電脳筆写『 心超臨界 』

苦労に対する最大の報酬は
その引き換えに手に入れるものではない
苦労したことで形成される人物である
J・ラスキン

悪魔の思想 《 丸山眞男――なにが「ピン」で、なにが「キリ」なのか/谷沢永一 》

2024-07-30 | 04-歴史・文化・社会
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生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
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大学紛争による東京大学の謂わゆる“封鎖”によって、丸山教授の研究室はひときわ滅茶滅茶に荒らされました。彼ら東大生は嫌らしい嫉妬心の発作に駈られて乱入し、下心あってゲバ棒をふるったのですから、丸山眞男のような謂わゆる“有名人”の受難は、特に甚だしかったわけです。丸山眞男は、このように非人間的な言語道断の毀損(きそん)を見て、さすがに「本来のインテリゲンチャ」は意欲的で、精力的で、進歩的で、未来を切り拓く念力に満ち溢れていて頼もしいなあ、と歓喜の声をあげたのでしょうか。


『悪魔の思想』 「進歩的文化人」という名の国賊12人
( 谷沢永一、クレスト社 (1996/02)、p107 )
戦後民主主義の理論的指導者(リーダー)・丸山眞男(まるやままさお)への告発状
第4章 国民を冷酷に二分する差別意識の権化(ごんげ)

  丸山眞男
  大正3年生まれ。東京帝大卒。東大教授を経て、現・東大名誉教授。
  大衆をファシズムの担い手と断じる、「進歩的文化人」のリーダー。

  いわゆる戦後民主主義の理論的指導者(リーダー)として学界に絶大
  な威勢をふるった丸山眞男は、日本国民を「二つの類型」に峻別し
  ました。そして文化人や言論人(ジャーナリスト)や大学教授や東大
  生などは「本来のインテリ」であるが、独立自営業者など額(ひた
  い)に汗して働く国民の中堅層において、人びとを束(たば)ねる立
  場にある者は「疑似(ぎじ)インテリ」であり、この「亜(あ)インテ
  リ」こそ「日本におけるファシズム運動の担い手」であると弾劾し、
  「本来のインテリ」を全面的に免責しました。

4-9 なにが「ピン」で、なにが「キリ」なのか

さて、そうなると丸山眞男の人生体験にふれなければなりません。大学生を「ピンからキリまで」と嚙(か)んで吐きだすように評した丸山眞男その人の令息ふたりが入学したのは、いずれも「ピン」に属する大学ではありませんでした。

そのとき丸山眞男は、儂(わし)は東大出身の東大教授だから「本来のインテリゲンチャ」であるけれども、貴様らは一生を通じて「疑似インテリゲンチャ」に終わる運命が確定したな、この愚かな奴らめと、自分の息子たちを前にして、こみあげてくる甘い優越感の昂揚を楽しんだのでしょうか。そんなことは、ちょっと考えられません。

あるいは、人間の価値は個人の資質に加えて努力の積み重ねによってこそ決まるのだから、むかし聴衆の東大生をただ単に東大生であるという資格だけをもって、実際にはどれほどの人間的充実に達しているかを問うことなく、あたまから「皆さん方は第二類型(「本来のインテリゲンチャ」を指す)に入るでしょう」と安請け合いしたのは軽率だったな、といくらか反省したでしょうか。

また、大学生を「ピンからキリまで」と罵ったとき、それはどこの大学に入ったかで「ピン」と「キリ」が運命的に決まるという意味ではなく、あくまでも、ひとりひとりの智恵、才覚、修養によって将来いかようにも可能性の道が開けるという展望を申しているのでありますと、細やかに言葉を付け加えるべきであったと思い直したのでしょうか。

子を持つ親の心に基づいて、今までの一本調子な論理に再検討の余地ありと考えをめぐらしたかどうか、知りたいものだと思います。

さらには、大学紛争による東京大学の謂わゆる“封鎖”によって、丸山教授の研究室はひときわ滅茶滅茶に荒らされました。彼ら東大生は嫌らしい嫉妬心の発作に駈られて乱入し、下心あってゲバ棒をふるったのですから、丸山眞男のような謂わゆる“有名人”の受難は、特に甚だしかったわけです。

念のために付け加えておきますが、沢山いる教授たちの研究室が均(ひと)し並みに同じ程度で破壊されたのではなく、著名な学者に対しては特に念入りな乱暴狼藉が行なわれました。

特徴的(けっさく)なのは平野龍一(りゅういち)教授の部屋が徹底的に荒らされたことで、その理由は“有名な”平野義太郎と間違われたのである旨が、壁の落書で判明しました。彼らの動機は、明白に身のほど知らずの嫉妬だったのです。そしてこの理不尽な破壊者こそ、かつて丸山眞男が慇懃(いんぎん)に「本来のインテリゲンチャ」と讃えた東京大学の学生でした。

丸山眞男は、このように非人間的な言語道断の毀損(きそん)を見て、さすがに「本来のインテリゲンチャ」は意欲的で、精力的で、進歩的で、未来を切り拓く念力に満ち溢れていて頼もしいなあ、と歓喜の声をあげたのでしょうか。

それとも、「本来のインテリゲンチャ」なる者は、世間に偏在する律気で真面目な働(はたら)き人(びと)よりも、実は根性がねじくれひねくれていて、嫉妬心がひときわ猛(たけ)り狂う性質(たち)の悪い連中であることが現実に即して判ったから、今後は「本来のインテリゲンチャ」と「疑似インテリゲンチャ」などという人間尊重の精神に反する差別の論理を撤回しなければならぬ、と沈思したのか、そのあたりの事情をぜひとも知りたいと願う者は、私だけでありましょうか。
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