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電脳筆写『 心超臨界 』

強みは物理的な能力がもたらすものではない
それは不屈の信念がもたらすものである
( マハトマ・ガンディー )

トリニティカレッジの思想は「変人であることの自由」です――茂木健一郎

2022-09-08 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく次世代へつなぎたいと願っております。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き本来の日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する。
( 心が臨界質量を超えるとは → http://tinyurl.com/5kr6f
( 東京裁判史観とは → https://tinyurl.com/ugz9qah
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《 注目の論点 》
GHQの日本占領――渡部昇一
ドイツではなぜ共産党は違憲なのか――福冨健一
ポツダム宣言受諾――渡部昇一
マッカラム覚書――ロバート・B・スティネット
「平和に対する罪」――中西輝政
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トリニティカレッジには、ありとあらゆる分野の人が所属しています。食事の際には、ハイ・テーブルに集まった教授たちが、それぞれの専門など気にも留めずに、自由に議論する姿が見られました。各分野を代表するような研究者たちが、一緒に食事をしながら、大変高度な議論をしているのです。これは、残念ながら日本の大学ではまったく見られない光景です。


◆トリニティカレッジの思想は「変人であることの自由」です

「脳を活かす勉強法」
( 茂木健一郎、PHP研究所、p150 )

僕はかつて、イギリスのケンブリッジ大学にある「トリニティカレッジ」で学んでいました。ケンブリッジ大学はかつてニュートンが学んだところとしても知られています。この大学の中には31のカレッジがあって、僕の通っていたトリニティカレッジはそのひとつです。

トリニティカレッジには、ありとあらゆる分野の人が所属しています。食事の際には、ハイ・テーブルに集まった教授たちが、それぞれの専門など気にも留めずに、自由に議論する姿が見られました。

そもそも自分と同じ分野の学者などは、近くには座っていません。

自分は物理学が専門で、隣は数学の専門家。その隣にはイギリス文学がいるかと思えば、その向こうは政治学、こちらは歴史学、というように「人類の知」という多様で豊かな森の中で、さまざまな活動を行っている。

各分野を代表するような研究者たちが、一緒に食事をしながら、大変高度な議論をしているのです。これは、残念ながら日本の大学ではまったく見られない光景です。

美しいチャペルのようなダイニングホールで、まったく違う分野の教授たちが、生き生きと、とても自由な論議を繰り広げている光景を見て、「ああ、この環境があるから、ノーベル賞受賞者を81人(うち、卒業生の受賞者は59人。2005年10月現在)も輩出しているのだなあ」とはっきりと悟りました。

トリニティカレッジの雰囲気から伝わってくる思想は、「変人であることの自由」です。

そもそも、ケンブリッジでは格好がよくてはだめなのです。ぱりっとしたスーツを着て歩いている人は、「あいつはどうせ普通の人だろう」とバカにされる。

逆に、穴が開いたセーターを着ている人がぼろぼろの自転車に乗って、カレッジの中をキーコキーコと走っていたりすると、みんなが「ああ、あの人はきっと偉い学者に違いない」と敬仰(けいぎょう)のまなざしを送る。

そこに集まってくる人たちは普通の人が少ない――というより、変人しかいません。そういう場所なのです。

ではいったい、変人とはどういう人のことを指すのでしょう。実は、これも天才と同じことがいえます。変人は変人として生れてくるのではありません。

何かの行動に対してドーパミンが大量に放出され、それによって強化学習が成立する。このサイクルが暴走してしまい、人とは違う方向にどんどんとがってしまう。これが変人の変人たる理由なのです。

そしてトリニティカレッジの「変人であることの自由」という思想は、いうなれば「自分の好きなことをトコトコ追求することが許される自由」と言い換えることができます。自分の好きなことをトコトン追求することを許された時、人はどういうふうに発展していくのか。現代史はさわやかな実例に満ちています。

たとえば、iPodで有名なアップルコンピュータの創始者スティーブ・ジョブズも、マイクロソフトの創始者ビル・ゲイツも、いわゆる”変人”であることがよく知られています。

しかし日本にはお世辞にも”変人”を許容する文化があるとはいいがたい。逆に「ほかの人と一緒でなくてはいけない」という(無言の)圧力があります。こうした友人や仲間、社会的通念などの周囲からの圧力のことを「ピアプレッシャー」といいます。ピアプレッシャーには大きく二種類あります。

ひとつは相手の鋭利さを加速させるようなベクトルで、もうひとつが「平均値に引きずり下ろそう」という圧力です。前者はトリニティカレッジに象徴されるピアプレッシャーですが、日本はいつの間にか後者のピアプレッシャーの国になってしまいました。そのため、変人がより変人になるようなことは、なかなか許されない環境です。

一方、アメリカやイギリスは、「変人」であることが許容されている社会です。その風土があるからこそ、変人さ――つまり「強化学習」の回路を暴走させるという習慣を、うまく経営にも活かしていくことができるのでしょう。
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