で冒頭10分、いきなり泣かされますよー。子供の時に出会った冒険好きのカール飯塚昭三とエリーが恋人同士になり、結婚し、子供ができずにあきらめ、2人仲良く老い、日々の生活に追われ子供の頃誓ったパラダイスフォールにエリーを連れて行っていないことを思い出したカールが旅行の手配をした矢先エリーが倒れ亡くなってしまう。最初の10分で主人公の人生の大半を見せてしまうのだから、お話はほのぼのしているけど、スピード感と言えばスピード感ですね。掴みはOK!ってところはばっちりです。

さて、その後が本編。エリーを亡くしたカールは孤独に暮らしていた。カールは町の開発計画で立ち退きを迫られていたが、エリーと暮らした家を守るため一人立ち退きを拒否していた。しかしある日立ち退きを迫る業者に誤ってケガをさせてしまったカールは立ち退きせざるをえなくなった。

立ち退きの前夜、エリーの残した冒険アルバムを見ながら、カールは一大決心をする。なんと家に無数の風船をくくりつけてパラダイスフォールへと引っ越そうと考えたのだ。そうして空へと旅立ったあと、近所のボーイスカウトの小学生ラッセル立川大樹が乗り込んでいたことに気付く。そのため不本意ながらラッセルを連れての珍道中となった。

2人はなんとかパラダイスフォールにたどり着くが着地した地点はパラダイスフォールから少し離れたところだったため、風船で浮いている家を引っ張って地上を移動することにした。そこでラッセルは巨大な鳥(ドードー?)ケヴィンと出会い、飼いたいと言い始め、カールは反対するがケヴィンはついて来てしまう。そして、ケヴィンを探しているダグ松本保典という犬にも出会う。

このダグっていう犬なんですが、なんと首輪に翻訳機をつけていて人間と喋れます。へ?なんじゃそりゃ?っていう設定。しかも、ダグの仲間たちもみんなその翻訳機をつけていて、犬が全員喋れます。この設定にはまいった。さすがのディズニーでもそれはちょっと禁じ手じゃないの?と思いましたが、登場人物が非常に少ない作品なので犬にも喋ってもらわないと物語が成立しないってとこでしょうか。

実はその犬の翻訳機を作ったのがマンツ大木民夫という昔エリーとカールが憧れていた冒険家で、巨大な鳥ケヴィンを捕まえるために犬を使っていたようです。てか、マンツさんそんな鳥に固執しなくても犬語翻訳機があれば十分一躍スターになれるよって思ってしまいました。

禁じ手とは思ったものの、このアメリカ人が表現する犬という動物はいつも面白いんですよねー。ワタクシも犬を飼っているから余計分かるのですが、本当に犬の性質をすごく理解して表現しているなぁというところがいつ見てもとても興味深いです。カールの使っている杖の支えの部分がテニスボールになっているのも犬の特性を生かした笑いのためだったんでしょうね。この犬たちのドタバタは結構笑えました。

ケヴィンを奪おうとするマンツを戦うハメになるカールなんですが、この中でカールはラッセルへの愛情、エリーが残してくれた冒険アルバムの本当の意味を知るのです。エリーの冒険アルバムは、エリーにしてやれなかった過去を悔やむための物ではなくエリーが去ったあともカールが新たな冒険の旅を続けられるようにエリーが用意してくれたものなのでした。エリーの深い愛にカールが気付くところでまたうるっと来ますね。

あれほどエリーとの家に固執していたカールがラッセルを助けるために家を捨てざるを得なくなり最後には「たかが家だ」と言えるほどになり、ラッセルとともに新たな冒険に旅立つ。エンドロールで流れる2人の冒険にまた笑いと涙がこぼれる素敵なお話でした。



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