電脳筆写『 心超臨界 』

歴史とは過去の出来事に対して
人々が合意すると決めた解釈のことである
( ナポレオン・ボナパルト )

不都合な真実 《 Eテレの電波オークション――高橋洋一 》

2024-09-29 | 05-真相・背景・経緯
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
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2020年のノーベル経済学賞は、電波オークションの実務的な仕組みを考案した米スタンフォード大のポール・ミルグロム教授とロバート・ウィルソン名誉教授に与えられ、受賞理由に「これで世界各国の納税者は大きな利益を得た」と書かれている。しかし、筆者の知る限り、地上波ニュースで受賞理由は詳しく報じられなかった。「『世界各国』から、日本は除く」と説明しなければならないからだろうか。


◆NHK改革でやるべきはEテレの電波オークション――高橋洋一
 受信料引き下げも

『嘘と感情論で封殺された5つの日本の真実』
( 高橋洋一、徳間書店 (2021/7/9)、p132 )

NHKの受信料制度などの見直しが議論されている。NHKが要望したテレビ設置の届け出義務や居住者情報照会の制度化は見送られる一方、テレビを保有しているのに受信契約締結に応じない支払い逃れについては割増金を課す制度を法制化する方針だと2020年秋に報じられている。

NHKの分割・民営化が筆者の持論だが、一朝一夕にはできない。そこでまず手をつけるべき改革は、教育チャンネル(Eテレ)の売却だ。

いま若い世代を中心にテレビを持たない人が多く、すでに映像はスマホやタブレットで見る時代だ。そうしたなかでNHKは、Eテレを持ち続けることで、電波という公共資源を無駄にしていると筆者は考える。

Eテレのチャンネル(周波数帯)を売却して携帯(通信)用に利用すれば、通話だけではなく、もっと多種多類の映像コンテンツを同時に配信できる。Eテレが占有していた電波の一部を政府のデジタル庁が使えば、確定申告などの各種行政サービスにも利用可能だ。

もちろんEテレには良い番組があるが、それはネット配信すればいい。NHKは国会の予算委員会の一部だけテレビ中継しているが、国はすでに国会中継をネットでライブ配信しているからそれも使える。Eテレの電波を通信に再分配したほうがより公共のためになるし、極端にいえばNHKを半分にスリム化できる。

日本では2019年の電波法改正で競争入札方式の電波オークション導入が検討されたが、総務省やテレビ局の抵抗で、本格的な導入は見送られたとみられている。しかし、「価格競争の要素を含む新たな割当方式」が創設され、先進各国から20~30年以上遅れて電波オークションができうる制度になった。

世界で電波オークションをやっていない国は日本と中国と北朝鮮くらいだ。2020年のノーベル経済学賞は、電波オークションの実務的な仕組みを考案した米スタンフォード大のポール・ミルグロム教授とロバート・ウィルソン名誉教授に与えられ、受賞理由に「これで世界各国の納税者は大きな利益を得た」と書かれている。しかし、筆者の知る限り、地上波ニュースで受賞理由は詳しく報じられなかった。「『世界各国』から、日本は除く」と説明しなければならないからだろうか。

電波の世界から見ると、テレビ放送も通信も同じだ。テレビはメディアとして衰退しつつあり、映像コンテンツは通信で見る時代になっている。同じ映像を流すことができて、コストは通信の方がはるかに安いのだから当然だ。それなのに日本は電波利用に無駄があり、通信用の電波が足りないのが実情だ。

日本でも本格的な電波オークションを導入してEテレのチャンネルを売却し、通信に利用しやすい周波数帯を携帯キャリアに応札させればいい。その結果、受信料引き下げだけではなく、携帯向けの設備投資も少なくて済むようになる。スマホの利用範囲が広がって新たなビジネスが増え、携帯料金が下がるという効果も見込まれるだろう。
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