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オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
since 2007.4.16
写真など一切の転用、転載を禁止します

日本人には合わないかも

2011-11-13 04:25:21 | 映画

観ようと思っていた映画が予想外に人気があったようで23時台であっても満席状態だったために、今ひとつ気乗りがしなかったのですが「マネーボール」を観てきました。
こういった自伝的な映画はハズレが多いので正直なところパスをするつもりだったので、ほとんど勢いでしかありません。
そして世間的な評価はかなり高いようですが個人的にはイマイチ、イマニ、イマサンといった感じで、何が悲しくてこんな時間に映画館にいるのだろうかと涙が出てきました。

マネーボール

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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今や球界の一つの常識ともなりつつあるマネーボールですが、こと日本では受け入れられるのは難しいかもしれません。
映画でも描かれていましたが、完全に選手を商品として扱うところなどは日本人には合わないと思われます。
成績が落ちても生え抜き選手には思い入れが強くあるのが日本の特徴ですし、それなりに結果を残した石川前球団運営本部長への風当たりを見ればそれは明らかです。
また戦略としてはロッテのような貧乏球団は積極的に取り入れるべきではないかとは思うものの、トップがあれでは編成部も落ち着いて仕事はできないでしょう。
統計学に基づいて編成をしても、オーナーが感情論に走り、監督が数字を無視した采配をするようではお話になりません。

話を映画に戻しますが、この描き方ではビリー・ビーンよりもピーター・ブランド、その逸話からすればおそらくはポール・デポデスタがモデルではないかと思われますが、こちらの方が主役ではないかと思えるぐらいの感じがあります。
もちろん優秀な部下の提案を採用することこそが上司の能力の一つではあるのですが、自伝の映画化にしては意外な感じが否めません。
その一方でスカウトや監督を旧時代の遺物のような描写をしたり、意味不明な娘との交流を持ちだしてみたりと、何を語りたかったのかがよく分かりませんでした。
著書を読んでいるという前提があっての映画化ではないかと思うぐらいにそもそもの主題であるマネーボールの説明もおろそかであり、かなりのガッカリ感があります。
それでいて20連勝のシーンの異様な盛り上げ方には違和感がありまくりで、久しぶりに観たことを後悔した作品でした。


2011年11月12日 鑑賞  ★★☆☆☆(2点)

 

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ばかばかしさに金縛り

2011-11-10 02:23:57 | 映画

一昨年の暮れに映画館通いを復活させてから2年で50本弱を観ていますが、とにかく邦画は時間が長いです。
これまで洋画が28本の3073分で1本平均で110分なのに対して、邦画は18本で2297分ですから1本平均で128分にもなります。
この18分の差はかなり大きく、短ければいいものではありませんし長いのが悪いというわけでもないのですが、なぜにこういった傾向なのかが気にはなります。
もしかするとテレビドラマなども含めて、そのあたりに日米欧の文化の差があるのかもしれません。

ステキな金縛り

東宝

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そんなこんなで今日の「ステキな金縛り」も142分もあったのですが、あまり時間が気にならずに楽しむことができました。
三谷幸喜は初体験だったのですが、無難に楽しめる作品に仕上がっています。
邦画にありがちなテレビ局が絡んでいることからちょい役の豪華キャストには驚くばかりで、写真だけの大泉洋を筆頭に佐藤浩市、唐沢寿明、草剛、生瀬勝久、浅野忠信、市村正親、小日向文世、山本耕史、竹内結子、戸田恵子、深田恭子、篠原涼子などのオーバーな演技も計算尽くなのでしょう。
途中からは宝物探しのように意外な俳優が登場をしているのに目をこらす、なんてことになったのは制作者サイドからすれば誤算だったかもしれません。

特に謎解きがあるわけではありませんし、奥深さがあるわけでもありません。
それなりに予想ができる筋書きではあったものの、それでも長丁場に飽きることがなかったのは安心感が理由ではないかと思います。
水戸黄門のように約束をされた結末、とはちょっと違うかもしれませんが、観ていてどこか心地よさが感じられる作品です。
それもこれも深津絵里、西田敏行、阿部寛、中井貴一といった役者の持ち味を上手く引き出した演出があってこそでしょうし、特に中井貴一は絶品でした。
生真面目な外見とは異なって剽軽さがステキな中井貴一でなければ、あの役柄はこなせなかったでしょう。
全体的にはばかばかしさ満開ではありますが、そのばかばかしさに金縛りになることを薦めたくなるだけの魅力のある逸品です。


2011年11月9日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 

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映画痛なのでダマされない

2011-11-04 01:30:25 | 映画

既に分かりきったことではあるのですが、世間の感覚と自分とではかなりの価値観の差異があるようです。
楽しみの沸点が人より低いこともありますが、その嗜好や志向、そして琴線がずいぶんとかけ離れている自覚があります。
世間で絶賛をされた作品が自分にとっては今ひとつだったり、あるいは逆にB級映画とこき下ろされている作品が面白かったりと、この微妙さが映画館通いの楽しみの一つです。

ミッション:8ミニッツ

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

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そして今日の「ミッション:8ミニッツ」は挑戦的な謳い文句と世間的な高評価で身構えて鑑賞に臨んだのですが、やはり自分は映画通ではなかったようです。
やや意外な終わり方ではあったものの驚きというほどのものではありませんでしたし、ハッピーエンドだったらそうなるだろうなと思ったとおりのものでした。
もしこの映画のポイントがこのラストシーンであるのでしたら、かなり肩すかしな感じがあります。
あまりに簡単に見つかってしまう爆弾、そして描かれなかっただけでかなりの繰り返しがあったのでしょうが犯人もあっさりと見つかってしまいましたし、この描写不足と言いますか軽さが全体的な流れの悪さに繋がったように思えてなりません。
もう少し列車内での主人公の思いを前面に押し出した方がよかったのでないかと、そんな気がします。

そもそもこのプロジェクトの原理がかなりご都合主義ですし、なぜに主人公がカプセル内にいるのかも分かりません。
行間を読むにも限界があります。
父親との葛藤、そして和解も唐突に過ぎますし、最初から父親のことを口にする主人公に違和感すらありました。
いろいろなテーマを盛り込みすぎで消化不良になってしまった感があり、もう少し犯人捜しに焦点を持っていった方がよかったように思えます。
ミシェル・モナハンがタイプだったので辛うじて及第点、そんな8分間でした。


2011年11月3日 鑑賞  ★★★☆☆(3点)

 

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空飛ぶ三銃士

2011-10-31 01:44:29 | 映画

2009年の「アバター」で一気に映画界も3Dがブームになるのかと思われましたが、意外に伸び悩んでいるようにも見えます。
また3Dテレビも短すぎたブームが去って家電業界は苦しんでいるようですし、任天堂も3DSが期待外れで値下げをするとともに業績を下方修正しています。
とりあえず3Dは珍しいですし興味もあったので昨年に2本ほどは観ましたが、どうでもいいところで3Dが目的な演出がされているシーンがほとんどでした。
今は多少は傾向が変わっているのかもしれませんが、TOHOシネマズでは初回が400円、2回目以降は300円がオプション料金として必要だったりもしますのでパスが続いています。

三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

アミューズソフトエンタテインメント

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そんなこんなで今日の「三銃士」も3Dの上映があったのですが、迷わず2Dを選んでの鑑賞です。
どう考えても3Dを意識したシーン、移動の際の土地の名前が浮き上がるようなところなどは2Dからすれば鬱陶しくて仕方がなかったのですが、逆に言えばそれぐらいしか3Dを活かすところが無かったのであれば制作者サイドも技術を持て余しているのかもしれません。
TOHOシネマズは今年に入ってから方式を3Dメガネが重く映像も暗いXpanDからこの弱点を補ったmasterimageに変更をしていますが、その一方で奥行き感が減っているとの話もありますので痛し痒しでもあり、しかし3Dとは縁遠い自分には関係のない話です。

そんな3D制作に足を引っぱられた感のあるシーンはあったものの、痛快娯楽作品としてはなかなかの出来映えでした。
原作はかなり前に読んだこともあって登場人物のキャラクターぐらいしか記憶になかったのですが、ダルタニアンと三銃士の出会いなどはすぐに思い出しましたのでそれなりに原作に忠実だったのでしょうし、しかし一方で飛行船が登場をしますので映画ならではのアレンジも加わっています。
こういった分かりやすい勧善懲悪であれば三銃士がどうやって飛行船を奪い取ったのかなどのご都合主義も気になりませんし、むしろ気にしてはいけないのでしょう。
勧善懲悪とは言いながらも極悪非道ぶりではなく、どこか憎めないところがありますので家族連れで楽しむにはピッタリの映画だと思います。

やや物足りなかったのは主人公であるはずのダルタニアンと三銃士よりも、リシュリュー枢機卿やバッキンガム卿、そして妖女ミレディの方が存在感があったことです。
演じるのがオーランド・ブルームやミラ・ジョヴォヴィッチですから仕方がないものの、その番宣からしてあまりに差がありすぎます。
それでも若々しいダルタニアンに統率力のあるアトス、豪快なポルトスに知的なアラミスと特徴は出ており、特に個人的には渋いアラミスが最高でした。
そして各々の登場人物のおさらいをするためにwikipediaで確認をしたことで、リシュリュー枢機卿が似すぎだろと思ったことが最大の収穫です。


2011年10月30日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 

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なぜ裸なのか

2011-10-30 04:31:51 | 映画

TOHOシネマズが今春から試験的に宇都宮など7館で行っていた1800円から1500円の値下げは、この値下げに合わせてシニア割引やレイトショー割引などのサービスをやめたために逆に全体的な集客がマイナスに転じたことで中止をするとの発表がありました。
ほとんどがレイトショーで映画を観ている自分としては気がかりな試験上映だっただけに、この結果にはホッとしています。
そんなこともあっての御礼というわけでもありませんが、日が変わるぐらいから始まるレイトショー中のレイトショーで「カウボーイ&エイリアン」を観てきました。

カウボーイ&エイリアン

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

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西部劇の要素にエイリアンという、まさにB級映画の香りが漂う作品です。
しかしながらダニエル・クレイグとハリソン・フォードというハリウッドの名優が出演をしていますので、大作と言えば大作なのでしょう。
それなりの特撮がされていますし、思ったよりはシナリオにもチープさは感じられませんでした。
グロテスクなエイリアンの唐突な登場には何度も驚かされましたし、世間的な評価の3.5に相応しい自分に合っていた映画だとも言えます。

それでも主人公がなぜに記憶喪失となったのかの描写がありませんでしたし、その記憶の取り戻し方にあまりに無理がありすぎました。
ヒロインがどうやって、そして何のためにやってきたのかも分からないままで、またその自己犠牲ぶりにも違和感が強かったです。
そして何よりエイリアンがどういった理由で裸なのか、これはこの映画に限った話ではないのですが、スターウォーズなどの宇宙空間を舞台にした作品では知的生命体として衣服を身にまとっているものもありますが、地球に侵略者としてやってくるケースではその大半が裸です。
もしかしたら服を着ていることが後進的なのかとすら思えるような、ステレオタイプ的な描き方がちょっと残念ではありました。

そんな中で男と男の友情、親子の愛情などのいろいろなテーマが散りばめられており、英語が分かれば細かなジョークまじりの会話も楽しめるでしょう。
PGやR指定ではありませんので、さすがに小学生以下ですと厳しいかもしれませんが、さほどのショッキングなシーンはありませんので観る者を選ばないと思います。
アクションあり、謎解きあり、失笑ありと、あっという間の2時間弱は深夜に観に行っただけの価値のある映画でした。


2011年10月29日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 

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猿の軍団

2011-10-14 23:37:38 | 映画

同じ過ちの繰り返しで最下位に沈んだロッテには頭を悩ませていますが、しかしそのことを念頭に置いてこの映画を選んだわけではありません。
今日はTOHOシネマズデーで1000円で映画が観られるため、ここのところ体調が今ひとつで引きこもり状態になりつつあったことで久しぶりに映画館に足を運んだものの、興味があった作品までには2時間近くを待たなければならなかったので、次善の策としてのチョイスをしたのが猿の惑星です。
自分の世代的には猿の惑星よりも猿の軍団のイメージが強く残っていると言ってしまうと年齢がばれてしまいますが、とにもかくにも賢い猿のオンパレードでした。

猿の惑星 創世記(ジェネシス)

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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副題に「創世記」とあるように、地球が猿に支配をされるに至ったきっかけが描かれています。
キーワードは遺伝、ウイルス感染であり、これまでの核戦争などといった安易な状況設定ではないことにリアルさが感じられます。
そうは言っても猿のリーダーとなるシーザーはそれなりの教育を受けてのことですからともかくとしても、その他の大勢の猿がいとも簡単に人間に近い知識レベルまで成長をしてしまうという無理、と言いますかご都合主義が垣間見えたことは否めません。
それでも群れで生活をしている猿の組織だった行動体系を上手く利用しているところはさすがで、またチンパンジーやゴリラ、そしてオランウータンの特徴をさりげなく表現をしているところなどは猿の惑星よりも猿の軍団に近い、動物の生態学をしっかりと活かした演出となっています。
そしてそれよりも何よりも、個人的には日本の戦国時代の逸話を彷彿とさせるようなシーンがあったことにちょっと微笑ませてもらいました。
単なる偶然、あるいは世界的にもよく例えられる話なのかもしれませんが、どういったものかはお楽しみとして伏せておきます。


2011年10月14日 鑑賞  ★★★☆☆(3点)

 

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そんなに弾はないだろう

2011-09-28 02:12:55 | 映画

ここのところは月初に勢いよく映画館に行くものの、それが続かずに月3本の目標を達せないことが多くなっています。
今月も月末近くになってようやく2本目で、ただ観たい映画がさほど無かったのも理由ですから無理矢理に行っても仕方がありません。
そういう意味では暫くはこんな状態が続きそうで、果たして6000マイルが貯まるのかどうかが不安になってきました。

探偵はBARにいる

アミューズソフトエンタテインメント

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そんな中で今日に観たのは「探偵はBARにいる」で、バリバリの邦画です。
こういった映画はそもそも映画である必要があるのかをいつも思うのですが、かと言ってTVドラマにされると自分は縁遠くなりますのであまり考えないのが得策なのでしょう。
やや大泉洋にイロモノ的な印象を持っていただけに心配はあったものの、しかし持ち味が上手く引き出されていたことですんなりとスクリーンに入り込むことができました。

ストーリーとしてはありがちなもので目新しさはありませんでしたし、中盤以降からオチが見えてしまったので意外感も無かったのですが、何となくしっくりときたのは出演者の演技に落ち着きがあったと言いますか、かなりの顔ぶれが脇を固めていたことが理由だと思います。
この手の邦画にありがちなオールスターキャストまではいきませんでしたが、西田敏行や竹下景子、さらには吉高由里子の使い方などはあまりに贅沢すぎます。
ただ高嶋政伸だけはミスキャストで、ああいったキャラを演出したければ宇梶剛士の方がよかったでしょう。
また松田龍平にはハゲタカの目尻がつり上がっている感覚が自分には残っていたのですが、全く別人と言っていいぐらいの雰囲気が感じられました。
小道具のメガネがよかったのかもしれませんが、最近は弟の露出が多いだけに忸怩たるものがあったでしょうから、これがいいきっかけになればと思います。

警察に出頭をした塾生はどうなったのか、機関銃でもあるまいし弾がありすぎだろう、などの突っ込みは野暮なのでしょう。
どうにもタイプではない小雪の是非は置いておくとして、両刀遣いの新聞記者やゲイバーの面々、喫茶店の女店員などの存在が意外にアクセントとなっていたのは、やはり主演を張っている大泉洋の人となりを考えてのことだと思います。
堅苦しくもない、しかし抜けすぎてもいないバランス感覚が絶妙で、どうやら続編の制作も決まったようですし、次を楽しみに待ちたいです。


2011年9月27日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 

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渡辺謙の涙

2011-09-07 00:57:06 | 映画

渡辺謙は好きな俳優ですので、出演作は脊髄反応で観てしまいます。
最近はすっかりとハリウッドに足場を築いた渡辺謙は準主役ぐらいは普通に手にするだけのポジションにいるようで、「インセプション」でもレオナルド・ディカプリオを食うぐらいの存在感を見せてくれましたし、この「シャンハイ」でも渋い演技でアピールをしてくれています。
時代劇俳優としての渡辺謙に慣れ親しんでいた自分としてはいつかはその時代劇に戻ってきて欲しいのですが、それでも日本人が世界で活躍をする姿を見るのは嬉しいです。

シャンハイ

Happinet(SB)(D)

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ただこの「シャンハイ」が映画としての質が高かったかと問われれば、素直には頷けません。
第二次世界大戦での上海が舞台なだけに残忍な日本兵といった描写が多いのは仕方がなかったのでしょうが、それでも気に入らなかったことは確かですし、それよりも何よりもどうにも語りたいはずのテーマが見えなかったのが最大の理由です。
追い詰められた中での愛を描きたかったのかもしれませんが、それにしては登場人物の心理描写が甘すぎました。
なぜにコン・リーの演ずるアンナがあれだけ男どもを惹きつけるのかも分かりませんでしたし、渡辺謙の田中大佐のセカンドラブも意味不明です。
その流した涙に至るまでのストーリーが完全に欠落をしているために感情移入ができなかったことも痛すぎで、何より佳境とも言える場面で渡辺謙の発した日本語の英訳のいい加減さに呆れてしまったと言いますか、あれで全てが台無しになってしまったと言ってもいいぐらいです。
またキーマンでもあったスミコ、しかしただのアヘン中毒者でしかない役柄に菊地凛子である必要があったのかとも思ったのですが、なかなか仕事は選べないのかもしれません。

この映画の米国、そして中国での評価が気になります。
あまりにステレオタイプ的な日本兵の描写が「フジヤマ」「ハラキリ」の流れに乗ってしまいそうですし、中国などでは反日の格好の材料になりそうです。
チョウ・ユンファもそうですが、これだけの顔ぶれを揃えながらもこんな映画しか作れなかったのかと思うと残念ですし、先の不可解な翻訳とともに思い出のような形で締めくくったラストシーンが消化不良すぎて、とにかく行間を読め的なストーリーにはついて行けなかった自分がいます。


2011年9月6日 鑑賞  ★★★☆☆(3点)

 

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余計な演出でガッカリ

2011-08-23 01:27:06 | 映画

これまでであれば絶対に観なかったであろう今日の「うさぎドロップ」でしたが、ひょんな事から深夜アニメにはまったことで興味半分で映画館に足を運びました。
そして世間の評価が意外に高いことに懸念、と言いますか自分には合わないのではないかとの心配が的中をしたというわけでもないのですが、しかし観なければよかったとの後悔をしていることもまた事実で、やはり漫画やアニメの実写化は人それぞれの思い入れがありますので当たり外れが大きいです。
それでも先入観を持たずに観ればそこそこ楽しめるとは思いますので、以降はあくまで私の立場での愚痴になります。

うさぎドロップ

ポニーキャニオン

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あまりに二枚目で大吉に合わないのではないかと思っていた松山ケンイチが意外にはまっていたことや、りんを演じた話題の芦田愛菜が子役というよりは女優と言ってもいいぐらいの表情での演技ができていたことに驚きもしたのですが、それ以外の役者さんの立ち位置がどうにも自分には受け入れがたいものがありました。
モデルだから香里奈なのか、香里奈だからモデルなのかは分かりませんがアニメとは似ても似つかぬゆかりのキャラクター設定にはガッカリとしましたし、そのゆかりと大吉との意味の分からないダンスシーンが私をつまらなくした最大の理由で、しかもあそこで大吉に胸毛を生やさせた意味が全く分かりません。
従姉妹の春子の役回りを妹のカズミに担わせたのはよいとしても桐谷美玲ありきという感じがしないでもなかったですし、子育ての大変さは大吉の母親のエピソードだけでも充分で、おそらくはオリジナルキャラとして登場をした高畑淳子には興ざめですらありました。
その他でも何のために出てきたのかが全く理解ができなかったカズミの恋人役の綾野剛や、枯れ木も山の賑わいとばかりに秋野太作、根岸季衣、斎藤洋介などがちょい役で出てきたのは全くと言っていいほどの無用の長物で、おそらくはいろいろと大人の事情があったのでしょう。
そしてキーマンの一人である正子が流した最後の涙は、星一徹ばりにちゃぶ台をひっくり返すぐらいの衝撃がありました。

もちろんアニメのエピソードに忠実なところもありましたが、それであれば保育園の初日のお迎えでの大吉の「針千本、飲~んだ」はりんとの心の繋がりの第一歩ですので省略をすべきではありませんでしたし、りんを養子にする提案を断られたときの「大吉は大吉だよ」とのりんの言葉に涙する大吉を外しては「うさぎドロップ」は成立をしません。
もしかしたらアニメよりも映画の方が原作に近いのかもしれませんし、原作のままに作ることが正しいとはもちろん言いませんが、しかしアニメしか見ていない自分からすればやはりこれは「似て非なるもの」であり、どういう意図の演出かが分からないところがてんこ盛りで、くどいぐらいのダンスシーンに思わず席を立ちたくなったのが正直なところです。
同時進行中のアニメは木曜日ですので、それで口直しをするまでの数日を耐えるしかありません。


2011年8月22日 鑑賞  ★★☆☆☆(2点)

 

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恐怖よりも物悲しさ

2011-08-16 00:19:33 | 映画

前回に続いて今日もホラー、ただ暑い夏だからという理由で選んでいるわけではありません。
世間では夏休みが真っ盛りで映画館は家族連れをターゲットにお子様向けの「仮面ライダー」「ポケモン」「カーズ2」「忍たま忍太郎」などがスクリーンを占めており、これといった作品がなかったのでやや消極的なチョイスというのが正直なところです。
もう暫くすれば興味のある作品が立て続けに封切られますのでそれまでの我慢、と言ってしまうと失礼にあたりますが、それでも自分にはピッタリの5点満点で3.5点程度の評価がされている「モールス」ですから、それなりの期待感を持って映画館に足を運びました。

モールス

Happinet

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これをホラーと呼んでよいのか、そんな微妙な映画ではありました。
もちろんR15+に指定をされているだけの猟奇殺人なシーンはあったものの、全体的にはチープな作りであったことからビクッとするような恐怖感はさほどありません。
それよりもむしろ全体的に重苦しい雰囲気の中で、物悲しいと言いますか切ないと言いますか、どこかラブストーリーのような感じすらあります。
会社の先輩に言わせれば相当に鈍いらしい私であってもかなり早い段階で結末が見えてしまった筋立ては確信犯なのかもしれず、そのことで胸を締め付けられるようなラストシーンに導かれていったような気がしないでもなく、そう考えればやはりラブホラーという評価が正しいのでしょう。
抜けることのできないエターナルループはブラックホールのように周りを不幸に吸い寄せていく、果たしてその中心にいる本人たちがそれを不幸と感じているかどうかは分かりませんが、リチャード・ジェンキンスの疲れた表情に隠された心の内がこの映画の全てを物語っているように思えました。
ちなみに邦題の「モールス」は作品の中で一つのアクセントになっていますしラストシーンの重要なファクターではあるのですが、それでも個人的には原題の「Let Me In」の方が監督の描きたかったことを見事に表しているように感じられて残念だったりもしています。
また舞台はニューメキシコ州、れっきとしたアメリカなのですが、どこかフランスの雰囲気が漂っていたのはクロエ・グレース・モレッツの顔立ちが理由なのかもしれません。
いずれにせよ悲鳴をあげてストレスを発散する、という目的には不適な映画であることは確実だということを最後に書いておきます。


2011年8月15日 鑑賞  ★★★☆☆(3点)

 


必殺仕事人

2011-08-04 02:30:58 | 映画

東京では30度に達しない日があるなど猛暑とはかけ離れた夏が続いていますが、どうやら週末あたりから夏らしい暑さが戻ってくるようです。
それが理由でもないのですが、予定どおりに今日はホラー映画を観てきました。
夏にホラーは日本だけのものなのか万国共通なのかは分かりませんが、ちょっとした風物詩のような趣がありますのでグッドなチョイスだったと自画自賛です。

デビル

ジェネオン・ユニバーサル

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選んだのは、と言うよりはホラーは今はこれしか上映をしていなかったのですが、M・ナイト・シャラマンの「デビル」です。
「シックス・センス」で脚光を浴びた監督で、以降は「アンブレイカブル」「サイン」「ヴィレッジ」と不思議感のあるホラー、サスペンスを得意としています。
この作品もエレベーターの一室で繰り広げられる人間の心理模様を題材としており、しかしホラー感はたっぷりで、これはホラーに慣れていないからかもしれませんが、思わず尻を浮かせたり鳥肌を立てたりしている自分がちょっと誇らしく、観に行った甲斐がありました。
これがただのホラーでないのはデビル、つまりは悪魔が人間の悪業を裁いていくという筋立てになっているところで、言ってみれば必殺仕事人のような存在となっています。
悪魔と言えば人間の心を惑わせて悪に導くような存在だと思っていたのですが、西洋ではまた違った受け止め方をされているのか、はたまたシャラマンの感性によるものなのかは分かりませんが、まさかこんなところで中村主水に出会うとはビックリです。
また終わってみればハッピーエンド、と言ってしまうと語弊がありますが、詰まるところは信仰に結びつけているところなどは日本人には理解がしづらいかもしれません。
それでも単純に肝を冷やすのに充分な演出はされていますし、寝苦しい夜への対策として鑑賞をされるのもよいでしょう。
ただし逆にそれで怖くなって眠れなくなっても、それが自己責任であることは言うまでもありません。


2011年8月3日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 


頭数が足りない

2011-08-02 02:25:34 | 映画

そのタイトルからして少年少女8人の冒険活劇だと思っていたのですが、どうにも頭数が足りません。
まさか主人公とヒロインの父親を加えてスーパーエイトと言うつもりではないだろうといろいろ考えたのですが、帰ってきてから調べたら8㎜ビデオのことだったようです。
ストーリー的にはさほど重要なアイテムだったとは思えない8㎜ビデオでしたが、そこに私が見落とした何かのメッセージが込められていたのかもしれません。

SUPER 8

パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

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そんな今日の映画は「SUPER 8」で、少年少女と異星人、そしてスピルバーグですからファンタジーな展開を予想していたのですが見事に裏切られました。
こりゃスプラッタかと思うような流れをどう始末をつけるのかと不安になるぐらいの感じがあり、そして迫力のあるシーンが息をつく間もなく襲いかかってきます。
冒頭の列車事故のシーンがあまりに激しく衝撃的だったために、そこを最高の盛り上がりにしてはならぬとばかりに最後までハイテンションにしてしまったのが良かったのか悪かったのか、2時間近くを体をこわばらせながら観たので心地よくはない疲労感があります。
また異星人との遭遇だけではなく淡い恋愛、親子の葛藤に自立とテーマがてんこ盛り気味だったのがやや重く、また散漫になってしまった感じがありました。
だからと言って面白くなかったわけではなく、むしろ世間のイマイチな評判が不思議なくらいに楽しめた自分がいます。
結局のところは自分にとっての面白い、楽しめるという沸点が低いのかなと思う今日この頃ですが、これはむしろ喜ぶべきことでしょう。
そして今週にもう一本、やはり似たような評判のホラーを観に行くつもりです。
それだけの時間がありますようにと、またこんな時刻に何をやっているんだと自問自答をする午前2時過ぎです。


2011年8月1日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 


覚醒せよ

2011-07-28 02:54:01 | 映画

定時退社とはいかないまでもレイトショーに行けるぐらいの時間に仕事を切り上げることができましたので、久しぶりに映画館に行ってきました。
正直なところ連日の午前様で体調がボロボロで熱っぽいのですが、今週で上映が終わってしまう映画があるために鞭を入れている状態です。
楽しみが無くて何の人生かと、そう自分に言い聞かせるまでもなく、空いた時間は無条件に睡眠に充てるなんて生活は真っ平御免です。

アイ・アム・ナンバー4

ウォルト・ディズニー・ジャパン

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そして今日に観たのは「アイ・アム・ナンバー4」で、B級映画との評判もあるようですが自分にはこういったものが合っているようです。
謎解きというほどのものではありませんが最後まで気になっていたところの種明かしもしっかりとされていましたし、アクションあり恋ありで起承転結のメリハリもありました。
やや美男美女が揃いすぎているところも敵役との対比を考えれば意義があったように思いますし、ハイスクールのリーダーの改心ぶりを除けば特に違和感もないストーリー展開で、強いて挙げれば死ぬに際して砂のように消えていく異星人ながらも守護者だけが粘ったことぐらいでしょう。
こうなると選ばれし9人のうち3人が既に死んでいるとして残りは6人、まだ登場をしていない4人がどうにも気になります。
おそらくはヒットをすれば次回作を考えるのでしょうから、是非とも続編ができることを願っています。


2011年7月27日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 


王道

2011-07-18 05:42:57 | 映画

昼夜逆転生活への調整の一環として、ほぼ日が変わる直前に始まるレイトショーを観てきました。
さすがに映画館で日を跨いだのは初めての経験のはずで、ガラガラのスクリーンは観やすくてラッキーだったものの違和感もあり、あまり経験をするものではないように思います。
終わった頃には売店も閉まっていてパンフレットも買えませんでしたし、採算が取れるのかと心配にもなりました。

コクリコ坂から

スタジオジブリ

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観たのはジブリの「コクリコ坂から」で、前売り券を買ったのでこういった時間帯でないとダメだろうという理由でのチョイスです。
ジブリと聞けば脊髄で観に行ってしまう習性があるのをそろそろ何とかしなければと思っているのですが、こればっかりは意志とは裏腹になかなか思うようにはいきません。
「千と千尋の神隠し」あたりから個人的にはハズレの連発で、つい先日の「借りぐらしのアリエッティ」にも肩すかしを食らわされたのも記憶に新しく、そんなこともあって今回もあまり大きな期待を持たずに映画館に足を運んだのが正直なところです。
しかしそんな期待をいい意味で裏切る、久しぶりに観た後にすっきり感のあったジブリでした。

ジブリらしい美しい描画と音楽はいつもどおりで素晴らしく、しかし映画館の設定がまずかったのか音響が大きすぎて割れがちだったのが困りものでしたが、王道とも言えるラブストーリーが少女漫画チックなタッチで展開をされていきます。
そのストーリーは人間関係がややこしくて整理をするのにちょっと苦労をしますが、そんなに大きなひねりがないものの先が気になる流れでしたし、きっちりと話が終わるハッピーエンドだったというのもよかったのだと思われ、このあたりが前作との大きな違いです。
例によってメインキャストに俳優を揃えるやり口はどうにも気に入りませんが、香川照之を除いてはまずまずでもありました。
やや急テンポな感はあったものの長引かせるのはかえって逆効果になったと思われ、95分という上映時間は長すぎず短すぎず、ちょうどいい長さでもあります。
時代背景は自分が生まれる前のものながらもどこか懐かしく、そんなこともあってブルーレイも買っちゃおうかなと思えるような出来栄えでした。


2011年7月17日 鑑賞  ★★★★☆(4点)

 

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まだ見たい黒田康作

2011-07-08 02:27:39 | 映画

アンダルシア 女神の報復

ポニーキャニオン

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先日に見送った「アンダルシア」を観てきました。
やはりブルーレイで前作をこなしてから、は正解で、結果的にですが正しい選択だったようです。
これといった人間関係が引き継がれているわけではないのですが、それでも前作を観ているのと観ていないのとでは大違いですから、これからの方はレンタルをしてでも「アマルフィ」を楽しんでから映画館に足を運ばれることをお奨めします。

織田裕二、やはりいいです。
目力があるのが特徴ですが、この作品でもその魅力が遺憾なく発揮をされています。
ちょっとスーパーマン的な活躍にすぎるところがあるもののさほどの違和感はありませんし、年齢を重ねることで渋い役柄がピッタリになっています。
それでいて身のこなしにキレがありますし、今や日本映画界のトップ俳優と言ってもいいでしょう。
おそらくは大ヒット間違いなしだと思われ、それだけの価値がある存在感を織田裕二は見せてくれています。

伊藤英明もよかったです。
やや気弱な迷いの表情や怯え、そして決意の思いが充分に伝わってくる演技でした。
織田裕二が突出をすることなく自然に映画にとけ込めていたのは、この伊藤英明の存在があってこそでしょう。
ストーリーの鍵となる伊藤英明の設定にちょっと疑問が残ったものの、配役としてはグッドチョイスであったと思います。

前作に比べればやや先が読めてしまったストーリーではありましたが、それでもかなり楽しめました。
例によって海外ロケ、とは言いながらも車窓から見える合成映像が稚拙ではありましたが、その意義がどこぞにあるのかは不明ではあるものの、それでもその圧倒的な景色がスケールの大きさに寄与をしていることは間違いありません。
この黒田康作シリーズをこれで終わりにするにはあまりにも惜しく、是非とも次回作をと期待をします。
そしてまずはドラマのDVDを観なければと、そう心に誓った「アンダルシア」でした。


2011年7月7日 鑑賞  ★★★★☆(4点)