電脳筆写『 心超臨界 』

敵を知り、己を知れば百戦殆うからず
( 孫子 )

◆スカルノの背信——独立した今でも旧宗主国オランダに文句も言えない

2024-07-11 | 05-真相・背景・経緯
§6-1 世界の「常識」は東京裁判史観
◆スカルノの背信——独立した今でも旧宗主国オランダに文句も言えない


独立記念塔の地下ホールにはインドネシアの歴史をジオラマで展示していた。オランダがここを植民地にした17世紀からの展示には、どこにもオランダの強制栽培も残忍なオランダ人農園主も出てこない。そして日本軍が来る。その説明文が凄い。「オランダ軍が降伏すると、日本軍はインドネシアの資源や労働力を搾取した」


◇スカルノの背信

『なぜ大東亜戦争は起きたのか?空の神兵と呼ばれた男たち』
( 高山正之&奥本實、ハート出版 (2016/12/15)、p63 )

通訳はこうも付け加えた。「日本がオランダより悪いことをしたというのはこの国では常識です」。もし疑うなら「ジャカルタの独立記念塔を見ればいい」

この塔は例の皇紀2605年に因んだ独立宣言を出したスカルノがジャカルタの中心部に建てたものだ。

塔はその独立宣言の数字にこだわったという説明で、例えば天井の高さは「8月」にちなんで8メートルに、といった具合だ。

ところが皇紀に因む「05」がない。その代り塔の台座部分が「長さ45メートルになっています」。つまり皇紀2605年は西暦1945年に変換され、「05」の代わりに「45」が登場していた。スカルノ自身がそうしたのだ。

独立記念塔の地下ホールにはインドネシアの歴史をジオラマで展示していた。オランダがここを植民地にした17世紀からの展示には、どこにもオランダの強制栽培も残忍なオランダ人農園主も出てこない。

そして日本軍が来る。その説明文が凄い。

「オランダ軍が降伏すると、日本軍はインドネシアの資源や労働力を搾取した」

次のコーナーは日本の降伏。

史実は単純だ。日本が負けた後、オランダは戦前同様にインドネシアの植民地領有を主張する。ところがあの温順な現地民に抵抗する動きがある。その中心に日本が指導して立ち上げた彼らの軍隊「ペタ」があった。

で、オランダは降伏した日本軍に再武装させペタを潰せと命じた。明らかな国際法違反だが、そんなことを白人は気にしない。日本が潰れたら今、誰が文句をいうか。

一方、ペタはもうオランダ支配はまっぴらだ。日本軍から銃を奪って帰ってくる宗主国をやっつけると心を決めていた。

彼らもまた自分たちのエゴで動き、自分たちのためになるなら恩義など糞喰らえと日本軍を襲った。日本はインドネシアのオランダ軍を制圧するのにパレンバン、メナドを含め840人が戦死した。そして敗戦後、日本が育てたペタによってそれを上回る、1200余が殺された。

日本軍兵士はそれでも彼らとの友情を信じ2000人が帰ってきた宗主国オランダとの戦いに協力して、その半分が死んだ。

この抵抗は4年に及び、最後は米国がオランダに戦後復興支援を打ち切ると脅して植民地支配の放棄を促し、インドネシアの独立を認めさせた。

不承不承のオランダは植民地支配の償いは一切なし、逆にパレンバンの石油精製所やその他植民地時代に残した社会資本の代償として80憶ドルを要求、スカルノはサインした。

これが大まかな史実だが、独立記念塔のジオラマの戦後はまずスカルノの独立宣言から始まる。

そして次にくるのが帰ってきたオランダとの戦いではなく、スマトラ北部のアチェで降伏した日本軍を襲撃して全員を虐殺した場面になる。その次はバンドンの憲兵本部襲撃、中部マランの日本軍飛行場の襲撃場面が並ぶ。

まるで悪い日本軍を倒してインドネシアは独立したのだと主張しているように見える。アンペラ橋の文句と全く同じなのだ。もちろんオランダが要求した植民地放棄料80憶ドルの話は一語も言及されていない。

その一方で、スカルノは日本に戦時賠償を要求し、1958年藤山外相とスパンドリオが総額6憶3千万ドルの賠償プラス経済借款で合意、調印している。ちなみに先に紹介したアンペラ橋はその戦時賠償の一環になる。

彼らは弱い存在だ。独立した今でも旧宗主国オランダに文句も言えない。それはもっと酷い目に遭ったインドがいまだに英国に尻尾を振っているのを見ても分かる。独立記念塔に事実を書いたら、つまりオランダの植民地政策を書いたら、白人国家から総スカンを食う、現に東ティモールだって簡単に奪われている。

パレンバンを旅して知ったのは逆説的だが、日本人が強いということだ。

こうして誰はばかることなく日本の真実を書き、しょうもない白人の非道をはっきり指摘することもできる。それが自然にできるのは世界にあって日本人だけなのだ。
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