電脳筆写『 心超臨界 』

苦労に対する最大の報酬は
その引き換えに得るものではない
苦労したことで形成される人物である
ジョン・ラスキン

人間通 《 二番手——谷沢永一 》

2024-05-05 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『南京問題終結宣言がYouTubeより削除されました』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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一挙に大量に流行(ベストセラー)街道を直走(ひたばし)りする本には率直に言って紛(まが)い物が多いのである。今すぐ買わなくたって何時(いつ)でも手に入る。それに対して比較的ゆっくり売れている本は、一時の興奮に乗じているのではなく読んだ人の口伝えに基づいて読者が徐々に拡大しつつあるのだから信用できるのである。


◆二番手

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p117 )

本なら何を読んでも一応の役に立つか。そうは参らぬのがこの世界の難しさである。食べ物なら栄養にならなくても別な効果で健康に役立つ。『砂払(すなばらい)』という奇妙な題の本がある。内容は蒟蒻本(こんにゃくぼん)つまり洒落本(しゃれぼん)の研究であって、蒟蒻は砂払いまた砂落しと言い伝える。腸の掃除をしてくれるからの尊重である。鱶鰭(ふかひれ)も然(しか)りであるらしい。良質の推理小説などごく僅(わず)かな書物が或(ある)いはそれに該当するかもしれないが、世には蒟蒻の役割さえ果さぬ無意味な本があまりに多い。食べ物を選ぶ方が遥(はる)かに楽である。食品市場に積みあげらられた食える材料は、昔からの経験でこれはいけると判(わか)っているのだから、消化作用の途中経過にどこか役立つ。しかし書店に所狭しと並べられた新刊書は出来たてのほやほやであるから、その効用については些(いささ)かの保証もない。選択せねばならぬ立場にとってこれほど苛酷な状況はないのである。

そういう難局に処する場合の勘所を実は大型書店が暗黙のうちに教えてくれている。いちばん売れ筋の本を堆(うずたか)く平積みしている箇所(コーナー)へ行って、どの本にいちばん力を入れてどっさり積みあげてあるか、その置き場所と仕入れ量を観察すればよい。そして現在もっとも盛大に売れているらしい本を敬遠する。一挙に大量に流行(ベストセラー)街道を直走(ひたばし)りする本には率直に言って紛(まが)い物が多いのである。今すぐ買わなくたって何時(いつ)でも手に入る。それに対して比較的ゆっくり売れている本は、一時の興奮に乗じているのではなく読んだ人の口伝えに基づいて読者が徐々に拡大しつつあるのだから信用できるのである。
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